(1) 長さ $l$ の弦の両端が固定されている場合に、腹が $n$ 個ある定常波の波長、n=1 のときの振動の名前、弦を伝わる横波の速さを求める。 (2) 一端が固定された弦に質量 $m$ のおもりをつけ、長さ $l$ の弦に3つの腹がある定常波ができ、振動数が $f$ であるとき、弦の線密度を求める。 (3) おもりの質量を変えたところ、腹の数が1個になったが、振動数は $f$ のままであった。このときのおもりの質量を求める。

1. 問題の内容

(1) 長さ $l$ の弦の両端が固定されている場合に、腹が $n$ 個ある定常波の波長、n=1 のときの振動の名前、弦を伝わる横波の速さを求める。

(2) 一端が固定された弦に質量 $m$ のおもりをつけ、長さ $l$ の弦に3つの腹がある定常波ができ、振動数が $f$ であるとき、弦の線密度を求める。

(3) おもりの質量を変えたところ、腹の数が1個になったが、振動数は $f$ のままであった。このときのおもりの質量を求める。

2. 解き方の手順

(1)

(a) 両端固定の弦の定常波の波長は、弦の長さを $l$、腹の数を $n$ とすると、

$\lambda = \frac{2l}{n}$

(b) n=1のときは基本振動と呼ぶ。

(c) 弦を伝わる横波の速さは、張力を $T$、線密度を $\rho$ とすると、

$v = \sqrt{\frac{T}{\rho}}$

(2)

弦の張力は、おもりの重力に等しいので $T=mg$。

3つの腹を持つ定常波の波長は、$\lambda = \frac{2l}{3}$。

弦を伝わる波の速さは $v = f\lambda = f \cdot \frac{2l}{3}$。

一方、$v = \sqrt{\frac{T}{\rho}} = \sqrt{\frac{mg}{\rho}}$。

したがって、$\sqrt{\frac{mg}{\rho}} = f \cdot \frac{2l}{3}$。

両辺を2乗して、$\frac{mg}{\rho} = f^2 \cdot \frac{4l^2}{9}$。

よって、$\rho = \frac{9mg}{4f^2l^2}$。

(3)

おもりの質量を $m'$ とすると、張力は $T'=m'g$。腹が1つの定常波の波長は $\lambda' = 2l$。

弦を伝わる波の速さは $v' = f\lambda' = 2fl$。

一方、$v' = \sqrt{\frac{T'}{\rho}} = \sqrt{\frac{m'g}{\rho}}$。

したがって、$2fl = \sqrt{\frac{m'g}{\rho}}$。

両辺を2乗して、$4f^2l^2 = \frac{m'g}{\rho}$。

$\rho = \frac{9mg}{4f^2l^2}$ を代入すると、$4f^2l^2 = \frac{m'g}{\frac{9mg}{4f^2l^2}}$。

$4f^2l^2 = \frac{4m'f^2l^2}{9m}$

したがって、$m' = 9m$。

3. 最終的な答え

(1) (a) $\frac{2l}{n}$ (b) 基本振動 (c) $\sqrt{\frac{T}{\rho}}$

(2) $\frac{9mg}{4f^2l^2}$

(3) $9m$