与えられた等式 $x^3 + 1 = a(x-1)(x-2)(x-3) + b(x-1)(x-2) + c(x-1) + d$ が $x$ についての恒等式となるように、定数 $a, b, c, d$ の値を求める問題です。係数比較法と数値代入法の2つの方法で求め、それぞれの方法のメリットを考察します。

代数学恒等式係数比較法数値代入法多項式
2025/5/13

1. 問題の内容

与えられた等式 x3+1=a(x1)(x2)(x3)+b(x1)(x2)+c(x1)+dx^3 + 1 = a(x-1)(x-2)(x-3) + b(x-1)(x-2) + c(x-1) + dxx についての恒等式となるように、定数 a,b,c,da, b, c, d の値を求める問題です。係数比較法と数値代入法の2つの方法で求め、それぞれの方法のメリットを考察します。

2. 解き方の手順

**(1) 係数比較法**
与えられた等式を展開して整理します。
x3+1=a(x36x2+11x6)+b(x23x+2)+c(x1)+dx^3 + 1 = a(x^3 - 6x^2 + 11x - 6) + b(x^2 - 3x + 2) + c(x - 1) + d
x3+1=ax36ax2+11ax6a+bx23bx+2b+cxc+dx^3 + 1 = ax^3 - 6ax^2 + 11ax - 6a + bx^2 - 3bx + 2b + cx - c + d
x3+1=ax3+(6a+b)x2+(11a3b+c)x+(6a+2bc+d)x^3 + 1 = ax^3 + (-6a + b)x^2 + (11a - 3b + c)x + (-6a + 2b - c + d)
両辺の係数を比較します。
* x3x^3 の係数: a=1a = 1
* x2x^2 の係数: 6a+b=0-6a + b = 0
* xx の係数: 11a3b+c=011a - 3b + c = 0
* 定数項: 6a+2bc+d=1-6a + 2b - c + d = 1
これらの式から、a,b,c,da, b, c, d の値を求めます。
a=1a = 1
b=6a=6b = 6a = 6
c=11a+3b=11+18=7c = -11a + 3b = -11 + 18 = 7
d=1+6a2b+c=1+612+7=2d = 1 + 6a - 2b + c = 1 + 6 - 12 + 7 = 2
**(2) 数値代入法**
xx に適切な値を代入して、a,b,c,da, b, c, d の値を求めます。x=1,2,3,0x = 1, 2, 3, 0 を代入するのが効果的です。
* x=1x = 1 のとき: 13+1=a(0)+b(0)+c(0)+dd=21^3 + 1 = a(0) + b(0) + c(0) + d \Rightarrow d = 2
* x=2x = 2 のとき: 23+1=a(0)+b(0)+c(21)+d9=c+2c=72^3 + 1 = a(0) + b(0) + c(2-1) + d \Rightarrow 9 = c + 2 \Rightarrow c = 7
* x=3x = 3 のとき: 33+1=a(0)+b(31)(32)+c(31)+d28=2b+2c+d28=2b+14+22b=12b=63^3 + 1 = a(0) + b(3-1)(3-2) + c(3-1) + d \Rightarrow 28 = 2b + 2c + d \Rightarrow 28 = 2b + 14 + 2 \Rightarrow 2b = 12 \Rightarrow b = 6
* x=0x = 0 のとき: 03+1=a(1)(2)(3)+b(1)(2)+c(1)+d1=6a+2bc+d1=6a+127+21=6a+76a=6a=10^3 + 1 = a(-1)(-2)(-3) + b(-1)(-2) + c(-1) + d \Rightarrow 1 = -6a + 2b - c + d \Rightarrow 1 = -6a + 12 - 7 + 2 \Rightarrow 1 = -6a + 7 \Rightarrow -6a = -6 \Rightarrow a = 1
**(3) メリットの考察**
* 係数比較法のメリット:
* 計算ミスが少ない(展開が正確であれば)。
* 機械的に解ける。
* 数値代入法のメリット:
* 計算が楽な場合がある(特に与えられた式に (xk)(x-k) のような因子が含まれる場合)。
* 連立方程式を解く手間が少ない。

3. 最終的な答え

a=1a = 1
b=6b = 6
c=7c = 7
d=2d = 2

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