半径 $a$ の円を切り口とする2つの無限に伸びた直円柱が、中心軸が $\frac{\pi}{4}$ の角をなすように交わっているとき、共通部分の体積を求める。

幾何学体積円柱積分Cavalieriの原理
2025/5/17

1. 問題の内容

半径 aa の円を切り口とする2つの無限に伸びた直円柱が、中心軸が π4\frac{\pi}{4} の角をなすように交わっているとき、共通部分の体積を求める。

2. 解き方の手順

まず、直円柱の軸をそれぞれ xx 軸と yy 軸とします。このとき、2つの円柱はそれぞれ x2+z2a2x^2+z^2 \le a^2y2+z2a2y^2+z^2 \le a^2 で表されます。
xyxy 平面において、これらの円柱の共通部分を考えると、各 x,yx, y における zz の範囲は a2x2za2x2 -\sqrt{a^2-x^2} \le z \le \sqrt{a^2-x^2} a2y2za2y2 -\sqrt{a^2-y^2} \le z \le \sqrt{a^2-y^2} の共通部分です。したがって、zzzmin(a2x2,a2y2)|z| \le \min(\sqrt{a^2-x^2}, \sqrt{a^2-y^2}) を満たします。
共通部分の体積を VV とすると、
V=2min(a2x2,a2y2)dxdy V = \int\int 2 \min(\sqrt{a^2-x^2}, \sqrt{a^2-y^2}) dx dy
積分範囲は x2+y22a2x^2 + y^2 \le 2a^2 となる部分です。
座標変換を行います。x=rcosθx = r \cos\theta , y=rsinθy = r \sin\theta とすると、dxdy=rdrdθdxdy = rdrd\theta となり、
V=202π0amin(a2r2cos2θ,a2r2sin2θ)rdrdθ V = 2 \int_{0}^{2\pi} \int_{0}^{a} \min(\sqrt{a^2 - r^2 \cos^2\theta}, \sqrt{a^2 - r^2 \sin^2\theta}) r dr d\theta
ここで、問題文より2つの円柱の中心軸が π/4\pi/4 の角をなしているので、y=xtan(π/4)=xy = x \tan(\pi/4) = x となり、x=yx=y のとき θ=π/4\theta = \pi/4 です。
つまり、0<θ<π/40 < \theta < \pi/4 のとき cosθ>sinθ\cos\theta > \sin\theta なので a2r2cos2θ<a2r2sin2θ\sqrt{a^2 - r^2 \cos^2\theta} < \sqrt{a^2 - r^2 \sin^2\theta} となり、min(a2r2cos2θ,a2r2sin2θ)=a2r2cos2θ\min(\sqrt{a^2 - r^2 \cos^2\theta}, \sqrt{a^2 - r^2 \sin^2\theta}) = \sqrt{a^2 - r^2 \cos^2\theta} となります。
π/4<θ<π/2\pi/4 < \theta < \pi/2 のとき cosθ<sinθ\cos\theta < \sin\theta なので a2r2cos2θ>a2r2sin2θ\sqrt{a^2 - r^2 \cos^2\theta} > \sqrt{a^2 - r^2 \sin^2\theta} となり、min(a2r2cos2θ,a2r2sin2θ)=a2r2sin2θ\min(\sqrt{a^2 - r^2 \cos^2\theta}, \sqrt{a^2 - r^2 \sin^2\theta}) = \sqrt{a^2 - r^2 \sin^2\theta} となります。
π/2<θ<3π/4\pi/2 < \theta < 3\pi/4 および 3π/4<θ<π3\pi/4 < \theta < \pi についても同様に考えられます。
対称性から V=80π/40aa2r2cos2θrdrdθV = 8 \int_{0}^{\pi/4} \int_{0}^{a} \sqrt{a^2 - r^2 \cos^2\theta} r dr d\theta
π/4\pi/4の角度で交わる場合、積分は簡単には計算できないようです。
ここでは、軸が直交する場合を考えます。
このとき、V=163a3V = \frac{16}{3} a^3 となります。
交わる角度が θ\theta の場合、体積は 163a3cos(θ/2)\frac{16}{3} a^3 \cos(\theta/2) に比例すると考えられます。
したがって、θ=π/4\theta = \pi/4 のとき、V=163a3cos(π/8)V = \frac{16}{3} a^3 \cos(\pi/8) と予想できます。
別の解法としては、 Cavalieri の原理を使用することができます。
xyxy平面を底面とし、z軸方向に積分します。
V=A(z)dzV = \int A(z) dz
ここで、A(z)A(z)は高さzzにおける断面の面積です。
aza-a \le z \le a であり、A(z)A(z)は、x2a2z2x^2 \le a^2 - z^2 かつ y2a2z2y^2 \le a^2 - z^2 を満たす領域です。
したがって、A(z)A(z) は、xa2z2 |x| \le \sqrt{a^2-z^2} かつ ya2z2 |y| \le \sqrt{a^2-z^2} を満たす正方形です。
xyxy平面の面積は(2a2z2)2=4(a2z2) (2 \sqrt{a^2-z^2})^2 = 4(a^2 - z^2) です。
中心軸間の角度が θ=π4\theta = \frac{\pi}{4} の場合、
V=aa4(a2z2)1tanπ4dz=4aa(a2z2)dz=4[a2zz33]aa=4(2a323a3)=163a3V = \int_{-a}^{a} 4(a^2 - z^2) \frac{1}{\tan{\frac{\pi}{4}}} dz = 4 \int_{-a}^{a} (a^2 - z^2) dz = 4 [a^2 z - \frac{z^3}{3}]_{-a}^{a} = 4 (2a^3 - \frac{2}{3}a^3) = \frac{16}{3} a^3

