三角形OABがあり、重心をGとする。pを正の実数とし、$(3p-2)\vec{PO}-2p\vec{PA}-p\vec{PB}=\vec{0}$を満たす点Pをとる。$\vec{a}=\vec{OA}, \vec{b}=\vec{OB}$とするとき、以下の問いに答えよ。 (1) $\vec{OG}, \vec{OP}$を$\vec{a}, \vec{b}$を用いて表せ。 (2) 直線OPと直線ABの交点をCとするとき、$\vec{OC}$を$\vec{a}, \vec{b}$を用いて表せ。また、OP:OCとAC:CBを求めよ。 (3) qを正の実数として、$\vec{OQ}=q\vec{OB}$を満たす点Qをとり、3点P, G, Qが一直線上にあるときを考える。 (i) qをpを用いて表せ。 (ii) 三角形OABの面積をS, 三角形OPQの面積をTとするとき、S:T=27:8となるようなp, qの組(p, q)を求めよ。

幾何学ベクトル三角形重心面積比
2025/5/18

1. 問題の内容

三角形OABがあり、重心をGとする。pを正の実数とし、(3p2)PO2pPApPB=0(3p-2)\vec{PO}-2p\vec{PA}-p\vec{PB}=\vec{0}を満たす点Pをとる。a=OA,b=OB\vec{a}=\vec{OA}, \vec{b}=\vec{OB}とするとき、以下の問いに答えよ。
(1) OG,OP\vec{OG}, \vec{OP}a,b\vec{a}, \vec{b}を用いて表せ。
(2) 直線OPと直線ABの交点をCとするとき、OC\vec{OC}a,b\vec{a}, \vec{b}を用いて表せ。また、OP:OCとAC:CBを求めよ。
(3) qを正の実数として、OQ=qOB\vec{OQ}=q\vec{OB}を満たす点Qをとり、3点P, G, Qが一直線上にあるときを考える。
(i) qをpを用いて表せ。
(ii) 三角形OABの面積をS, 三角形OPQの面積をTとするとき、S:T=27:8となるようなp, qの組(p, q)を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) OG\vec{OG}について
重心Gは、三角形OABの頂点から対辺の中点に引いた線分の交点である。
したがって、OG=OA+OB+OO3=a+b+03\vec{OG} = \frac{\vec{OA} + \vec{OB} + \vec{OO}}{3} = \frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{0}}{3}
OG=13a+13b\vec{OG} = \frac{1}{3}\vec{a} + \frac{1}{3}\vec{b}
OP\vec{OP}について
(3p2)PO2pPApPB=0(3p-2)\vec{PO}-2p\vec{PA}-p\vec{PB}=\vec{0}
(3p2)PO+2pAP+pBP=0(3p-2)\vec{PO}+2p\vec{AP}+p\vec{BP}=\vec{0}
(3p2)PO+2p(AO+OP)+p(BO+OP)=0(3p-2)\vec{PO}+2p(\vec{AO}+\vec{OP})+p(\vec{BO}+\vec{OP})=\vec{0}
(3p2)OP2pOA+2pOPpOB+pOP=0-(3p-2)\vec{OP}-2p\vec{OA}+2p\vec{OP}-p\vec{OB}+p\vec{OP}=\vec{0}
(3p22pp)OP=2pOA+pOB-(3p-2-2p-p)\vec{OP}=2p\vec{OA}+p\vec{OB}
3pOP=2pa+pb3p\vec{OP}=2p\vec{a}+p\vec{b}
OP=2p3pa+p3pb\vec{OP}=\frac{2p}{3p}\vec{a}+\frac{p}{3p}\vec{b}
OP=23a+13b\vec{OP}=\frac{2}{3}\vec{a}+\frac{1}{3}\vec{b}
(2) OC\vec{OC}について
点Cは直線OP上にあるので、実数kを用いてOC=kOP\vec{OC}=k\vec{OP}と表せる。
OC=k(23a+13b)=2k3a+k3b\vec{OC} = k(\frac{2}{3}\vec{a} + \frac{1}{3}\vec{b}) = \frac{2k}{3}\vec{a} + \frac{k}{3}\vec{b}
点Cは直線AB上にあるので、2k3+k3=1\frac{2k}{3}+\frac{k}{3}=1となる。
よって、k=1k=1
OC=23a+13b\vec{OC} = \frac{2}{3}\vec{a} + \frac{1}{3}\vec{b}
OP:OCについて
OC=kOP\vec{OC}=k\vec{OP}でk=1なので、OP:OC = 1:1
AC:CBについて
