与えられた関数 $f(x)$ について、以下の問いに答える問題です。 (1) $f(x)$ が $x=0$ で微分可能であることを示し、$f'(0)$ を求める。 (2) $x_n = \frac{2}{\pi(2n-1)}$ ($n = 1, 2, \dots$) とするとき、$f(x_n)$ を求める。 (3) $f(x_{2m+1}) > f(x_{2m})$ ($m = 1, 2, \dots$) を示す。 (4) どのような $\delta > 0$ をとっても $f(x)$ は $(0, \delta)$ では単調増加ではないことを示す。

解析学微分可能性極限単調性関数の振る舞い
2025/5/19

1. 問題の内容

与えられた関数 f(x)f(x) について、以下の問いに答える問題です。
(1) f(x)f(x)x=0x=0 で微分可能であることを示し、f(0)f'(0) を求める。
(2) xn=2π(2n1)x_n = \frac{2}{\pi(2n-1)} (n=1,2,n = 1, 2, \dots) とするとき、f(xn)f(x_n) を求める。
(3) f(x2m+1)>f(x2m)f(x_{2m+1}) > f(x_{2m}) (m=1,2,m = 1, 2, \dots) を示す。
(4) どのような δ>0\delta > 0 をとっても f(x)f(x)(0,δ)(0, \delta) では単調増加ではないことを示す。

2. 解き方の手順

(1) x=0x=0 での微分可能性を示すためには、微分の定義に従って極限を計算します。
f(0)=limh0f(h)f(0)hf'(0) = \lim_{h \to 0} \frac{f(h) - f(0)}{h}
f(0)=0f(0) = 0 なので、
f(0)=limh0h2+h2sin(1h)h=limh0(12+hsin(1h))f'(0) = \lim_{h \to 0} \frac{\frac{h}{2} + h^2 \sin(\frac{1}{h})}{h} = \lim_{h \to 0} (\frac{1}{2} + h \sin(\frac{1}{h}))
1sin(1h)1-1 \leq \sin(\frac{1}{h}) \leq 1 より、hhsin(1h)h-|h| \leq h \sin(\frac{1}{h}) \leq |h| であるから、limh0hsin(1h)=0\lim_{h \to 0} h \sin(\frac{1}{h}) = 0 となります。
したがって、f(0)=12f'(0) = \frac{1}{2} であり、f(x)f(x)x=0x=0 で微分可能です。
(2) xn=2π(2n1)x_n = \frac{2}{\pi(2n-1)}f(x)f(x) に代入します。xn0x_n \neq 0 なので、
f(xn)=xn2+xn2sin(1xn)f(x_n) = \frac{x_n}{2} + x_n^2 \sin(\frac{1}{x_n})
1xn=π(2n1)2\frac{1}{x_n} = \frac{\pi(2n-1)}{2} なので、
sin(1xn)=sin(π(2n1)2)\sin(\frac{1}{x_n}) = \sin(\frac{\pi(2n-1)}{2})
nnが整数のとき、
2n12n-1は常に奇数なので、sin(π(2n1)2)\sin(\frac{\pi(2n-1)}{2})は常に(1)n1(-1)^{n-1}です。
したがって、f(xn)=1π(2n1)+4π2(2n1)2(1)n1f(x_n) = \frac{1}{\pi(2n-1)} + \frac{4}{\pi^2(2n-1)^2} (-1)^{n-1}
(3) f(x2m+1)>f(x2m)f(x_{2m+1}) > f(x_{2m}) を示すためには、f(x2m+1)f(x2m)>0f(x_{2m+1}) - f(x_{2m}) > 0 を示します。
f(x2m+1)=1π(4m+1)+4π2(4m+1)2f(x_{2m+1}) = \frac{1}{\pi(4m+1)} + \frac{4}{\pi^2(4m+1)^2}
f(x2m)=1π(4m1)4π2(4m1)2f(x_{2m}) = \frac{1}{\pi(4m-1)} - \frac{4}{\pi^2(4m-1)^2}
f(x2m+1)f(x2m)=1π(4m+1)1π(4m1)+4π2(4m+1)2+4π2(4m1)2f(x_{2m+1}) - f(x_{2m}) = \frac{1}{\pi(4m+1)} - \frac{1}{\pi(4m-1)} + \frac{4}{\pi^2(4m+1)^2} + \frac{4}{\pi^2(4m-1)^2}
=(4m1)(4m+1)π(4m+1)(4m1)+4π2(1(4m+1)2+1(4m1)2)= \frac{(4m-1) - (4m+1)}{\pi(4m+1)(4m-1)} + \frac{4}{\pi^2}(\frac{1}{(4m+1)^2} + \frac{1}{(4m-1)^2})
=2π(16m21)+4π2(4m1)2+(4m+1)2(16m21)2= \frac{-2}{\pi(16m^2 - 1)} + \frac{4}{\pi^2} \frac{(4m-1)^2 + (4m+1)^2}{(16m^2 - 1)^2}
=2π(16m21)+4π232m2+2(16m21)2= \frac{-2}{\pi(16m^2 - 1)} + \frac{4}{\pi^2} \frac{32m^2 + 2}{(16m^2 - 1)^2}
=2π(16m21)+4(32m2+2)π2(16m21)2= \frac{-2\pi(16m^2 - 1) + 4(32m^2 + 2)}{\pi^2(16m^2 - 1)^2}
=(32π+128)m2+2π+8π2(16m21)2= \frac{(-32\pi + 128)m^2 + 2\pi + 8}{\pi^2(16m^2 - 1)^2}
π<4\pi < 4 より、 32π+128>0-32\pi + 128 > 0 であり、2π+8>02\pi + 8 > 0 なので、f(x2m+1)f(x2m)>0f(x_{2m+1}) - f(x_{2m}) > 0 が成立します。
(4) f(x)f(x)(0,δ)(0, \delta) で単調増加ではないことを示すためには、f(x)<0f'(x) < 0 となる xx(0,δ)(0, \delta) に存在することを示します。
f(x)=12+2xsin(1x)cos(1x)f'(x) = \frac{1}{2} + 2x \sin(\frac{1}{x}) - \cos(\frac{1}{x})
x=12nπx = \frac{1}{2n\pi} とすると、sin(1x)=0\sin(\frac{1}{x}) = 0cos(1x)=1\cos(\frac{1}{x}) = 1 なので、
f(x)=121=12<0f'(x) = \frac{1}{2} - 1 = -\frac{1}{2} < 0
したがって、どのような δ>0\delta > 0 をとっても、十分大きな nn に対して x=12nπx = \frac{1}{2n\pi}(0,δ)(0, \delta) に含まれるので、f(x)f(x)(0,δ)(0, \delta) で単調増加ではありません。

