(1) $7n+6$ と $3n+4$ の最大公約数が5となるような、2桁の自然数 $n$ をすべて求めよ。 (2) $4n+15$ と $3n+13$ の最大公約数が7となるような、50以下の自然数 $n$ をすべて求めよ。 (3) $6n+9$ と $5n+8$ が互いに素となるような、100以下の自然数 $n$ は何個あるか。

数論最大公約数合同式整数の性質
2025/5/12

1. 問題の内容

(1) 7n+67n+63n+43n+4 の最大公約数が5となるような、2桁の自然数 nn をすべて求めよ。
(2) 4n+154n+153n+133n+13 の最大公約数が7となるような、50以下の自然数 nn をすべて求めよ。
(3) 6n+96n+95n+85n+8 が互いに素となるような、100以下の自然数 nn は何個あるか。

2. 解き方の手順

(1)
7n+67n+63n+43n+4 の最大公約数が5であることから、7n+67n+63n+43n+4 も5の倍数である。
7n+60(mod5)7n+6 \equiv 0 \pmod{5} より、
2n+10(mod5)2n+1 \equiv 0 \pmod{5}
2n14(mod5)2n \equiv -1 \equiv 4 \pmod{5}
n2(mod5)n \equiv 2 \pmod{5}
よって、n=5k+2n = 5k+2 (kk は整数) と表せる。
同様に、3n+40(mod5)3n+4 \equiv 0 \pmod{5} より、
3n41(mod5)3n \equiv -4 \equiv 1 \pmod{5}
6n2(mod5)6n \equiv 2 \pmod{5}
n2(mod5)n \equiv 2 \pmod{5}
よって、n=5k+2n = 5k+2 (kk は整数) と表せる。
nn が2桁の自然数であるから、10n9910 \le n \le 99
105k+29910 \le 5k+2 \le 99
85k978 \le 5k \le 97
1.6k19.41.6 \le k \le 19.4
kk は整数なので、2k192 \le k \le 19
したがって、n=5k+2n=5k+25(2)+2=125(2)+2=12 から 5(19)+2=975(19)+2=97 まで。
7n+6=7(5k+2)+6=35k+20=5(7k+4)7n+6=7(5k+2)+6=35k+20=5(7k+4)
3n+4=3(5k+2)+4=15k+10=5(3k+2)3n+4=3(5k+2)+4=15k+10=5(3k+2)
7k+47k+43k+23k+2が互いに素である必要がある。
7k+47k+43k+23k+2 の最大公約数が1となるような kk を探す。
k=2k=2のとき n=12n=12, 7k+4=187k+4=18, 3k+2=83k+2=8, gcd(18,8)=2
k=3k=3のとき n=17n=17, 7k+4=257k+4=25, 3k+2=113k+2=11, gcd(25,11)=1
k=4k=4のとき n=22n=22, 7k+4=327k+4=32, 3k+2=143k+2=14, gcd(32,14)=2
k=5k=5のとき n=27n=27, 7k+4=397k+4=39, 3k+2=173k+2=17, gcd(39,17)=1
k=6k=6のとき n=32n=32, 7k+4=467k+4=46, 3k+2=203k+2=20, gcd(46,20)=2
k=7k=7のとき n=37n=37, 7k+4=537k+4=53, 3k+2=233k+2=23, gcd(53,23)=1
k=8k=8のとき n=42n=42, 7k+4=607k+4=60, 3k+2=263k+2=26, gcd(60,26)=2
k=9k=9のとき n=47n=47, 7k+4=677k+4=67, 3k+2=293k+2=29, gcd(67,29)=1
k=10k=10のとき n=52n=52, 7k+4=747k+4=74, 3k+2=323k+2=32, gcd(74,32)=2
k=11k=11のとき n=57n=57, 7k+4=817k+4=81, 3k+2=353k+2=35, gcd(81,35)=1
k=12k=12のとき n=62n=62, 7k+4=887k+4=88, 3k+2=383k+2=38, gcd(88,38)=2
k=13k=13のとき n=67n=67, 7k+4=957k+4=95, 3k+2=413k+2=41, gcd(95,41)=1
k=14k=14のとき n=72n=72, 7k+4=1027k+4=102, 3k+2=443k+2=44, gcd(102,44)=2
k=15k=15のとき n=77n=77, 7k+4=1097k+4=109, 3k+2=473k+2=47, gcd(109,47)=1
k=16k=16のとき n=82n=82, 7k+4=1167k+4=116, 3k+2=503k+2=50, gcd(116,50)=2
k=17k=17のとき n=87n=87, 7k+4=1237k+4=123, 3k+2=533k+2=53, gcd(123,53)=1
k=18k=18のとき n=92n=92, 7k+4=1307k+4=130, 3k+2=563k+2=56, gcd(130,56)=2
k=19k=19のとき n=97n=97, 7k+4=1377k+4=137, 3k+2=593k+2=59, gcd(137,59)=1
n=17,27,37,47,57,67,77,87,97n = 17, 27, 37, 47, 57, 67, 77, 87, 97
(2)
4n+154n+153n+133n+13 の最大公約数が7であることから、4n+154n+153n+133n+13 も7の倍数である。
