初項が1、公比が2、項数が $n$ の等比数列について、以下の問いに答える。 (1) 各項の積 $P$ を求める。 (2) 各項の逆数の和 $T$ を求める。 (3) 各項の和を $S$ とするとき、等式 $S^n = P^2 T^n$ が成り立つことを証明する。

代数学等比数列数列の和数列の積数学的証明
2025/5/12

1. 問題の内容

初項が1、公比が2、項数が nn の等比数列について、以下の問いに答える。
(1) 各項の積 PP を求める。
(2) 各項の逆数の和 TT を求める。
(3) 各項の和を SS とするとき、等式 Sn=P2TnS^n = P^2 T^n が成り立つことを証明する。

2. 解き方の手順

(1) 各項の積 PP について:
等比数列の一般項は ak=a1rk1a_k = a_1 r^{k-1} で与えられる。ここで a1=1a_1 = 1r=2r = 2 なので、ak=2k1a_k = 2^{k-1} となる。
各項の積 PP は、
P=a1a2an=2021222n1=20+1+2++(n1)P = a_1 \cdot a_2 \cdot \dots \cdot a_n = 2^0 \cdot 2^1 \cdot 2^2 \cdot \dots \cdot 2^{n-1} = 2^{0+1+2+\dots+(n-1)}
指数部分は初項0、末項 n1n-1、項数 nn の等差数列の和なので、
0+1+2++(n1)=n(0+n1)2=n(n1)20 + 1 + 2 + \dots + (n-1) = \frac{n(0 + n-1)}{2} = \frac{n(n-1)}{2}
よって、P=2n(n1)2P = 2^{\frac{n(n-1)}{2}} となる。
(2) 各項の逆数の和 TT について:
各項の逆数は 1ak=12k1\frac{1}{a_k} = \frac{1}{2^{k-1}} で与えられる。これは初項1、公比12\frac{1}{2}の等比数列である。
逆数の和 TT は、
T=k=1n12k1=1(12)n112=112n12=2(112n)=222n=212n1=2n12n1T = \sum_{k=1}^n \frac{1}{2^{k-1}} = \frac{1 - (\frac{1}{2})^n}{1 - \frac{1}{2}} = \frac{1 - \frac{1}{2^n}}{\frac{1}{2}} = 2(1 - \frac{1}{2^n}) = 2 - \frac{2}{2^n} = 2 - \frac{1}{2^{n-1}} = \frac{2^n - 1}{2^{n-1}}
よって、T=2n12n1T = \frac{2^n - 1}{2^{n-1}} となる。
(3) Sn=P2TnS^n = P^2 T^n の証明:
等比数列の和 SS は、
S=k=1nak=1(2n1)21=2n1S = \sum_{k=1}^n a_k = \frac{1(2^n - 1)}{2 - 1} = 2^n - 1
したがって、S=2n1S = 2^n - 1 となる。
左辺 Sn=(2n1)nS^n = (2^n - 1)^n
右辺 P2Tn=(2n(n1)2)2(2n12n1)n=2n(n1)(2n1)n2n(n1)=(2n1)nP^2 T^n = (2^{\frac{n(n-1)}{2}})^2 (\frac{2^n - 1}{2^{n-1}})^n = 2^{n(n-1)} \frac{(2^n - 1)^n}{2^{n(n-1)}} = (2^n - 1)^n
したがって、左辺 = 右辺となり、Sn=P2TnS^n = P^2 T^n が成り立つ。

3. 最終的な答え

(1) P=2n(n1)2P = 2^{\frac{n(n-1)}{2}}
(2) T=2n12n1T = \frac{2^n - 1}{2^{n-1}}
(3) Sn=P2TnS^n = P^2 T^n は成り立つ。

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