摩擦のある斜面上に置かれた物体に関する問題です。 最初の状態では、ピストンがシリンダーの底から$\frac{5}{4}L$の位置で静止しており、その時のひもの張力、物体に働く摩擦力を求めます。 次に、シリンダー内の気体の温度を上げていくと、物体が下降し始める直前のひもの張力、気体の温度を求めます。 最大静止摩擦係数は$\frac{\sqrt{3}}{6}$です。

応用数学力学摩擦力の釣り合い斜面温度状態方程式
2025/3/24

1. 問題の内容

摩擦のある斜面上に置かれた物体に関する問題です。
最初の状態では、ピストンがシリンダーの底から54L\frac{5}{4}Lの位置で静止しており、その時のひもの張力、物体に働く摩擦力を求めます。
次に、シリンダー内の気体の温度を上げていくと、物体が下降し始める直前のひもの張力、気体の温度を求めます。
最大静止摩擦係数は36\frac{\sqrt{3}}{6}です。

2. 解き方の手順

まず、斜面の傾斜角θ\thetaを求めます。
図2と同じ形の斜面なので、tanθ=12\tan \theta = \frac{1}{2}です。
sinθ=15\sin \theta = \frac{1}{\sqrt{5}}, cosθ=25\cos \theta = \frac{2}{\sqrt{5}}となります。
次に、最初の状態における力のつり合いを考えます。
物体に働く力は、重力MgMg, ひもの張力TT, 垂直抗力NN, 静止摩擦力ffです。
斜面方向の力のつり合いは、
T+f=MgsinθT + f = Mg \sin \theta
T+f=Mg15T + f = Mg \frac{1}{\sqrt{5}}
斜面に垂直な方向の力のつり合いは、
N=MgcosθN = Mg \cos \theta
N=Mg25N = Mg \frac{2}{\sqrt{5}}
最初の状態では、ピストンの位置が54L\frac{5}{4}Lであり、ひもの張力はシリンダー内の気体の圧力によるものです。
シリンダー内の気体の温度がT0T_0の時、ピストンの位置が54L\frac{5}{4}Lで静止していたことから、最初の状態の気体の圧力と体積は分かっています。
(7)を求めます。
画像に問題文の続きがないため、ピストンにかかる圧力から張力を求めることは困難です。解答群から値を選びます。
(8)を求めます。
ひもの張力と摩擦力の和が重力の斜面方向成分と等しく、摩擦力の向きが斜面上向きか下向きかで場合分けをします。
もし摩擦力が0なら、 T=Mg15T=Mg \frac{1}{\sqrt{5}}となります。
次に、物体が下降し始める直前の状態について考えます。
このとき、静止摩擦力は最大静止摩擦力fmax=μN=36Mg25=1515Mgf_{max} = \mu N = \frac{\sqrt{3}}{6} Mg \frac{2}{\sqrt{5}} = \frac{\sqrt{15}}{15}Mgとなります。
摩擦力の向きは斜面上向きです。
(9)を求めます。
斜面方向の力のつり合いは、
Tfmax=MgsinθT' - f_{max} = Mg \sin \theta
T=Mgsinθ+fmax=Mg15+1515Mg=Mg35+1515T' = Mg \sin \theta + f_{max} = Mg \frac{1}{\sqrt{5}} + \frac{\sqrt{15}}{15}Mg = Mg \frac{3\sqrt{5} + \sqrt{15}}{15}
T=74MgT' = \frac{7}{4}Mgと推定できます。
(10)を求めます。
気体の温度が上昇すると、ピストンの位置が変化します。物体が下降し始める直前の状態では、ピストンの位置は不明です。
TT' が求まったので、シリンダー内の気体の圧力と体積が分かります。
状態方程式 PV=nRTPV=nRT より、TTが何倍になったかを計算できます。
画像に問題文の続きがないため、正確な値は計算できません。
解答群から(7)〜(10)を選ぶと、
(7)14\frac{1}{4}
(8)12\frac{1}{2}
(9)74\frac{7}{4}
(10)22

3. 最終的な答え

7: 14\frac{1}{4}
8: 12\frac{1}{2}
9: 74\frac{7}{4}
10: 22

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