ベクトル $a_1, a_2, a_3 \in \mathbb{R}^3$ について、以下の3つの命題を示す問題です。 1. $a_1, a_2, a_3$ が生成系ならば、$a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1$ は生成系である。

代数学線形代数ベクトル空間生成系一次独立基底線形結合
2025/5/17

1. 問題の内容

ベクトル a1,a2,a3R3a_1, a_2, a_3 \in \mathbb{R}^3 について、以下の3つの命題を示す問題です。

1. $a_1, a_2, a_3$ が生成系ならば、$a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1$ は生成系である。

2. $a_1, a_2, a_3$ が一次独立ならば、$a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1$ は一次独立である。

3. $a_1, a_2, a_3$ が基底ならば、$a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1$ は基底である。

2. 解き方の手順

(1) a1,a2,a3a_1, a_2, a_3 が生成系であるとき、a1+a2,a2+a3,a3+a1a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1 が生成系であることを示す。
a1,a2,a3a_1, a_2, a_3 が生成系であるので、任意の vR3v \in \mathbb{R}^3 に対して、
v=c1a1+c2a2+c3a3v = c_1a_1 + c_2a_2 + c_3a_3と表せる。
ここで、a1=(a1+a2)(a2+a3)+(a3+a1)a1a_1 = (a_1+a_2)-(a_2+a_3)+(a_3+a_1) -a_1なので、a1=(1/2)(a1+a2a2a3+a3+a1)a_1=(1/2)(a_1+a_2-a_2-a_3+a_3+a_1)とかける。同様に、a2=(1/2)(a1+a2+a2+a3a3a1)a_2=(1/2)(a_1+a_2+a_2+a_3-a_3-a_1), a3=(1/2)(a1a2+a2+a3+a3+a1)a_3=(1/2)(-a_1-a_2+a_2+a_3+a_3+a_1)とかけるので、vva1+a2,a2+a3,a3+a1a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1の線形結合で表せる。よって、a1+a2,a2+a3,a3+a1a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1 は生成系である。
(2) a1,a2,a3a_1, a_2, a_3 が一次独立であるとき、a1+a2,a2+a3,a3+a1a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1 が一次独立であることを示す。
c1(a1+a2)+c2(a2+a3)+c3(a3+a1)=0c_1(a_1 + a_2) + c_2(a_2 + a_3) + c_3(a_3 + a_1) = 0 と仮定する。
(c1+c3)a1+(c1+c2)a2+(c2+c3)a3=0(c_1 + c_3)a_1 + (c_1 + c_2)a_2 + (c_2 + c_3)a_3 = 0
a1,a2,a3a_1, a_2, a_3 は一次独立なので、
c1+c3=0c_1 + c_3 = 0
c1+c2=0c_1 + c_2 = 0
c2+c3=0c_2 + c_3 = 0
この連立方程式を解くと、c1=c2=c3=0c_1 = c_2 = c_3 = 0 となる。
よって、a1+a2,a2+a3,a3+a1a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1 は一次独立である。
(3) a1,a2,a3a_1, a_2, a_3 が基底であるとき、a1+a2,a2+a3,a3+a1a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1 が基底であることを示す。
a1,a2,a3a_1, a_2, a_3 が基底なので、生成系であり、かつ一次独立である。
(1)より、a1+a2,a2+a3,a3+a1a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1 は生成系である。
(2)より、a1+a2,a2+a3,a3+a1a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1 は一次独立である。
したがって、a1+a2,a2+a3,a3+a1a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1 は基底である。

3. 最終的な答え

1. $a_1, a_2, a_3$ が生成系ならば、$a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1$ は生成系である。

2. $a_1, a_2, a_3$ が一次独立ならば、$a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1$ は一次独立である。

3. $a_1, a_2, a_3$ が基底ならば、$a_1 + a_2, a_2 + a_3, a_3 + a_1$ は基底である。

「代数学」の関連問題

ある生徒が以下の3つの問題を解いたが、間違っている箇所があるので、それを指摘し、正しく解き直す。 (1) $18ab \div 3a \times 2b$ (2) $6x^2y \div \frac{...

式の計算分数式文字式計算ミス
2025/5/17

$2a \times 3b = 6ab$ となる理由を、式の変形で使った計算法則とともに説明してください。

式の計算乗法結合法則交換法則文字式
2025/5/17

与えられた数式の空欄を埋めて、式が成り立つようにします。 数式は以下の通りです。 $6a + \boxed{①}b + \boxed{②}(a - 5b) = 12a - 6b$

方程式式の展開係数比較
2025/5/17

問題は、空欄を埋めて以下の式を成立させることです。 $6a + \boxed{①}b + \boxed{②}(a - 5b) = 12a - 6b$

方程式式の整理一次方程式
2025/5/17

次の式が成り立つように、空欄に数字や文字を入れなさい。 $6a + \boxed{①} b + \boxed{②} (a - 5b) = 12a - 6b$

一次方程式式の展開文字式
2025/5/17

関数 $y = f(x) = x^2 - (2a - 3)x - 2a - 2$ について、区間 $-2 \le x \le 3$ における最大値と最小値を、$a$ の値によって場合分けして求める問題...

二次関数最大値最小値場合分け平方完成
2025/5/17

$y$ は $x$ に反比例しており、$x=-2$ のとき $y=5$ である。このとき、$y$ を $x$ の式で表す問題を解く。

反比例比例定数関数
2025/5/17

与えられた式 $(x+2)(x+3)(x-2)(x-3)$ を展開して、最も簡単な形に整理する。

式の展開多項式因数分解
2025/5/17

$\frac{a-b}{2} + \frac{2a+b}{3}$ を計算し、できる限り簡略化してください。

分数式の計算文字式計算
2025/5/17

与えられた式 $(x+y)(x+y-z)$ を展開せよ。

式の展開多項式
2025/5/17