問題10:全体集合$U$とその部分集合$A, B$について、$n(U)=60, n(A)=30, n(B)=25$である。このとき、次の個数のとりうる値の最大値と最小値を求めよ。 (1) $n(A \cap B)$ (2) $n(A \cup B)$ (3) $n(\overline{A \cap B})$

離散数学集合集合の要素数ベン図最大値最小値
2025/5/20

1. 問題の内容

問題10:全体集合UUとその部分集合A,BA, Bについて、n(U)=60,n(A)=30,n(B)=25n(U)=60, n(A)=30, n(B)=25である。このとき、次の個数のとりうる値の最大値と最小値を求めよ。
(1) n(AB)n(A \cap B)
(2) n(AB)n(A \cup B)
(3) n(AB)n(\overline{A \cap B})

2. 解き方の手順

(1) n(AB)n(A \cap B) の最大値と最小値を求める。
ABA \cap B が最大となるのは、BAB \subseteq A のときで、このとき n(AB)=n(B)=25n(A \cap B) = n(B) = 25
ABA \cap B が最小となるのは、n(AB)n(A \cup B) が最大となるとき。
n(AB)n(A \cup B) は最大で n(U)=60n(U)=60 なので、n(AB)=60n(A \cup B) = 60
n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B) より
60=30+25n(AB)60 = 30 + 25 - n(A \cap B)
n(AB)=30+2560=5560=5n(A \cap B) = 30 + 25 - 60 = 55 - 60 = -5
これはあり得ないので、AB=0A \cap B = 0
(ベン図で考えると、$AとBが重ならない場合が最小)
(2) n(AB)n(A \cup B) の最大値と最小値を求める。
n(AB)n(A \cup B) が最大となるのは、AB=UA \cup B = U のときで、n(AB)=n(U)=60n(A \cup B) = n(U) = 60
n(AB)n(A \cup B) が最小となるのは、ABA \subseteq B または BAB \subseteq A のとき。
n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)
(1)より、n(AB)n(A \cap B)が最大になるとき、n(AB)=25n(A \cap B)=25より、BAB \subseteq Aのときn(AB)n(A \cup B)は最小値を取り
n(AB)=30n(A \cup B) = 30
(3) n(AB)n(\overline{A \cap B}) の最大値と最小値を求める。
n(AB)=n(U)n(AB)n(\overline{A \cap B}) = n(U) - n(A \cap B)
n(AB)n(A \cap B) が最大のとき、n(AB)n(\overline{A \cap B}) は最小になる。
n(AB)n(A \cap B) が最小のとき、n(AB)n(\overline{A \cap B}) は最大になる。
n(AB)n(A \cap B) の最大値は25、最小値は0であるから、
n(AB)n(\overline{A \cap B}) の最大値は 600=6060 - 0 = 60
n(AB)n(\overline{A \cap B}) の最小値は 6025=3560 - 25 = 35

3. 最終的な答え

(1) n(AB)n(A \cap B) の最大値は25、最小値は0。
(2) n(AB)n(A \cup B) の最大値は60、最小値は30。
(3) n(AB)n(\overline{A \cap B}) の最大値は60、最小値は35。

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