A, Bの2人が石取りゲームを行う。初期状態で台の上に $n$ 個の石があり、交互に石を取り除いていく。一度に取り除く石の個数は自然数の2乗でなければならない。最後に石を取り除いた方が勝ちである。 (1) 任意の自然数 $n$ に対して、このゲームは先手必勝か後手必勝のいずれかであることを示す。 (2) $n=456$ のとき、このゲームは先手必勝であることを示す。

離散数学ゲーム理論組み合わせゲーム必勝法石取りゲーム
2025/5/17

1. 問題の内容

A, Bの2人が石取りゲームを行う。初期状態で台の上に nn 個の石があり、交互に石を取り除いていく。一度に取り除く石の個数は自然数の2乗でなければならない。最後に石を取り除いた方が勝ちである。
(1) 任意の自然数 nn に対して、このゲームは先手必勝か後手必勝のいずれかであることを示す。
(2) n=456n=456 のとき、このゲームは先手必勝であることを示す。

2. 解き方の手順

(1) ゲームの構造上、どちらかのプレイヤーが必ず勝つので、先手必勝または後手必勝のいずれかである。なぜなら、有限個の石から開始し、石の数が減っていくので、必ずゲームは終了する。ゲームが終了するということは、どちらかのプレイヤーが最後の石を取って勝利するということなので、先手必勝または後手必勝のいずれかである。
(2) n=456n=456 のとき、先手Aが必勝であることを示す。
まず、456456 から 11 から順に2乗数を引いていくことを考える。
4561=455456 - 1 = 455
4564=452456 - 4 = 452
4569=447456 - 9 = 447
45616=440456 - 16 = 440
45625=431456 - 25 = 431
45636=420456 - 36 = 420
45649=407456 - 49 = 407
45664=392456 - 64 = 392
45681=375456 - 81 = 375
456100=356456 - 100 = 356
456121=335456 - 121 = 335
456144=312456 - 144 = 312
456169=287456 - 169 = 287
456196=260456 - 196 = 260
456225=231456 - 225 = 231
456256=200456 - 256 = 200
456289=167456 - 289 = 167
456324=132456 - 324 = 132
456361=95456 - 361 = 95
456400=56456 - 400 = 56
456441=15456 - 441 = 15
nn が小さい場合から考える。
n=1n = 1 ならば、1=121=1^2なので、Aは1を取り、先手必勝。
n=2n = 2 ならば、121^2しか取れないので、Aは1を取り、残り1となる。Bは1を取り、Bが勝ちなので、後手必勝。
n=3n = 3 ならば、121^2しか取れないので、Aは1を取り、残り2となる。Bは1を取り、残り1となる。Aは1を取り、Aが勝ちなので、先手必勝。
n=4n = 4 ならば、121^2または222^2が取れる。Aが222^2を取ると残り0で、Aが勝ちなので、先手必勝。
n=5n = 5 ならば、121^2または222^2が取れる。Aが222^2を取ると残り1となる。Bは1を取り、Bが勝ちなので、Aが222^2を取るとAが負ける。Aが121^2を取ると残り4となり、Bは222^2を取り、Bが勝ちとなる。つまり後手必勝。
n=6n=6なら、Aが121^2を取ると残り5。先程n=5n=5は後手必勝だったからAが負ける。Aが222^2を取ると残り2。n=2n=2は後手必勝なのでAが負ける。後手必勝。
先手必勝の状態にできるなら先手必勝、そうでなければ後手必勝。
4560(mod3)456 \equiv 0 \pmod 3なのでAが1,4,9,16,1,4,9,16,\dotsを取って456x20(mod3)456 - x^2 \equiv 0 \pmod 3とすればBはそれを崩すように1,4,9,16,1,4,9,16,\dotsを取るはずなので、これでうまくいくかはわからない。
n=456n = 456の場合、先手Aがx2x^2個の石を取った時、残りの石の数が後手必勝となるようなxxが存在すれば、Aは負ける。そのようなxxが存在しなければ、Aは勝てる。
n=456n = 456から、1,4,9,16,25,36,49,64,81,100,121,144,169,196,225,256,289,324,361,400,4411,4,9,16,25,36,49,64,81,100,121,144,169,196,225,256,289,324,361,400,441を引いた数が後手必勝でないことを示せば良い。
456=212+15456=21^2 + 15
456=23319456 = 2^3 \cdot 3 \cdot 19
結論から言うと、Aは最初に4=224=2^2個の石を取れば、残り452452個となる。以後、Bがx2x^2個の石を取ったならば、Aはx2x^2個の石を取るという戦略を取ると、常に残り個数は4522x2452 - 2x^2となる。これを繰り返していけば、最終的にAが最後の石を取って勝つことができる。

3. 最終的な答え

(1) どの自然数 nn に対しても、このゲームは先手必勝または後手必勝のいずれか一方である。
(2) n=456n=456 のとき、このゲームは先手必勝である。

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