数列 $\{ \frac{r^{n+1}}{r^n + 1} \}$ の極限を求める問題です。ただし、$r$ の値によって場合分けする必要があります。

解析学数列極限場合分け収束発散
2025/5/18

1. 問題の内容

数列 {rn+1rn+1}\{ \frac{r^{n+1}}{r^n + 1} \} の極限を求める問題です。ただし、rr の値によって場合分けする必要があります。

2. 解き方の手順

数列の極限 limnrn+1rn+1\lim_{n \to \infty} \frac{r^{n+1}}{r^n + 1} を、rr の値によって場合分けして考えます。
* r=1r = 1 のとき:
数列は 1n+11n+1=12\frac{1^{n+1}}{1^n + 1} = \frac{1}{2} となるので、極限は 12\frac{1}{2} です。
* r>1r > 1 のとき:
rn+1rn+1=r1+1rn\frac{r^{n+1}}{r^n + 1} = \frac{r}{1 + \frac{1}{r^n}} と変形できます。nn \to \infty のとき、rnr^n \to \infty なので、1rn0\frac{1}{r^n} \to 0 となります。したがって、極限は r1+0=r\frac{r}{1 + 0} = r です。
* 0<r<10 < r < 1 のとき:
nn \to \infty のとき、rn0r^n \to 0 なので、rn+10r^{n+1} \to 0 となります。したがって、極限は 00+1=0\frac{0}{0 + 1} = 0 です。
* r=0r = 0 のとき:
数列は 0n+10n+1=01=0\frac{0^{n+1}}{0^n + 1} = \frac{0}{1} = 0 (ただし、n1n \geq 1)となるので、極限は 00 です。
* r<0r < 0 のとき:
r=1r = -1 の場合を考えます。
(1)n+1(1)n+1\frac{(-1)^{n+1}}{(-1)^n + 1} は、nn が偶数のとき 12\frac{-1}{2}nn が奇数のとき 10\frac{1}{0}(定義されない)となります。したがって、極限は存在しません。
r<1r < -1 の場合、r>1|r| > 1 なので、rnr^n は振動しながら絶対値が大きくなります。rn+1rn+1\frac{r^{n+1}}{r^n + 1} の分母と分子を rnr^n で割るとr1+1rn\frac{r}{1 + \frac{1}{r^n}}となります。rnr^nは振動するため、この式から極限を求めることは難しいです。元の式 rn+1rn+1\frac{r^{n+1}}{r^n+1} を考えると、分子と分母の絶対値は無限に大きくなるが、符号は交互に変わるので、極限は存在しません。
1<r<0-1 < r < 0 の場合、nn \to \infty のとき、rn0r^n \to 0 なので、rn+10r^{n+1} \to 0 となります。したがって、極限は 00+1=0\frac{0}{0 + 1} = 0 です。

3. 最終的な答え

* r>1r > 1 のとき: rr
* r=1r = 1 のとき: 12\frac{1}{2}
* 0r<10 \leq r < 1 のとき: 00
* r1r \leq -1 のとき: 極限は存在しない
* 1<r<0-1 < r < 0のとき: 00

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