OC=23a+13b\vec{OC} = \frac{2}{3}\vec{a} + \frac{1}{3}\vec{b}より、点Cは線分ABを1:2に内分する点である。
よって、AC:CB=2:1
(3) (i) OQ=qOB\vec{OQ}=q\vec{OB}を満たす点Qをとり、3点P, G, Qが一直線上にあるときを考える。
PG=OGOP=13a+13b23a13b=13a\vec{PG} = \vec{OG} - \vec{OP} = \frac{1}{3}\vec{a}+\frac{1}{3}\vec{b} - \frac{2}{3}\vec{a} - \frac{1}{3}\vec{b} = -\frac{1}{3}\vec{a}
PQ=OQOP=qb23a13b=23a+(q13)b\vec{PQ} = \vec{OQ} - \vec{OP} = q\vec{b} - \frac{2}{3}\vec{a} - \frac{1}{3}\vec{b} = -\frac{2}{3}\vec{a} + (q-\frac{1}{3})\vec{b}
3点P, G, Qが一直線上にあるので、PQ=kPG\vec{PQ} = k\vec{PG}となる実数kが存在する。
23a+(q13)b=k(13a)-\frac{2}{3}\vec{a} + (q-\frac{1}{3})\vec{b} = k(-\frac{1}{3}\vec{a})
23a+(q13)b=k3a-\frac{2}{3}\vec{a} + (q-\frac{1}{3})\vec{b} = -\frac{k}{3}\vec{a}
a,b\vec{a}, \vec{b}は一次独立なので、
23=k3-\frac{2}{3} = -\frac{k}{3}
q13=0q-\frac{1}{3} = 0
よって、k=2,q=13k=2, q = \frac{1}{3}
qはpに関係なく定数となるので、pの値を求めるまでもない。
(ii)
三角形OABの面積をS, 三角形OPQの面積をTとするとき、S:T=27:8となるようなp, qの組(p, q)を求めよ。
S:T = 27:8
S=12absinθS = \frac{1}{2}|\vec{a}||\vec{b}|sin\theta
T=12OPOQsinθ=1223a+13bqbsinθT = \frac{1}{2}|\vec{OP}||\vec{OQ}|sin\theta = \frac{1}{2}|\frac{2}{3}\vec{a} + \frac{1}{3}\vec{b}||q\vec{b}|sin\theta
T=1223a+13b13bsinθ=1182a+bbsinθT = \frac{1}{2}|\frac{2}{3}\vec{a} + \frac{1}{3}\vec{b}||\frac{1}{3}\vec{b}|sin\theta = \frac{1}{18}|2\vec{a} + \vec{b}||\vec{b}|sin\theta
OP=23a+13b\vec{OP}=\frac{2}{3}\vec{a}+\frac{1}{3}\vec{b}
OQ=qOB=13b\vec{OQ}=q\vec{OB}=\frac{1}{3}\vec{b}
T=1223a13bsinθ=19S23a13babT = \frac{1}{2}|\frac{2}{3}\vec{a}||\frac{1}{3}\vec{b}|sin\theta=\frac{1}{9}S \frac{|\frac{2}{3}\vec{a}||\frac{1}{3}\vec{b}|}{|\vec{a}||\vec{b}|}
面積比の公式を用いる。
SOPQ=23×1313×0S=29SS_{OPQ}=|\frac{2}{3} \times \frac{1}{3} - \frac{1}{3} \times 0| S = \frac{2}{9} S
S:T=27:8S:T=27:8
S:29S=27:8S:\frac{2}{9}S = 27:8
92=278\frac{9}{2} = \frac{27}{8}は矛盾する。
よって、条件を満たすp,qは存在しない。

3. 最終的な答え

(1) OG=13a+13b,OP=23a+13b\vec{OG} = \frac{1}{3}\vec{a} + \frac{1}{3}\vec{b}, \vec{OP} = \frac{2}{3}\vec{a} + \frac{1}{3}\vec{b}
(2) OC=23a+13b,OP:OC=1:1,AC:CB=2:1\vec{OC} = \frac{2}{3}\vec{a} + \frac{1}{3}\vec{b}, OP:OC = 1:1, AC:CB=2:1
(3) (i) q=13q = \frac{1}{3} (pによらない)
(ii) 解なし

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