半径 $a$ の金属球があり、その周りを半径 $r=b$ から $r=c$ まで誘電率 $\epsilon$ の誘電体で覆っている。金属球に $+Q$ の電荷を与えたとき、この系の静電容量を求める。
2025/5/13
## 解答
1. 問題の内容
半径 の金属球があり、その周りを半径 から まで誘電率 の誘電体で覆っている。金属球に の電荷を与えたとき、この系の静電容量を求める。
2. 解き方の手順
系の静電容量 は、電荷 と電位差 の関係 から求められる。電位差 は、電場 を積分することで求められる。この問題を解くには、ガウスの法則を用いて電場を計算し、それを積分して電位差を求め、最終的に静電容量を計算する。積分範囲を問題文のヒントに従い、 から , から , から の範囲で考える。
(1) ガウスの法則より、電場を求める。
半径 の球面を考える。ガウスの法則より、
ここで、 は電束密度、 は微小面積ベクトル、 は球面内の電荷である。電場は球対称性から、半径方向にのみ依存する。
(i) の領域: 誘電率は であり、 である。したがって、
(ii) の領域: 誘電率は であり、 である。したがって、
(iii) の領域: 誘電率は であり、 である。したがって、
(2) 電位差 を求める。
電位の基準点を無限遠にとると、電位差は以下の積分で計算できる。
それぞれの積分は、
したがって、電位差 は
(3) 静電容量 を求める。