母線の長さが1の直円錐の頂点をOとする。底円上に点Aをとり、線分OA上に$|OP| = p$ ($0 < p < 1$)を満たす点Pをとる。点Pから出発し、直円錐の側面を2周してAへ至る最短経路の途中に点Pがあるとき、その最短経路の長さを$p$によって表す。
2025/5/13
1. 問題の内容
母線の長さが1の直円錐の頂点をOとする。底円上に点Aをとり、線分OA上に ()を満たす点Pをとる。点Pから出発し、直円錐の側面を2周してAへ至る最短経路の途中に点Pがあるとき、その最短経路の長さをによって表す。
2. 解き方の手順
(1) 直円錐の展開図を考える。母線の長さが1であるから、展開図は半径1の扇形となる。点Aは底円上にあるので、展開図における点Aは扇形の円弧上に位置する。直円錐の側面を2周するので、展開図は扇形を2つ繋げた形になる。扇形の中心角をとすると、底円の円周は であり、母線の長さが1であるから、 となる。したがって、 である。元の円錐の展開図を2つ繋げているので、展開図の中心角はとなる。円錐の母線の長さは1なので、元の扇形の中心角はであり、展開図ではになる。
は底面の半径なので、となる。元の円錐の展開図は、半径1、中心角の扇形。
点Aは扇形の円弧上にあり、点Pは線分OA上にとなるように存在する。
点Aから出発して2周した後、点Aに戻る。
点Pから出発して、円錐の側面を2周してAにたどり着く最短経路を考える。
展開図において、これは点Pから点Aへ至る線分に対応する。
(2) 展開図において、点Pから点Aへの最短経路を考える。点Pと点Aは同じ側面にある場合と、異なる側面にある場合を考える必要がある。この問題文の条件から、点Pを通過することから、Pは点Aから2周して戻ってくる経路の途上にあると考えられる。
座標を設定する。点Oを中心とし、点Aを軸上に置く。点Aの座標は、点Pの座標はとなる。円錐の側面を2周するので、点Aは展開図上に2つ存在することになる。点の座標を、点の座標をとする。点Pから点への距離は、
この経路の途中にPがあるので、Aを4周して戻る場合はない。
ここで、は底円の半径を表し、円錐の母線の長さは1であるから、となる。なぜなら、円錐を広げた扇形の弧の長さは、底円の円周と等しいので、となるから、中心角となる。円錐の側面を2周するため、中心角はとなる。円錐を展開した扇形の中心角がである場合、底円の半径は1になる。
したがって、となる。
(3) 点Pから点Aへの最短距離は、展開図上で直線距離となる。点PからAへ円錐面を2周してたどり着くには、点Aを2つ用意する必要がある。点A1(1,0)と点A2(1, 4πr) とすると、PからA2までの距離を計算する必要がある。
より、 なので、扇形の中心角は である。展開図では2周しているので、中心角はとなる。このとき、点PからAへの距離は、
となる。