Aの袋には赤玉3個と白玉2個が入っており、Bの袋には赤玉2個と白玉2個が入っています。Aから3個、Bから2個を同時に取り出すとき、取り出した5個の玉に含まれる白玉の個数の期待値、分散、標準偏差を求めます。

確率論・統計学期待値分散標準偏差確率分布組み合わせ
2025/5/14

1. 問題の内容

Aの袋には赤玉3個と白玉2個が入っており、Bの袋には赤玉2個と白玉2個が入っています。Aから3個、Bから2個を同時に取り出すとき、取り出した5個の玉に含まれる白玉の個数の期待値、分散、標準偏差を求めます。

2. 解き方の手順

まず、Aの袋から取り出す白玉の個数をXX、Bの袋から取り出す白玉の個数をYYとします。
XXYYは独立な確率変数です。
取り出される白玉の総数Z=X+YZ = X + Yについて、期待値E[Z]E[Z]、分散V[Z]V[Z]、標準偏差σ[Z]\sigma[Z]を計算します。
(1) XXの確率分布を求めます。
Aの袋には5個の玉があり、そのうち白玉は2個です。3個取り出すとき、白玉がxx個(x=0,1,2x=0, 1, 2)含まれる確率は、次のようになります。
P(X=0)=3C35C3=110P(X=0) = \frac{{}_3C_3}{{}_5C_3} = \frac{1}{10}
P(X=1)=3C22C15C3=3210=610=35P(X=1) = \frac{{}_3C_2 \cdot {}_2C_1}{{}_5C_3} = \frac{3 \cdot 2}{10} = \frac{6}{10} = \frac{3}{5}
P(X=2)=3C12C25C3=3110=310P(X=2) = \frac{{}_3C_1 \cdot {}_2C_2}{{}_5C_3} = \frac{3 \cdot 1}{10} = \frac{3}{10}
XXの期待値は、
E[X]=0110+1610+2310=610+610=1210=65E[X] = 0 \cdot \frac{1}{10} + 1 \cdot \frac{6}{10} + 2 \cdot \frac{3}{10} = \frac{6}{10} + \frac{6}{10} = \frac{12}{10} = \frac{6}{5}
X2X^2の期待値は、
E[X2]=02110+12610+22310=610+1210=1810=95E[X^2] = 0^2 \cdot \frac{1}{10} + 1^2 \cdot \frac{6}{10} + 2^2 \cdot \frac{3}{10} = \frac{6}{10} + \frac{12}{10} = \frac{18}{10} = \frac{9}{5}
XXの分散は、
V[X]=E[X2](E[X])2=95(65)2=953625=45253625=925V[X] = E[X^2] - (E[X])^2 = \frac{9}{5} - (\frac{6}{5})^2 = \frac{9}{5} - \frac{36}{25} = \frac{45}{25} - \frac{36}{25} = \frac{9}{25}
(2) YYの確率分布を求めます。
Bの袋には4個の玉があり、そのうち白玉は2個です。2個取り出すとき、白玉がyy個(y=0,1,2y=0, 1, 2)含まれる確率は、次のようになります。
P(Y=0)=2C24C2=16P(Y=0) = \frac{{}_2C_2}{{}_4C_2} = \frac{1}{6}
P(Y=1)=2C12C14C2=226=46=23P(Y=1) = \frac{{}_2C_1 \cdot {}_2C_1}{{}_4C_2} = \frac{2 \cdot 2}{6} = \frac{4}{6} = \frac{2}{3}
P(Y=2)=2C02C24C2=16P(Y=2) = \frac{{}_2C_0 \cdot {}_2C_2}{{}_4C_2} = \frac{1}{6}
YYの期待値は、
E[Y]=016+146+216=46+26=66=1E[Y] = 0 \cdot \frac{1}{6} + 1 \cdot \frac{4}{6} + 2 \cdot \frac{1}{6} = \frac{4}{6} + \frac{2}{6} = \frac{6}{6} = 1
Y2Y^2の期待値は、
E[Y2]=0216+1246+2216=46+46=86=43E[Y^2] = 0^2 \cdot \frac{1}{6} + 1^2 \cdot \frac{4}{6} + 2^2 \cdot \frac{1}{6} = \frac{4}{6} + \frac{4}{6} = \frac{8}{6} = \frac{4}{3}
YYの分散は、
V[Y]=E[Y2](E[Y])2=43(1)2=431=13V[Y] = E[Y^2] - (E[Y])^2 = \frac{4}{3} - (1)^2 = \frac{4}{3} - 1 = \frac{1}{3}
(3) Z=X+YZ = X + Yの期待値、分散、標準偏差を求めます。
E[Z]=E[X+Y]=E[X]+E[Y]=65+1=65+55=115=2.2E[Z] = E[X+Y] = E[X] + E[Y] = \frac{6}{5} + 1 = \frac{6}{5} + \frac{5}{5} = \frac{11}{5} = 2.2
V[Z]=V[X+Y]=V[X]+V[Y]=925+13=2775+2575=5275V[Z] = V[X+Y] = V[X] + V[Y] = \frac{9}{25} + \frac{1}{3} = \frac{27}{75} + \frac{25}{75} = \frac{52}{75}
σ[Z]=V[Z]=5275=5275=21353=23915\sigma[Z] = \sqrt{V[Z]} = \sqrt{\frac{52}{75}} = \sqrt{\frac{52}{75}} = \frac{2\sqrt{13}}{5\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{39}}{15}

3. 最終的な答え

期待値: 115\frac{11}{5}
分散: 5275\frac{52}{75}
標準偏差: 23915\frac{2\sqrt{39}}{15}

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