水面上に2つの波源 $S_1$ と $S_2$ が30 cm離れて置かれており、振動数5.0 Hzで同位相で振動し、波長10 cmの同心円状の波を発生しています。$M$は線分 $S_1S_2$ の中点です。以下の問題を解きます。 (1) 波源 $S_1$ から出た波が点Aに到達するのに要する時間 $t$ は何秒か。 (2) 2つの波は点Aで強め合うか、それとも弱め合うか。また、点Bではどうか。 (3) 波源 $S_1$, $S_2$ において波の山が発生している瞬間に、点Cで観測される波は山か、それとも谷か。 (4) 点Cで観測された波は0.30秒後に水面上のある点に移動する。波源 $S_1$, $S_2$ からその点までの距離はそれぞれいくらか。 (5) 線分 $S_1S_2$ 間にできる節の数はいくらか。 (6) 線分 $S_2B$ 間に振動しない点が何箇所できるか。水面波の減衰は考えない。

その他干渉波の干渉経路差波長
2025/5/17
はい、この問題を解きましょう。

1. 問題の内容

水面上に2つの波源 S1S_1S2S_2 が30 cm離れて置かれており、振動数5.0 Hzで同位相で振動し、波長10 cmの同心円状の波を発生しています。MMは線分 S1S2S_1S_2 の中点です。以下の問題を解きます。
(1) 波源 S1S_1 から出た波が点Aに到達するのに要する時間 tt は何秒か。
(2) 2つの波は点Aで強め合うか、それとも弱め合うか。また、点Bではどうか。
(3) 波源 S1S_1, S2S_2 において波の山が発生している瞬間に、点Cで観測される波は山か、それとも谷か。
(4) 点Cで観測された波は0.30秒後に水面上のある点に移動する。波源 S1S_1, S2S_2 からその点までの距離はそれぞれいくらか。
(5) 線分 S1S2S_1S_2 間にできる節の数はいくらか。
(6) 線分 S2BS_2B 間に振動しない点が何箇所できるか。水面波の減衰は考えない。