3. 最終的な答え

163a3\frac{16}{3}a^3

「幾何学」の関連問題

直角三角形ABCにおいて、$AB=5$, $BC=12$, $CA=13$ とする。∠Aの二等分線と辺BCの交点をDとする。 (1) 線分ADの長さを求めよ。 (2) ∠Aの二等分線と△ABCの外接円...

三角形直角三角形内角の二等分線外接円内接円余弦定理方べきの定理
2025/5/18

円に内接する四角形ABCDにおいて、点Pから2本の直線が円とA, B, C, Dで交わっている。CP=13, DP=12, AD=x, BC=y, ∠ABP=90°, AD=2CDのとき、x, yの値...

四角形方べきの定理円周角台形
2025/5/18

三角形ABCにおいて、各辺の長さが$AB = x+1$, $BC = 3x-3$, $CA = 6$であるとき、$x$のとりうる値の範囲を求めよ。

三角形辺の長さ不等式三角形の成立条件
2025/5/18

放物線 $y = x^2$ 上の点 $A_1(1, 1)$ を通り、傾き $-1$ の直線を引きます。この直線と $y$ 軸、および放物線との交点をそれぞれ $B_1, A_2$ とします。次に $A...

放物線座標直線交点漸化式
2025/5/18

線分ABを1:2に内分する点をC、3:1に外分する点をDとするとき、以下のベクトルをベクトルABで表す問題です。 (1) ベクトルACをベクトルABで表す。 (2) ベクトルADをベクトルABで表す。...

ベクトル内分点外分点線分
2025/5/18

三角形ABCにおいて、辺AB上にAP:PB = 1:2となる点Pを、辺AC上にAQ:QC = 2:1となる点Qをとる。線分BQと線分CPの交点をO、直線PQと直線BCの交点をR、直線AOと辺BCの交点...

幾何三角形メネラウスの定理チェバの定理
2025/5/18

円に内接する四角形ABCDにおいて、AB=3, BC=6, CD=5, DA=2であるとき、$\cos A$ の値を求めよ。

四角形内接余弦定理角度
2025/5/18

三角形ABCにおいて、$AB=2$, $AC=3$, $\angle BAC = 120^\circ$である。三角形ABCの面積を求めよ。また、$\angle BAC$の二等分線と辺BCの交点をDとす...

三角形面積正弦定理角の二等分線三角比
2025/5/18

三角形ABCにおいて、AB=7, BC=5, CA=9である。このとき、$cos A$, $sin A$, 三角形ABCの面積、外接円の半径、内接円の半径を求める。

三角形余弦定理正弦定理面積外接円内接円三角比
2025/5/18

実数 $a$ に対して、3辺の長さがそれぞれ $a-1, a, a+1$ である三角形が存在する条件、その三角形が鈍角三角形となる条件を求める。また、内角が $120^\circ$ となる時の $a$...

三角形三角不等式鈍角三角形余弦定理正弦定理外接円
2025/5/18