ビルの屋上から初速度 $v_0$ で小球を鉛直上方に投げ上げた。重力加速度の大きさを $g$ とする。 (1) 小球が最高点に達する時刻 $t_1$ を求めよ。 (2) 小球がビルの屋上に戻ってくる時刻を $t_2$ とすると、$t_2 = 2t_1$ が成り立つことを示せ。 (3) 小球がビルの屋上に戻ってきたときの速度が $-v_0$ になることを示せ。

応用数学力学運動等加速度運動物理
2025/5/15

1. 問題の内容

ビルの屋上から初速度 v0v_0 で小球を鉛直上方に投げ上げた。重力加速度の大きさを gg とする。
(1) 小球が最高点に達する時刻 t1t_1 を求めよ。
(2) 小球がビルの屋上に戻ってくる時刻を t2t_2 とすると、t2=2t1t_2 = 2t_1 が成り立つことを示せ。
(3) 小球がビルの屋上に戻ってきたときの速度が v0-v_0 になることを示せ。

2. 解き方の手順

(1) 最高点では速度が0になるので、等加速度運動の公式 v=v0+atv = v_0 + at を用いる。
v=0,a=g,t=t1v=0, a=-g, t=t_1 を代入すると、
0=v0gt10 = v_0 - gt_1
これを t1t_1 について解くと、
t1=v0gt_1 = \frac{v_0}{g}
(2) 時刻 tt における小球の位置を y(t)y(t) とする。
y(t)y(t) は等加速度運動の公式 y=v0t+12at2y = v_0 t + \frac{1}{2}at^2 で表せるので、
y(t)=v0t12gt2y(t) = v_0 t - \frac{1}{2}gt^2
小球がビルの屋上に戻ってきたとき、y(t2)=0y(t_2) = 0 となるので、
0=v0t212gt220 = v_0 t_2 - \frac{1}{2}gt_2^2
0=t2(v012gt2)0 = t_2(v_0 - \frac{1}{2}gt_2)
t2=0t_2 = 0 または v012gt2=0v_0 - \frac{1}{2}gt_2 = 0
t2=0t_2=0 は投げ上げる前の時刻なので、
v012gt2=0v_0 - \frac{1}{2}gt_2 = 0
12gt2=v0\frac{1}{2}gt_2 = v_0
t2=2v0gt_2 = \frac{2v_0}{g}
(1)で求めた t1=v0gt_1 = \frac{v_0}{g} より、
t2=2t1t_2 = 2t_1 が成り立つ。
(3) 時刻 tt における速度 v(t)v(t)v(t)=v0+atv(t) = v_0 + at で表せるので、
v(t)=v0gtv(t) = v_0 - gt
t=t2t = t_2 のとき、
v(t2)=v0gt2v(t_2) = v_0 - gt_2
(2)で求めた t2=2v0gt_2 = \frac{2v_0}{g} より、
v(t2)=v0g(2v0g)=v02v0=v0v(t_2) = v_0 - g(\frac{2v_0}{g}) = v_0 - 2v_0 = -v_0
したがって、小球がビルの屋上に戻ってきたときの速度は v0-v_0 である。

3. 最終的な答え

(1) t1=v0gt_1 = \frac{v_0}{g}
(2) t2=2t1t_2 = 2t_1
(3) v0-v_0

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