直角三角形ABCにおいて、AB=8, BC=7, ∠C=90°である。三角形ABCに内接する円をO1とし、次に円O1と辺AB, BCに接する円をO2とする。以下、図のように順にO3,..., On,...を作図する。円On (n=1, 2,...)の半径を$r_n$, 面積を$S_n$とするとき、以下の問いに答えよ。 (1) $r_1$を求めよ。 (2) $sin(\frac{B}{2})$を求めよ。 (3) $\sum_{n=1}^{\infty} S_n$が収束することを示し、その値を求めよ。

幾何学直角三角形内接円等比数列三角比無限級数
2025/5/14
はい、承知いたしました。問題166を解いていきましょう。

1. 問題の内容

直角三角形ABCにおいて、AB=8, BC=7, ∠C=90°である。三角形ABCに内接する円をO1とし、次に円O1と辺AB, BCに接する円をO2とする。以下、図のように順にO3,..., On,...を作図する。円On (n=1, 2,...)の半径をrnr_n, 面積をSnS_nとするとき、以下の問いに答えよ。
(1) r1r_1を求めよ。
(2) sin(B2)sin(\frac{B}{2})を求めよ。
(3) n=1Sn\sum_{n=1}^{\infty} S_nが収束することを示し、その値を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) r1r_1の計算
直角三角形ABCにおいて、ACの長さを三平方の定理を用いて計算します。
AC=AB2BC2=8272=6449=15AC = \sqrt{AB^2 - BC^2} = \sqrt{8^2 - 7^2} = \sqrt{64 - 49} = \sqrt{15}
三角形ABCの面積Sは、
S=12×BC×AC=12×7×15=7152S = \frac{1}{2} \times BC \times AC = \frac{1}{2} \times 7 \times \sqrt{15} = \frac{7\sqrt{15}}{2}
内接円の半径r1r_1は、三角形の面積と周囲の長さの関係から求めることができます。三角形の周囲の長さLは、
L=AB+BC+AC=8+7+15=15+15L = AB + BC + AC = 8 + 7 + \sqrt{15} = 15 + \sqrt{15}
内接円の半径と三角形の面積の関係は、S=12r1LS = \frac{1}{2} r_1 Lなので、
r1=2SL=2×715215+15=71515+15r_1 = \frac{2S}{L} = \frac{2 \times \frac{7\sqrt{15}}{2}}{15 + \sqrt{15}} = \frac{7\sqrt{15}}{15 + \sqrt{15}}
分母を有理化します。
r1=715(1515)(15+15)(1515)=715(1515)22515=715(1515)210=15(1515)30=15151530=1512r_1 = \frac{7\sqrt{15}(15 - \sqrt{15})}{(15 + \sqrt{15})(15 - \sqrt{15})} = \frac{7\sqrt{15}(15 - \sqrt{15})}{225 - 15} = \frac{7\sqrt{15}(15 - \sqrt{15})}{210} = \frac{\sqrt{15}(15 - \sqrt{15})}{30} = \frac{15\sqrt{15} - 15}{30} = \frac{\sqrt{15} - 1}{2}
(2) sin(B2)sin(\frac{B}{2})の計算
sinB=ACAB=158sinB = \frac{AC}{AB} = \frac{\sqrt{15}}{8}
半角の公式 sin2(B2)=1cosB2sin^2(\frac{B}{2}) = \frac{1 - cosB}{2}を利用します。
cosB=BCAB=78cosB = \frac{BC}{AB} = \frac{7}{8}
sin2(B2)=1782=182=116sin^2(\frac{B}{2}) = \frac{1 - \frac{7}{8}}{2} = \frac{\frac{1}{8}}{2} = \frac{1}{16}
sin(B2)=116=14sin(\frac{B}{2}) = \sqrt{\frac{1}{16}} = \frac{1}{4}
(3) n=1Sn\sum_{n=1}^{\infty} S_nの計算
円Onの半径rnr_nは等比数列をなします。公比をkkとすると、rn=r1×kn1r_n = r_1 \times k^{n-1}です。
r2r1=k\frac{r_2}{r_1} = k
円の中心間の距離を考えると、k=(1sin(B2)1+sin(B2))2=(1141+14)2=(3454)2=(35)2=925k = (\frac{1 - sin(\frac{B}{2})}{1 + sin(\frac{B}{2})})^2 = (\frac{1 - \frac{1}{4}}{1 + \frac{1}{4}})^2 = (\frac{\frac{3}{4}}{\frac{5}{4}})^2 = (\frac{3}{5})^2 = \frac{9}{25}
したがって、rn=r1×(925)n1r_n = r_1 \times (\frac{9}{25})^{n-1}
Sn=πrn2=π(r1×(925)n1)2=πr12(81625)n1S_n = \pi r_n^2 = \pi (r_1 \times (\frac{9}{25})^{n-1})^2 = \pi r_1^2 (\frac{81}{625})^{n-1}
n=1Sn=n=1πr12(81625)n1=πr12n=1(81625)n1\sum_{n=1}^{\infty} S_n = \sum_{n=1}^{\infty} \pi r_1^2 (\frac{81}{625})^{n-1} = \pi r_1^2 \sum_{n=1}^{\infty} (\frac{81}{625})^{n-1}
等比数列の和の公式より、
n=1Sn=πr12×1181625=πr12×1544625=πr12×625544\sum_{n=1}^{\infty} S_n = \pi r_1^2 \times \frac{1}{1 - \frac{81}{625}} = \pi r_1^2 \times \frac{1}{\frac{544}{625}} = \pi r_1^2 \times \frac{625}{544}
r1=1512r_1 = \frac{\sqrt{15} - 1}{2}なので、
n=1Sn=π(1512)2×625544=π15215+14×625544=π162154×625544=π(4152)×625544=π(8152)×625544=625π(815)1088\sum_{n=1}^{\infty} S_n = \pi (\frac{\sqrt{15} - 1}{2})^2 \times \frac{625}{544} = \pi \frac{15 - 2\sqrt{15} + 1}{4} \times \frac{625}{544} = \pi \frac{16 - 2\sqrt{15}}{4} \times \frac{625}{544} = \pi (4 - \frac{\sqrt{15}}{2}) \times \frac{625}{544} = \pi (\frac{8 - \sqrt{15}}{2}) \times \frac{625}{544} = \frac{625\pi (8 - \sqrt{15})}{1088}

