$a$、$b$を正の数とし、$xy$平面上の2点$A(a, 0)$と$B(0, b)$を頂点とする正三角形$ABC$を作る。ただし、$C$は第1象限の点とする。正三角形$ABC$が正方形$D = \{(x, y) | 0 \le x \le 1, 0 \le y \le 1\}$に含まれるとき、点$(a, b)$の存在する範囲を$ab$平面上に図示せよ。

1. 問題の内容

$a$、$b$を正の数とし、$xy$平面上の2点$A(a, 0)$と$B(0, b)$を頂点とする正三角形$ABC$を作る。ただし、$C$は第1象限の点とする。正三角形$ABC$が正方形$D = \{(x, y) | 0 \le x \le 1, 0 \le y \le 1\}$に含まれるとき、点$(a, b)$の存在する範囲を$ab$平面上に図示せよ。

2. 解き方の手順

点$C$の座標を求める。正三角形$ABC$を$B$を中心として反時計回りに60度回転させると点$A$に移ることから、$C$の座標は、

$C = (a \cos(60^\circ) - 0 \sin(60^\circ), a \sin(60^\circ) + 0 \cos(60^\circ))$

$C = (x, y)$ とおくと、$AB$の中点を中心に回転しているため、$C$の座標は、

$C = B + R(A - B)$

ただし、$R$は回転行列で、

$R = \begin{pmatrix} \cos(60^\circ) & -\sin(60^\circ) \\ \sin(60^\circ) & \cos(60^\circ) \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1/2 & -\sqrt{3}/2 \\ \sqrt{3}/2 & 1/2 \end{pmatrix}$

したがって、$C = (0, b) + \begin{pmatrix} 1/2 & -\sqrt{3}/2 \\ \sqrt{3}/2 & 1/2 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} a - 0 \\ 0 - b \end{pmatrix}$

$C = (0, b) + \begin{pmatrix} a/2 + b\sqrt{3}/2 \\ a\sqrt{3}/2 - b/2 \end{pmatrix}$

$C = (a/2 + b\sqrt{3}/2, b + a\sqrt{3}/2 - b/2)$

$C = (\frac{a + b\sqrt{3}}{2}, \frac{a\sqrt{3} + b}{2})$

正三角形$ABC$が正方形$D$に含まれる条件は、$0 \le x \le 1$かつ$0 \le y \le 1$を満たすことである。

$0 \le \frac{a + b\sqrt{3}}{2} \le 1$

$0 \le \frac{a\sqrt{3} + b}{2} \le 1$

$a > 0$、$b > 0$であることから、

$0 \le a + b\sqrt{3} \le 2$

$0 \le a\sqrt{3} + b \le 2$

$a + b\sqrt{3} \le 2$

$a\sqrt{3} + b \le 2$

$a > 0$、$b > 0$

$a \le 2 - b\sqrt{3}$

$b \le 2 - a\sqrt{3}$

$a > 0$より、$2 - b\sqrt{3} > 0$なので、$b < \frac{2}{\sqrt{3}}$

$b > 0$より、$2 - a\sqrt{3} > 0$なので、$a < \frac{2}{\sqrt{3}}$

$ab$平面上にこの領域を図示する。

$a > 0$、$b > 0$、$a \le 2 - b\sqrt{3}$、$b \le 2 - a\sqrt{3}$

$a = 2 - b\sqrt{3}$と$b = 2 - a\sqrt{3}$の交点は、$a = 2 - (2 - a\sqrt{3})\sqrt{3}$より、$a = 2 - 2\sqrt{3} + 3a$

$2a = 2\sqrt{3} - 2$

$a = \sqrt{3} - 1$

したがって、$b = 2 - (\sqrt{3}-1)\sqrt{3} = 2 - 3 + \sqrt{3} = \sqrt{3} - 1$

交点は$(\sqrt{3}-1, \sqrt{3}-1)$

3. 最終的な答え

$ab$平面における領域は、$a>0$, $b>0$, $a + \sqrt{3}b \le 2$, $\sqrt{3}a + b \le 2$で囲まれた領域。境界を含む。