原点を通る直線 $l$ があり、$p$ は点 $v$ から直線 $l$ に下ろした垂線の足への射影、$ρ$ は点 $v$ の直線 $l$ に関する線対称な点への射影を表す線形写像である。これらの行列表示が与えられている。 (1) $pp$ および $ρρ$ を計算し、その図形的な意味を考察する。 (2) (1) の結果から、$pr = rp = E$ を満たす行列 $r$ が存在しないことを示す。 (3) $p^2$ および $ρ^2$ を計算し、その図形的な意味を考察する。 (4) $ρ^2 + 2ρ + E$ を二通りの方法で計算し、その図形的な意味を考察する。
2025/5/19
1. 問題の内容
原点を通る直線 があり、 は点 から直線 に下ろした垂線の足への射影、 は点 の直線 に関する線対称な点への射影を表す線形写像である。これらの行列表示が与えられている。
(1) および を計算し、その図形的な意味を考察する。
(2) (1) の結果から、 を満たす行列 が存在しないことを示す。
(3) および を計算し、その図形的な意味を考察する。
(4) を二通りの方法で計算し、その図形的な意味を考察する。
2. 解き方の手順
(1) および を計算する。
行列の積を計算する。
求まった行列が表す変換を図形的に考察する。
(2) (1) の結果を利用して、 となる が存在しないことを証明する。
(3) および を計算する。
行列の積を計算する。
求まった行列が表す変換を図形的に考察する。
(4) を二通りの方法で計算する。一つは直接代入して計算し、もう一つは問題文に与えられている の行列表示を用いて計算する。
3. 最終的な答え
(1)
より、一度直線 へ射影された点は、もう一度射影されても同じ点である。
より、2回直線 に関して線対称な点をとると元の点に戻る。
(2)
であるから、 となる が存在するならば、 となるはずである。
しかし、 であり、 以外では とはならない。
また、となるが存在するならば、両辺に左からを掛けてとなる。
よって。同様にとなり矛盾する。
したがって、 を満たす行列 は存在しない。
(3)
より、2回射影しても同じ変換。
より、2回線対称移動すると元に戻る。
(4)
別の計算方法として、与えられた行列に直接代入する。
この変換は、 であり、直線 への射影を4倍したものと解釈できる。