長さ $L = 1.0 \mathrm{m}$ のひもの端に質量 $m = 1.0 \mathrm{kg}$ の物体が吊るされている。ひもが鉛直線に対して角度 $\theta = 30^\circ$ を保つように、物体が水平な円軌道上を等速円運動している。このとき、物体の速さ $v$ と回転周期 $T$ を求める。

応用数学力学円運動物理三角関数
2025/6/17

1. 問題の内容

長さ L=1.0mL = 1.0 \mathrm{m} のひもの端に質量 m=1.0kgm = 1.0 \mathrm{kg} の物体が吊るされている。ひもが鉛直線に対して角度 θ=30\theta = 30^\circ を保つように、物体が水平な円軌道上を等速円運動している。このとき、物体の速さ vv と回転周期 TT を求める。

2. 解き方の手順

(1) 物体の速さ vv を求める。
物体には重力 mgmg と糸の張力 SS が働いている。糸の張力 SS を鉛直方向と水平方向に分解すると、鉛直方向の力のつり合いから、
Scosθ=mgS \cos \theta = mg
水平方向には、等速円運動の向心力として
Ssinθ=mv2rS \sin \theta = m \frac{v^2}{r}
ここで、円運動の半径 rr は、 r=Lsinθr = L \sin \theta で与えられる。
したがって、
S=mgcosθS = \frac{mg}{\cos \theta}
これを向心力の式に代入すると、
mgcosθsinθ=mv2Lsinθ\frac{mg}{\cos \theta} \sin \theta = m \frac{v^2}{L \sin \theta}
gtanθ=v2Lsinθg \tan \theta = \frac{v^2}{L \sin \theta}
v2=gLsinθtanθv^2 = g L \sin \theta \tan \theta
v=gLsinθtanθv = \sqrt{g L \sin \theta \tan \theta}
与えられた値を代入すると、
v=9.8×1.0×sin30×tan30=9.8×1.0×12×13=9.8231.68m/sv = \sqrt{9.8 \times 1.0 \times \sin 30^\circ \times \tan 30^\circ} = \sqrt{9.8 \times 1.0 \times \frac{1}{2} \times \frac{1}{\sqrt{3}}} = \sqrt{\frac{9.8}{2\sqrt{3}}} \approx 1.68 \mathrm{m/s}
(2) 回転周期 TT を求める。
v=2πrTv = \frac{2 \pi r}{T}
T=2πrv=2πLsinθv=2πLsinθgLsinθtanθ=2πLsinθgtanθ=2πLcosθgT = \frac{2 \pi r}{v} = \frac{2 \pi L \sin \theta}{v} = \frac{2 \pi L \sin \theta}{\sqrt{g L \sin \theta \tan \theta}} = 2 \pi \sqrt{\frac{L \sin \theta}{g \tan \theta}} = 2 \pi \sqrt{\frac{L \cos \theta}{g}}
T=2π1.0×cos309.8=2π3/29.8=2π319.61.81sT = 2 \pi \sqrt{\frac{1.0 \times \cos 30^\circ}{9.8}} = 2 \pi \sqrt{\frac{\sqrt{3}/2}{9.8}} = 2 \pi \sqrt{\frac{\sqrt{3}}{19.6}} \approx 1.81 \mathrm{s}

3. 最終的な答え

(1) 物体の速さ v1.68m/sv \approx 1.68 \mathrm{m/s}
(2) 回転周期 T1.81sT \approx 1.81 \mathrm{s}

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