問題は、実数 $a$ に関する二つの計算 $\sqrt{a^4-2a^2+1}$ と $\sqrt{a^4+2a^2+1}$ について、与えられた変形が正しいかどうかを判断し、正しくない変形については反例を挙げて理由を説明し、正しい式変形を答えることです。

1. 問題の内容

問題は、実数 $a$ に関する二つの計算 $\sqrt{a^4-2a^2+1}$ と $\sqrt{a^4+2a^2+1}$ について、与えられた変形が正しいかどうかを判断し、正しくない変形については反例を挙げて理由を説明し、正しい式変形を答えることです。

2. 解き方の手順

(ア) 正しくない式変形を選ぶ

* 式①: $\sqrt{a^4-2a^2+1} = \sqrt{(a^2-1)^2} = a^2-1$

$\sqrt{x^2} = |x|$ であるため、$\sqrt{(a^2-1)^2} = |a^2-1|$ となるべきです。$a^2-1$ が常に正であるとは限らないため、式①は正しくありません。

* 式②: $\sqrt{a^4-2a^2+1} = \sqrt{(a^2-1)^2}$ は正しいです。

* 式③: $\sqrt{a^4+2a^2+1} = \sqrt{(a^2+1)^2}$ は正しいです。

* 式④: $\sqrt{a^4+2a^2+1} = \sqrt{(a^2+1)^2} = a^2+1$

$a^2+1$ は常に正であるため、$\sqrt{(a^2+1)^2} = |a^2+1| = a^2+1$ となり、式④は正しいです。

したがって、正しくない式変形は①です。

(イ) 式変形が正しくない理由の説明と正しい式変形

* 正しくない理由：式①において、$\sqrt{(a^2-1)^2} = a^2-1$ となるのは、$a^2-1 \geq 0$ の場合に限ります。$a^2-1 < 0$ の場合、$\sqrt{(a^2-1)^2} = -(a^2-1) = 1-a^2$ となります。

例えば、$a=0$ のとき、$\sqrt{(0^2-1)^2} = \sqrt{(-1)^2} = \sqrt{1} = 1$ ですが、$0^2-1 = -1$ なので、式①は成り立ちません。

* 正しい式変形：

$\sqrt{a^4-2a^2+1} = \sqrt{(a^2-1)^2} = |a^2-1|$

3. 最終的な答え

(ア) 正しくない式変形：①

(イ) 正しくない理由：$\sqrt{x^2}=|x|$ であり、$a^2-1$ が負になる場合に成り立たない。

反例：$a = 0$ のとき $\sqrt{0^4 - 2(0)^2 + 1} = 1$ だが、$0^2 - 1 = -1$。

正しい式変形：$\sqrt{a^4-2a^2+1} = |a^2-1|$