次の無限級数の収束、発散を調べ、収束するときはその和を求める問題です。 (1) $\frac{1}{1 \cdot 3} + \frac{1}{3 \cdot 5} + \dots + \frac{1}{(2n-1)(2n+1)} + \dots$ (2) $\frac{1}{\sqrt{3} + 1} + \frac{1}{\sqrt{5} + \sqrt{3}} + \dots + \frac{1}{\sqrt{2n+1} + \sqrt{2n-1}} + \dots$

解析学無限級数収束発散部分分数分解有理化
2025/5/18

1. 問題の内容

次の無限級数の収束、発散を調べ、収束するときはその和を求める問題です。
(1) 113+135++1(2n1)(2n+1)+\frac{1}{1 \cdot 3} + \frac{1}{3 \cdot 5} + \dots + \frac{1}{(2n-1)(2n+1)} + \dots
(2) 13+1+15+3++12n+1+2n1+\frac{1}{\sqrt{3} + 1} + \frac{1}{\sqrt{5} + \sqrt{3}} + \dots + \frac{1}{\sqrt{2n+1} + \sqrt{2n-1}} + \dots

2. 解き方の手順

(1)
部分分数分解を行います。
1(2n1)(2n+1)=A2n1+B2n+1\frac{1}{(2n-1)(2n+1)} = \frac{A}{2n-1} + \frac{B}{2n+1}
1=A(2n+1)+B(2n1)1 = A(2n+1) + B(2n-1)
1=(2A+2B)n+(AB)1 = (2A+2B)n + (A-B)
2A+2B=02A+2B=0, AB=1A-B=1
A=BA=-BAB=1A-B=1に代入してA(A)=1A-(-A)=1となり、2A=12A=1なので、A=12A=\frac{1}{2}B=12B=-\frac{1}{2}.
1(2n1)(2n+1)=12(12n112n+1)\frac{1}{(2n-1)(2n+1)} = \frac{1}{2} (\frac{1}{2n-1} - \frac{1}{2n+1})
第n項までの部分和 SnS_n を計算します。
Sn=12(1113)+12(1315)++12(12n112n+1)S_n = \frac{1}{2} (\frac{1}{1} - \frac{1}{3}) + \frac{1}{2} (\frac{1}{3} - \frac{1}{5}) + \dots + \frac{1}{2} (\frac{1}{2n-1} - \frac{1}{2n+1})
Sn=12(112n+1)S_n = \frac{1}{2} (1 - \frac{1}{2n+1})
nn \to \infty の極限を計算します。
limnSn=limn12(112n+1)=12(10)=12\lim_{n \to \infty} S_n = \lim_{n \to \infty} \frac{1}{2} (1 - \frac{1}{2n+1}) = \frac{1}{2} (1 - 0) = \frac{1}{2}
したがって、この無限級数は収束し、その和は 12\frac{1}{2} です。
(2)
分母の有理化を行います。
12n+1+2n1=2n+12n1(2n+1+2n1)(2n+12n1)=2n+12n1(2n+1)(2n1)=2n+12n12\frac{1}{\sqrt{2n+1} + \sqrt{2n-1}} = \frac{\sqrt{2n+1} - \sqrt{2n-1}}{(\sqrt{2n+1} + \sqrt{2n-1})(\sqrt{2n+1} - \sqrt{2n-1})} = \frac{\sqrt{2n+1} - \sqrt{2n-1}}{(2n+1) - (2n-1)} = \frac{\sqrt{2n+1} - \sqrt{2n-1}}{2}
第n項までの部分和 SnS_n を計算します。
Sn=312+532++2n+12n12S_n = \frac{\sqrt{3} - \sqrt{1}}{2} + \frac{\sqrt{5} - \sqrt{3}}{2} + \dots + \frac{\sqrt{2n+1} - \sqrt{2n-1}}{2}
Sn=12(2n+11)S_n = \frac{1}{2} (\sqrt{2n+1} - 1)
nn \to \infty の極限を計算します。
limnSn=limn12(2n+11)=\lim_{n \to \infty} S_n = \lim_{n \to \infty} \frac{1}{2} (\sqrt{2n+1} - 1) = \infty
したがって、この無限級数は発散します。

3. 最終的な答え

(1) 収束し、和は 12\frac{1}{2}
(2) 発散する

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