30人の生徒の数学の得点$x$と英語の得点$y$のデータがある。$x$と$y$の共分散は62、相関係数は0.85である。 得点調整のため、$z = 2x + 10$, $w = 3y - 40$という新しい変量$z$、$w$を作るとき、$z$と$w$の共分散、相関係数を求めよ。

確率論・統計学共分散相関係数統計データの変換
2025/5/20

1. 問題の内容

30人の生徒の数学の得点xxと英語の得点yyのデータがある。xxyyの共分散は62、相関係数は0.85である。
得点調整のため、z=2x+10z = 2x + 10, w=3y40w = 3y - 40という新しい変量zzwwを作るとき、zzwwの共分散、相関係数を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、zzwwの共分散を求める。
共分散の性質として、定数倍はそのまま共分散に反映される。つまり、
Cov(ax,by)=abCov(x,y)Cov(ax, by) = abCov(x, y)
また、定数の足し引きは共分散に影響しない。つまり、Cov(x+a,y+b)=Cov(x,y)Cov(x+a, y+b) = Cov(x, y)
したがって、Cov(z,w)=Cov(2x+10,3y40)=Cov(2x,3y)=23Cov(x,y)=6Cov(x,y)Cov(z, w) = Cov(2x + 10, 3y - 40) = Cov(2x, 3y) = 2 \cdot 3 Cov(x, y) = 6 Cov(x, y)
問題文より、xxyyの共分散は62なので、Cov(x,y)=62Cov(x, y) = 62
よって、Cov(z,w)=662=372Cov(z, w) = 6 \cdot 62 = 372
次に、zzwwの相関係数を求める。
相関係数は、共分散をそれぞれの標準偏差の積で割ったものなので、
rzw=Cov(z,w)σzσwr_{zw} = \frac{Cov(z, w)}{\sigma_z \sigma_w}
標準偏差の性質として、定数倍はそのまま標準偏差に反映される。つまり、σax=aσx\sigma_{ax} = |a|\sigma_x
したがって、σz=σ2x+10=σ2x=2σx\sigma_z = \sigma_{2x + 10} = \sigma_{2x} = 2\sigma_xσw=σ3y40=σ3y=3σy\sigma_w = \sigma_{3y - 40} = \sigma_{3y} = 3\sigma_y
よって、rzw=Cov(z,w)σzσw=6Cov(x,y)2σx3σy=6Cov(x,y)6σxσy=Cov(x,y)σxσy=rxyr_{zw} = \frac{Cov(z, w)}{\sigma_z \sigma_w} = \frac{6Cov(x, y)}{2\sigma_x \cdot 3\sigma_y} = \frac{6Cov(x, y)}{6\sigma_x \sigma_y} = \frac{Cov(x, y)}{\sigma_x \sigma_y} = r_{xy}
問題文より、xxyyの相関係数は0.85なので、rxy=0.85r_{xy} = 0.85
したがって、zzwwの相関係数rzw=0.85r_{zw} = 0.85

3. 最終的な答え

zzwwの共分散は372
zzwwの相関係数は0.85

「確率論・統計学」の関連問題

2つのサイコロを同時に投げたとき、次の確率を求める問題です。 (1) 少なくとも1個は4以下の目が出る確率 (2) 目の積が3の倍数になる確率

確率サイコロ余事象
2025/5/20

袋Aには白玉3個、赤玉4個、袋Bには白玉3個、赤玉2個が入っている。まず、袋Aから1個の玉を取り出して袋Bに入れ、よくかき混ぜて、袋Bから1個の玉を取り出して袋Aに入れる。このとき、袋Aの白玉の個数が...

確率条件付き確率事象
2025/5/20

確率変数Xの確率分布が与えられており、Xの期待値が2.8であるとき、pとqの値を求める問題です。

確率分布期待値連立方程式確率変数
2025/5/20

赤と白の2つのサイコロを同時に投げたとき、以下の(1)から(4)の場合の数を求めます。 (1) 目の和が9または10になる場合 (2) 目の和が6の倍数になる場合 (3) 目の和が4以下になる場合 (...

確率サイコロ場合の数
2025/5/20

10個の品物の中に3個の不良品が入っている。この中から4個を同時に取り出すとき、取り出した4個に含まれる不良品の個数を確率変数 $X$ とする。$X$ の期待値と標準偏差を求めよ。

確率変数期待値標準偏差組み合わせ
2025/5/20

1個のサイコロを1回投げたときに出る目を確率変数 $X$ とするとき、確率変数 $4X+5$ の期待値と分散を求めよ。

確率変数期待値分散確率分布サイコロ
2025/5/20

確率変数 $X$ の期待値 $E(X) = 7$、分散 $V(X) = 9$ であるとき、以下の確率変数 $Y$ について、期待値 $E(Y)$、分散 $V(Y)$、標準偏差 $\sigma(Y)$ ...

確率変数期待値分散標準偏差線形変換
2025/5/20

1から10までの数字が1つずつ書かれた10枚のカードから1枚を抜き出すとき、抜き出したカードの数字を確率変数 $X$ とします。 (1) $X$ の期待値 $m$ を求めます。 (2) $X$ の分散...

確率変数期待値分散標準偏差確率分布
2025/5/20

袋の中に赤玉3個、青玉2個、黄玉1個が入っている。袋から玉を1個取り出し、色を確認してから袋に戻す。この試行を最大で3回まで繰り返す。ただし、赤玉を取り出した場合は、以後の試行は行わない。 (1) 試...

確率期待値試行
2025/5/20

AとBがゲームを繰り返し行い、先に4勝した方を優勝とする。1回のゲームでAが勝つ確率は$\frac{1}{3}$、Bが勝つ確率は$\frac{2}{3}$である。 (1) ちょうど6回目のゲームでAが...

確率反復試行組み合わせ
2025/5/20