3. 最終的な答え

(1) f(0)=12f'(0) = \frac{1}{2}
(2) f(xn)=1π(2n1)+4(1)n1π2(2n1)2f(x_n) = \frac{1}{\pi(2n-1)} + \frac{4(-1)^{n-1}}{\pi^2(2n-1)^2}
(3) 証明完了
(4) 証明完了

「解析学」の関連問題

$S = \sum_{k=1}^{10} \frac{1}{k(k+2)}$ について、以下の問いに答えます。 (1) $\frac{1}{k(k+2)}$ を部分分数に分解する。 (2) 和 $S$...

部分分数分解級数シグマ
2025/5/19

関数 $f(\theta) = -(\cos\theta)^2 - \sin\theta + 2$ の $-\frac{\pi}{2} \le \theta \le \frac{\pi}{2}$ にお...

三角関数最大値最小値関数の最大最小微分
2025/5/19

定積分 $\int_{-1}^{2} (-3x^2 + x + 1) dx$ を計算します。

定積分積分多項式
2025/5/19

関数 $f(x) = \frac{x}{e^x}$ について、以下の問いに答える。 (1) $f'(x) = 0$ となる $x$ の値を求める。 (2) $f''(x)$ を用いて、$f(x)$ の...

微分関数の極値指数関数
2025/5/19

$\sqrt[3]{0.9}$ の近似値を電卓を使わずに計算せよ。

近似微分1次近似立方根
2025/5/19

与えられた関数 $f(x) = \frac{x}{e^x}$ について、次の問いに答えます。 (1) $f'(x) = 0$ となる $x$ の値を求めます。 (2) $f''(x)$ を用いて、$f...

微分極値関数の増減指数関数
2025/5/19

数列 $\left\{(2x)^n\right\}$ が収束するような $x$ の値の範囲を求め、そのときの極限値を求める問題です。

数列極限収束不等式
2025/5/19

問題は、以下の6つの数列の極限を求める問題です。 (1) $(\frac{1}{3})^n$ (2) $(\frac{4}{3})^n$ (3) $(-\frac{3}{4})^n$ (4) $(-3...

数列極限収束発散
2025/5/19

以下の等式を証明する問題です。 $\frac{\sin(\alpha-\beta)}{\sin(\alpha+\beta)} = \frac{\tan\alpha-\tan\beta}{\tan\al...

三角関数加法定理恒等式三角関数の関係式証明
2025/5/19

与えられた和 $\sum_{k=1}^{100} \frac{1}{k(k+1)}$ を計算する問題です。

級数部分分数分解望遠鏡和シグマ
2025/5/19