ベクトル $\vec{A} = (10, 5, 2)$ と $\vec{B} = (3, 4, 0)$ が与えられたとき、以下の問いに答えます。 (1) $\vec{A}$ を $\vec{B}$ 方向とそれに垂直な方向に分解したときの $\vec{B}$ 方向のベクトルを求めます。 (2) $\vec{A}$ を $\vec{B}$ 方向とそれに垂直な方向に分解したときの $\vec{B}$ に垂直な方向のベクトルを求めます。 (3) $\vec{A}$ と $\vec{B}$ に垂直な単位ベクトルを求めます。

応用数学ベクトル内積外積正射影
2025/5/20

1. 問題の内容

ベクトル A=(10,5,2)\vec{A} = (10, 5, 2)B=(3,4,0)\vec{B} = (3, 4, 0) が与えられたとき、以下の問いに答えます。
(1) A\vec{A}B\vec{B} 方向とそれに垂直な方向に分解したときの B\vec{B} 方向のベクトルを求めます。
(2) A\vec{A}B\vec{B} 方向とそれに垂直な方向に分解したときの B\vec{B} に垂直な方向のベクトルを求めます。
(3) A\vec{A}B\vec{B} に垂直な単位ベクトルを求めます。

2. 解き方の手順

(1) A\vec{A}B\vec{B} 方向への正射影ベクトル A\vec{A}_{\parallel} は、以下のように計算できます。
A=ABB2B\vec{A}_{\parallel} = \frac{\vec{A} \cdot \vec{B}}{|\vec{B}|^2} \vec{B}
まず、内積 AB\vec{A} \cdot \vec{B} を計算します。
AB=(10)(3)+(5)(4)+(2)(0)=30+20+0=50\vec{A} \cdot \vec{B} = (10)(3) + (5)(4) + (2)(0) = 30 + 20 + 0 = 50
次に、B\vec{B} の大きさの2乗 B2|\vec{B}|^2 を計算します。
B2=32+42+02=9+16+0=25|\vec{B}|^2 = 3^2 + 4^2 + 0^2 = 9 + 16 + 0 = 25
したがって、A\vec{A}_{\parallel} は次のようになります。
A=5025B=2B=2(3,4,0)=(6,8,0)\vec{A}_{\parallel} = \frac{50}{25} \vec{B} = 2\vec{B} = 2(3, 4, 0) = (6, 8, 0)
(2) A\vec{A}B\vec{B} に垂直な方向のベクトル A\vec{A}_{\perp} は、以下のように計算できます。
A=AA\vec{A}_{\perp} = \vec{A} - \vec{A}_{\parallel}
A=(10,5,2)(6,8,0)=(4,3,2)\vec{A}_{\perp} = (10, 5, 2) - (6, 8, 0) = (4, -3, 2)
(3) A\vec{A}B\vec{B} に垂直なベクトル N\vec{N} は、外積 A×B\vec{A} \times \vec{B} で計算できます。
N=A×B=(AyBzAzBy,AzBxAxBz,AxByAyBx)\vec{N} = \vec{A} \times \vec{B} = (A_y B_z - A_z B_y, A_z B_x - A_x B_z, A_x B_y - A_y B_x)
N=(5(0)2(4),2(3)10(0),10(4)5(3))=(8,6,25)\vec{N} = (5(0) - 2(4), 2(3) - 10(0), 10(4) - 5(3)) = (-8, 6, 25)
N\vec{N} の大きさ N|\vec{N}| を計算します。
N=(8)2+62+252=64+36+625=725=529|\vec{N}| = \sqrt{(-8)^2 + 6^2 + 25^2} = \sqrt{64 + 36 + 625} = \sqrt{725} = 5\sqrt{29}
A\vec{A}B\vec{B} に垂直な単位ベクトル N^\hat{N} は、以下のように計算できます。
N^=NN=(8,6,25)529=(8529,6529,25529)=(829145,629145,52929)\hat{N} = \frac{\vec{N}}{|\vec{N}|} = \frac{(-8, 6, 25)}{5\sqrt{29}} = \left(-\frac{8}{5\sqrt{29}}, \frac{6}{5\sqrt{29}}, \frac{25}{5\sqrt{29}}\right) = \left(-\frac{8\sqrt{29}}{145}, \frac{6\sqrt{29}}{145}, \frac{5\sqrt{29}}{29}\right)
またはその逆向きのベクトル
N^=(829145,629145,52929)-\hat{N} = \left(\frac{8\sqrt{29}}{145}, -\frac{6\sqrt{29}}{145}, -\frac{5\sqrt{29}}{29}\right)

3. 最終的な答え

(1) A\vec{A}B\vec{B} 方向への正射影ベクトル: (6,8,0)(6, 8, 0)
(2) A\vec{A}B\vec{B} に垂直な方向のベクトル: (4,3,2)(4, -3, 2)
(3) A\vec{A}B\vec{B} に垂直な単位ベクトル: (829145,629145,52929)\left(-\frac{8\sqrt{29}}{145}, \frac{6\sqrt{29}}{145}, \frac{5\sqrt{29}}{29}\right) または (829145,629145,52929)\left(\frac{8\sqrt{29}}{145}, -\frac{6\sqrt{29}}{145}, -\frac{5\sqrt{29}}{29}\right)

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