3. 最終的な答え

(1) r1=1512r_1 = \frac{\sqrt{15} - 1}{2}
(2) sin(B2)=14sin(\frac{B}{2}) = \frac{1}{4}
(3) n=1Sn=625π(815)1088\sum_{n=1}^{\infty} S_n = \frac{625\pi (8 - \sqrt{15})}{1088}

「幾何学」の関連問題

放物線 $y = \frac{1}{4}x^2$ と直線 $l$ が2点A, Bで交わっている。Aのx座標は-2、Bのx座標は4である。このとき、直線 $l$ の式を求める。

放物線直線座標連立方程式
2025/5/14

放物線 $y = \frac{1}{4}x^2$ と直線 $l$ が2点A, Bで交わっている。点Bを通り$x$軸に平行な直線に関して、$l$と対称な直線$m$を引き、放物線とのもう一つの交点をCとす...

放物線直線交点連立方程式座標
2025/5/14

点A(1, 3)と直線 $l: x - 2y - 1 = 0$ が与えられている。点Qが直線 $l$ 上を動くとき、次の条件を満たす点Pの軌跡を求める。 (1) Pは線分AQの中点 (2) Pは線分Q...

軌跡直線中点内分点対称点平行移動
2025/5/14

底面の半径と高さがともに3cmの円柱と、半径が3cmの半球がある。円柱の体積を$V$ cm$^3$、半球の体積を$W$ cm$^3$とするとき、$V:W$をもっとも簡単な整数の比で表す。

体積円柱半球
2025/5/14

与えられた立面図と平面図から、立体の体積を求める問題です。立面図は縦6cm、横4cmの長方形であり、平面図は円であることから、この立体は円柱を半分に切ったものであると推測できます。

体積円柱立体図形π計算
2025/5/14

一辺の長さが $a$ cm の立方体がある。この立方体を平面 CHF で切ってできる三角錐の体積を求めよ。

立体図形体積立方体三角錐
2025/5/14

底辺6cm、高さ8cmの直角三角形を高さの1/2のところで切り取ってできた台形を、直線lを軸として1回転させたときにできる立体の体積を求めよ。

体積回転体円錐円柱台形
2025/5/14

底面が一辺2cmの正方形で、高さが5cmの正四角錐の体積を求める問題です。

体積正四角錐空間図形
2025/5/14

半径が6cmの半球の体積を求める問題です。

体積半球半径円周率
2025/5/14

直径が10cmの球の表面積を求める問題です。

表面積半径体積
2025/5/14