2. 解き方の手順

(1)
波の速さ vv を求めます。v=fλv = f\lambda より、
v=5.0 Hz×10 cm=50 cm/sv = 5.0 \text{ Hz} \times 10 \text{ cm} = 50 \text{ cm/s}
S1S_1 から A までの距離は25 cmなので、時間 tt
t=25 cm50 cm/s=0.5 st = \frac{25 \text{ cm}}{50 \text{ cm/s}} = 0.5 \text{ s}
(2)
点Aまでの経路差を求めます。
S1A=25 cmS_1A = 25 \text{ cm}
S2A=20 cmS_2A = 20 \text{ cm}
経路差 =S1AS2A=2520=5 cm= |S_1A - S_2A| = |25 - 20| = 5 \text{ cm}
これは波長 λ=10 cm\lambda = 10 \text{ cm}0.50.5 倍なので、点Aでは弱め合います。
点Bまでの経路差を求めます。
S1B=S1S2+S2B=30 cm+40 cm=70 cmS_1B = S_1S_2 + S_2B = 30 \text{ cm} + 40 \text{ cm} = 70 \text{ cm}
S2B=40 cmS_2B = 40 \text{ cm}
経路差 =S1BS2B=7040=30 cm= |S_1B - S_2B| = |70 - 40| = 30 \text{ cm}
これは波長 λ=10 cm\lambda = 10 \text{ cm}33 倍なので、点Bでは強め合います。
(3)
点Cは S2S_2 から15 cmの距離にあります。また、MMS1S2S_1S_2 の中点なので、S1S_1S2S_2 は同位相で振動しています。よって、S1S_1 からCまでの距離は、S1S2S_1S_2 - S2CS_2C = 30 - 15 = 15 cmとなります。 S1S_1S2S_2からCまでの距離は等しいので、Cでは常に強めあいます。従って、波源で山の瞬間にはCでも山が観測されます。
(4)
波は0.30秒後に v×t=50 cm/s×0.30 s=15 cmv \times t = 50 \text{ cm/s} \times 0.30 \text{ s} = 15 \text{ cm} 移動します。
S1S_1からCまでの距離は15 cm、S2S_2からCまでの距離は15 cmでした。
0.3秒後、その点C'は、S1C=15+15=30 cmS_1C'=15 + 15 = 30 \text{ cm}, S2C=15+15=30 cmS_2C' = 15 + 15 = 30 \text{ cm}.
(5)
S1S2S_1S_2 間では、経路差が λ/2\lambda/2 の奇数倍となる点で節ができます。
S1XS2X=(2n1)λ2|S_1X - S_2X| = (2n-1)\frac{\lambda}{2}
S1X+S2X=30S_1X + S_2X = 30
S1X=xS_1X = x とすると、 S2X=30xS_2X = 30 - x
x(30x)=(2n1)102=(2n1)5|x - (30 - x)| = (2n-1)\frac{10}{2} = (2n-1)5
2x30=(2n1)5|2x - 30| = (2n-1)5
0x300 \leq x \leq 30
2x30=(2n1)52x-30 = (2n-1)5 or 2x30=(2n1)52x-30 = -(2n-1)5
x=15+52(2n1)x = 15 + \frac{5}{2}(2n-1) or x=1552(2n1)x = 15 - \frac{5}{2}(2n-1)
015±52(2n1)300 \le 15 \pm \frac{5}{2}(2n-1) \le 30
15±52(2n1)15-15 \le \pm \frac{5}{2}(2n-1) \le 15
3±12(2n1)3-3 \le \pm \frac{1}{2}(2n-1) \le 3
6±(2n1)6-6 \le \pm (2n-1) \le 6
62n16-6 \le 2n-1 \le 6 or 6(2n1)6-6 \le -(2n-1) \le 6
52n7-5 \le 2n \le 7 or 612n6-6 \le 1-2n \le 6
52n7-5 \le 2n \le 7 or 52n5-5 \le -2n \le 5
2.5n3.5-2.5 \le n \le 3.5 or 2.5n2.5-2.5 \le n \le 2.5
n=2,1,0,1,2,3n = -2, -1, 0, 1, 2, 3n=2,1,0,1,2n=-2, -1, 0, 1, 2.
nn は正の整数なので,n=1,2,3n=1, 2, 3.
2n12n - 1は1, 3, 5なので、S1S_1S2S_2 間には6個の節ができます。
(6)
S2BS_2B 間では、経路差が λ/2\lambda/2 の奇数倍となる点で振動しない点(節)ができます。
S1YS2Y=(2n1)λ2S_1Y - S_2Y = (2n-1)\frac{\lambda}{2}
S1Y=30+S2YS_1Y = 30 + S_2Y, S2Y=yS_2Y = y
30+yy=(2n1)10230 + y - y = (2n-1)\frac{10}{2}
30=(2n1)530 = (2n-1)5
6=2n16 = 2n-1
2n=72n = 7
n=3.5n = 3.5
S1YS2Y=(2n1)λ2S_1Y - S_2Y = (2n-1)\frac{\lambda}{2}
S2YS1Y=(2n1)λ2S_2Y - S_1Y = (2n-1)\frac{\lambda}{2}
y(30+y)=(2n1)5y-(30+y) = (2n-1)5
30=(2n1)5-30 = (2n-1)5
6=2n1-6 = 2n-1
2n=52n = -5
これらの条件を満たす整数nnはないので、経路差による振動しない点は存在しない。
S2B=40 cmS_2B=40 \text{ cm}で、S2S_2が節となる場所を調べる。
S2S_2 から xx の地点
2πx/λ=nπ2\pi x / \lambda = n\pi
2x/λ=n2x/\lambda = n
2x/10=n2x/10 = n
x=5nx = 5n
節になる地点: x=5,10,15,20,25,30,35,40x = 5, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40
0<x<400 < x < 40
8箇所

3. 最終的な答え

(1) 0.5 秒
(2) 点A: 弱め合う、点B: 強め合う
(3) 山
(4) S1S_1から30 cm, S2S_2から30 cm
(5) 6個
(6) 8箇所

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