袋の中に赤玉が3個、黒玉が6個入っている。この袋から玉を1個取り出し、元に戻す操作を6回行う。k回目の試行において、赤玉が出たら確率変数 $X_k = 1$、黒玉が出たら $X_k = 0$とする。確率変数 $X_k$ の期待値と分散を求め、それを利用して、赤玉の出る回数 $X$ の期待値と分散を求める。ただし、$k=1,2,\dots,6$とする。

確率論・統計学確率変数ベルヌーイ分布期待値分散独立性
2025/5/18

1. 問題の内容

袋の中に赤玉が3個、黒玉が6個入っている。この袋から玉を1個取り出し、元に戻す操作を6回行う。k回目の試行において、赤玉が出たら確率変数 Xk=1X_k = 1、黒玉が出たら Xk=0X_k = 0とする。確率変数 XkX_k の期待値と分散を求め、それを利用して、赤玉の出る回数 XX の期待値と分散を求める。ただし、k=1,2,,6k=1,2,\dots,6とする。

2. 解き方の手順

まず、XkX_k の期待値と分散を求める。
XkX_k はベルヌーイ分布に従う確率変数である。
赤玉が出る確率は p=33+6=39=13p = \frac{3}{3+6} = \frac{3}{9} = \frac{1}{3} である。
黒玉が出る確率は 1p=231-p = \frac{2}{3} である。
XkX_k の期待値 E(Xk)E(X_k) は、
E(Xk)=1×P(Xk=1)+0×P(Xk=0)=1×13+0×23=13E(X_k) = 1 \times P(X_k = 1) + 0 \times P(X_k = 0) = 1 \times \frac{1}{3} + 0 \times \frac{2}{3} = \frac{1}{3}
XkX_k の分散 V(Xk)V(X_k) は、
V(Xk)=E(Xk2)(E(Xk))2V(X_k) = E(X_k^2) - (E(X_k))^2
E(Xk2)=12×P(Xk=1)+02×P(Xk=0)=1×13+0×23=13E(X_k^2) = 1^2 \times P(X_k = 1) + 0^2 \times P(X_k = 0) = 1 \times \frac{1}{3} + 0 \times \frac{2}{3} = \frac{1}{3}
V(Xk)=13(13)2=1319=3919=29V(X_k) = \frac{1}{3} - (\frac{1}{3})^2 = \frac{1}{3} - \frac{1}{9} = \frac{3}{9} - \frac{1}{9} = \frac{2}{9}
次に、XX の期待値と分散を求める。
X=X1+X2++X6X = X_1 + X_2 + \dots + X_6
XX の期待値 E(X)E(X) は、
E(X)=E(X1+X2++X6)=E(X1)+E(X2)++E(X6)E(X) = E(X_1 + X_2 + \dots + X_6) = E(X_1) + E(X_2) + \dots + E(X_6)
=6×13=2= 6 \times \frac{1}{3} = 2
X1,X2,,X6X_1, X_2, \dots, X_6 は独立なので、XX の分散 V(X)V(X) は、
V(X)=V(X1+X2++X6)=V(X1)+V(X2)++V(X6)V(X) = V(X_1 + X_2 + \dots + X_6) = V(X_1) + V(X_2) + \dots + V(X_6)
=6×29=129=43= 6 \times \frac{2}{9} = \frac{12}{9} = \frac{4}{3}

3. 最終的な答え

XkX_k の期待値:13\frac{1}{3}
XkX_k の分散:29\frac{2}{9}
XX の期待値:22
XX の分散:43\frac{4}{3}

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