まず、それぞれの問題について市場均衡価格と均衡数量を求めます。均衡価格は需要曲線と供給曲線が交わる点で決まります。つまり、D(p)=S(p) を満たす p を求めます。求まった均衡価格を p∗ とします。次に、この p∗ を需要曲線または供給曲線に代入して均衡数量 q∗ を求めます (q∗=D(p∗)=S(p∗))。 次に、消費者余剰 (CS)、生産者余剰 (PS)、総余剰 (TS) を計算します。
消費者余剰は、消費者が支払っても良いと考えている金額と実際に支払った金額の差の合計です。数式で表すと、
CS=∫0q∗D−1(q)dq−p∗q∗ ここで、D−1(q) は需要曲線の逆関数です。言い換えると、D−1(q) は数量が q のときに消費者が支払っても良いと考えている最大の価格を表します。積分部分は、消費者が支払っても良いと考えている金額の合計を表し、p∗q∗ は実際に支払った金額を表します。 計算を簡単にするために、CS=21(pmax−p∗)q∗ を利用することが出来ます。ここで、pmax は需要曲線において需要量 D(p)=0 となる価格、p∗は均衡価格、q∗は均衡数量です。 生産者余剰は、生産者が実際に受け取った金額と、最低限受け取りたい金額の差の合計です。数式で表すと、
PS=p∗q∗−∫0q∗S−1(q)dq ここで、S−1(q) は供給曲線の逆関数です。言い換えると、S−1(q) は数量が q のときに生産者が最低限受け取りたいと考えている価格を表します。p∗q∗ は実際に受け取った金額を表し、積分部分は生産者が最低限受け取りたい金額の合計を表します。 計算を簡単にするために、PS=21(p∗−pmin)q∗ を利用することが出来ます。ここで、pmin は供給曲線において供給量 S(p)=0 となる価格、p∗は均衡価格、q∗は均衡数量です。 総余剰は、消費者余剰と生産者余剰の合計です。
TS=CS+PS 問題1:
D(p)=−p+50 S(p)=2p−10 均衡条件: −p+50=2p−10 q∗=−20+50=30 D(p)=−p+50=0 より pmax=50. S(p)=2p−10=0 より pmin=5. CS=21(50−20)×30=21×30×30=450 PS=21(20−5)×30=21×15×30=225 TS=450+225=675 問題2:
D(p)=−0.5p+12 S(p)=p−6 均衡条件: −0.5p+12=p−6 q∗=12−6=6 D(p)=−0.5p+12=0 より 0.5p=12 よって pmax=24. S(p)=p−6=0 より pmin=6. CS=21(24−12)×6=21×12×6=36 PS=21(12−6)×6=21×6×6=18 TS=36+18=54