4n+150(mod7)4n+15 \equiv 0 \pmod{7} より、
4n+10(mod7)4n+1 \equiv 0 \pmod{7}
4n16(mod7)4n \equiv -1 \equiv 6 \pmod{7}
8n12(mod7)8n \equiv 12 \pmod{7}
n5(mod7)n \equiv 5 \pmod{7}
よって、n=7k+5n = 7k+5 (kk は整数) と表せる。
同様に、3n+130(mod7)3n+13 \equiv 0 \pmod{7} より、
3n10(mod7)3n-1 \equiv 0 \pmod{7}
3n1(mod7)3n \equiv 1 \pmod{7}
6n2(mod7)6n \equiv 2 \pmod{7}
n2(mod7)-n \equiv 2 \pmod{7}
n25(mod7)n \equiv -2 \equiv 5 \pmod{7}
よって、n=7k+5n = 7k+5 (kk は整数) と表せる。
nn が50以下の自然数であるから、1n501 \le n \le 50
17k+5501 \le 7k+5 \le 50
47k45-4 \le 7k \le 45
4/7k45/7=6.428-4/7 \le k \le 45/7 = 6.428\dots
kk は整数なので、0k60 \le k \le 6
したがって、n=7k+5n=7k+57(0)+5=57(0)+5=5 から 7(6)+5=477(6)+5=47 まで。
4n+15=4(7k+5)+15=28k+35=7(4k+5)4n+15=4(7k+5)+15=28k+35=7(4k+5)
3n+13=3(7k+5)+13=21k+28=7(3k+4)3n+13=3(7k+5)+13=21k+28=7(3k+4)
4k+54k+53k+43k+4が互いに素である必要がある。
4k+54k+53k+43k+4 の最大公約数が1となるような kk を探す。
k=0k=0のとき n=5n=5, 4k+5=54k+5=5, 3k+4=43k+4=4, gcd(5,4)=1
k=1k=1のとき n=12n=12, 4k+5=94k+5=9, 3k+4=73k+4=7, gcd(9,7)=1
k=2k=2のとき n=19n=19, 4k+5=134k+5=13, 3k+4=103k+4=10, gcd(13,10)=1
k=3k=3のとき n=26n=26, 4k+5=174k+5=17, 3k+4=133k+4=13, gcd(17,13)=1
k=4k=4のとき n=33n=33, 4k+5=214k+5=21, 3k+4=163k+4=16, gcd(21,16)=1
k=5k=5のとき n=40n=40, 4k+5=254k+5=25, 3k+4=193k+4=19, gcd(25,19)=1
k=6k=6のとき n=47n=47, 4k+5=294k+5=29, 3k+4=223k+4=22, gcd(29,22)=1
n=5,12,19,26,33,40,47n=5, 12, 19, 26, 33, 40, 47
(3)
6n+96n+95n+85n+8 が互いに素となるような、100以下の自然数 nn の個数を求める。
6n+9=3(2n+3)6n+9 = 3(2n+3)
6n+96n+95n+85n+8 が互いに素でないとき、3の倍数でないとすると、
5n+85n+8 が3の倍数でないとき、
5n+80(mod3)5n+8 \equiv 0 \pmod{3}
2n+20(mod3)2n+2 \equiv 0 \pmod{3}
2n21(mod3)2n \equiv -2 \equiv 1 \pmod{3}
4n2(mod3)4n \equiv 2 \pmod{3}
n2(mod3)n \equiv 2 \pmod{3}
n=3k+2n=3k+2
6n+96n+95n+85n+8が互いに素でないことは、GCD(6n+9, 5n+8)>1であることと同値である。
GCD(6n+9,5n+8)=GCD(5(6n+9)6(5n+8),5n+8)=GCD(4548,5n+8)=GCD(3,5n+8)GCD(6n+9, 5n+8)=GCD(5(6n+9)-6(5n+8),5n+8) = GCD(45-48,5n+8)=GCD(3, 5n+8).
この値が1よりも大きいためには、5n+85n+8が3の倍数でなければならない。
5n+80(mod3)5n+8\equiv 0 \pmod{3}
5n8(mod3)5n\equiv -8 \pmod{3}
5n1(mod3)5n\equiv 1 \pmod{3}
10n2(mod3)10n \equiv 2 \pmod{3}
n2(mod3)n\equiv 2 \pmod{3}
つまり、nが3で割って2余る数であれば、6n+96n+95n+85n+8は互いに素ではない。
nは1から100までの自然数であるため、n2(mod3)n\equiv 2\pmod{3}となるnの個数は、10023+1=983+1=32+1=33\lfloor\frac{100-2}{3}\rfloor + 1 = \lfloor\frac{98}{3}\rfloor + 1 = 32+1 = 33
nが3で割って2余る数ではない数は、10033=67100 - 33 = 67

3. 最終的な答え

(1) n=17,27,37,47,57,67,77,87,97n = 17, 27, 37, 47, 57, 67, 77, 87, 97
(2) n=5,12,19,26,33,40,47n = 5, 12, 19, 26, 33, 40, 47
(3) 67個

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