$\alpha = 2\sqrt{2}(1+i)$ とするとき、等式 $|z-\alpha| = 2$ を満たす複素数 $z$ について、以下の問いに答える問題です。ただし、複素数の偏角はすべて $0$ 以上 $2\pi$ 未満とします。 (1) 絶対値が最大となる $z$ を求めます。 (2) 偏角が最大となる $z$ を $\beta$ とおくとき、以下をそれぞれ求めます。 (i) $\frac{\beta}{\alpha}$ の絶対値と偏角 (ii) $\beta$ とその偏角 (iii) $1 \le n \le 100$ の範囲で、$\beta^n$ が実数になる整数 $n$ の個数

代数学複素数複素数平面絶対値偏角極形式
2025/5/14

1. 問題の内容

α=22(1+i)\alpha = 2\sqrt{2}(1+i) とするとき、等式 zα=2|z-\alpha| = 2 を満たす複素数 zz について、以下の問いに答える問題です。ただし、複素数の偏角はすべて 00 以上 2π2\pi 未満とします。
(1) 絶対値が最大となる zz を求めます。
(2) 偏角が最大となる zzβ\beta とおくとき、以下をそれぞれ求めます。
(i) βα\frac{\beta}{\alpha} の絶対値と偏角
(ii) β\beta とその偏角
(iii) 1n1001 \le n \le 100 の範囲で、βn\beta^n が実数になる整数 nn の個数

2. 解き方の手順

まず、α\alpha を極形式で表します。
α=22(1+i)=222(cosπ4+isinπ4)=4(cosπ4+isinπ4)\alpha = 2\sqrt{2}(1+i) = 2\sqrt{2} \cdot \sqrt{2}(\cos{\frac{\pi}{4}} + i\sin{\frac{\pi}{4}}) = 4(\cos{\frac{\pi}{4}} + i\sin{\frac{\pi}{4}})
より、α\alpha の絶対値は 44、偏角は π4\frac{\pi}{4} です。
zα=2|z-\alpha| = 2 は、複素数平面上で、点 α\alpha を中心とする半径 22 の円を表します。
(1) 絶対値が最大となる zz を求めるには、原点から円の中心 α\alpha を通る直線と円の交点のうち、α\alpha から遠い方の点が求める zz です。
z=α+2(cosπ4+isinπ4)=4(cosπ4+isinπ4)+2(cosπ4+isinπ4)=6(cosπ4+isinπ4)=6(22+i22)=32+32iz = \alpha + 2(\cos{\frac{\pi}{4}} + i\sin{\frac{\pi}{4}}) = 4(\cos{\frac{\pi}{4}} + i\sin{\frac{\pi}{4}}) + 2(\cos{\frac{\pi}{4}} + i\sin{\frac{\pi}{4}}) = 6(\cos{\frac{\pi}{4}} + i\sin{\frac{\pi}{4}}) = 6(\frac{\sqrt{2}}{2} + i\frac{\sqrt{2}}{2}) = 3\sqrt{2} + 3\sqrt{2}i
(2) 偏角が最大となる zz は、円 zα=2|z-\alpha| = 2 に原点から引いた接線の接点です。
α\alpha を中心とする半径2の円を考え、原点Oからこの円に接線を引きます。その接点をβ\betaとします。αOβ=θ\angle \alpha O \beta = \thetaとすると、sinθ\theta = 24=12\frac{2}{4} = \frac{1}{2} なので、θ=π6\theta = \frac{\pi}{6}です。
したがって、β\betaの偏角は、π4+π6=5π12\frac{\pi}{4} + \frac{\pi}{6} = \frac{5\pi}{12}
また、β=4222=12=23|\beta| = \sqrt{4^2-2^2} = \sqrt{12} = 2\sqrt{3}
β=23(cos5π12+isin5π12)\beta = 2\sqrt{3} (\cos{\frac{5\pi}{12}} + i\sin{\frac{5\pi}{12}})
(i) βα=23(cos5π12+isin5π12)4(cosπ4+isinπ4)=32(cos(5π12π4)+isin(5π12π4))=32(cosπ6+isinπ6)=32(32+i12)=34+i34\frac{\beta}{\alpha} = \frac{2\sqrt{3} (\cos{\frac{5\pi}{12}} + i\sin{\frac{5\pi}{12}})}{4(\cos{\frac{\pi}{4}} + i\sin{\frac{\pi}{4}})} = \frac{\sqrt{3}}{2} (\cos{(\frac{5\pi}{12} - \frac{\pi}{4})} + i\sin{(\frac{5\pi}{12} - \frac{\pi}{4})}) = \frac{\sqrt{3}}{2} (\cos{\frac{\pi}{6}} + i\sin{\frac{\pi}{6}}) = \frac{\sqrt{3}}{2} (\frac{\sqrt{3}}{2} + i\frac{1}{2}) = \frac{3}{4} + i\frac{\sqrt{3}}{4}
βα=32\left| \frac{\beta}{\alpha} \right| = \frac{\sqrt{3}}{2}
偏角は π6\frac{\pi}{6}
(ii) β=23(cos5π12+isin5π12)\beta = 2\sqrt{3} (\cos{\frac{5\pi}{12}} + i\sin{\frac{5\pi}{12}})
絶対値: 232\sqrt{3}
偏角: 5π12\frac{5\pi}{12}
(iii) βn\beta^n が実数になるのは、5nπ12=kπ\frac{5n\pi}{12} = k\pi (kは整数) となる場合です。
つまり、5n12=k\frac{5n}{12} = k, 5n=12k5n = 12k
n=12k5n = \frac{12k}{5}
1n1001 \le n \le 100 より、 112k51001 \le \frac{12k}{5} \le 100
512k50012=1253=41.666...\frac{5}{12} \le k \le \frac{500}{12} = \frac{125}{3} = 41.666...
kk は整数なので、1k411 \le k \le 41
kk が5の倍数の時のみ nn は整数になるので、k=5,10,15,20,25,30,35,40k = 5, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40
したがって、nn88 個。

3. 最終的な答え

(1) z=32+32iz = 3\sqrt{2} + 3\sqrt{2}i
(2)
(i) 絶対値: 32\frac{\sqrt{3}}{2}, 偏角: π6\frac{\pi}{6}
(ii) β\beta の絶対値: 232\sqrt{3}, 偏角: 5π12\frac{5\pi}{12}
(iii) 88

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