1から10までの数字が1つずつ書かれた10枚のカードから1枚を抜き出すとき、抜き出したカードの数字を確率変数 $X$ とします。 (1) $X$ の期待値 $m$ を求めます。 (2) $X$ の分散と標準偏差を求めます。

確率論・統計学確率変数期待値分散標準偏差確率分布
2025/5/20

1. 問題の内容

1から10までの数字が1つずつ書かれた10枚のカードから1枚を抜き出すとき、抜き出したカードの数字を確率変数 XX とします。
(1) XX の期待値 mm を求めます。
(2) XX の分散と標準偏差を求めます。

2. 解き方の手順

(1) 期待値 mm の計算
XX の期待値 mm は、各値とその確率の積の和で求められます。各カードが選ばれる確率は 110\frac{1}{10} なので、
m=E(X)=i=110iP(X=i)=i=110i110=110i=110i m = E(X) = \sum_{i=1}^{10} i \cdot P(X=i) = \sum_{i=1}^{10} i \cdot \frac{1}{10} = \frac{1}{10} \sum_{i=1}^{10} i
等差数列の和の公式を用いると、
i=110i=10(10+1)2=10112=55 \sum_{i=1}^{10} i = \frac{10(10+1)}{2} = \frac{10 \cdot 11}{2} = 55
したがって、
m=5510=5.5 m = \frac{55}{10} = 5.5
(2) 分散 V(X)V(X) の計算
分散 V(X)V(X) は、各値の2乗の期待値から期待値の2乗を引いたもので求められます。
V(X)=E(X2)(E(X))2=E(X2)m2 V(X) = E(X^2) - (E(X))^2 = E(X^2) - m^2
まず E(X2)E(X^2) を計算します。
E(X2)=i=110i2P(X=i)=i=110i2110=110i=110i2 E(X^2) = \sum_{i=1}^{10} i^2 \cdot P(X=i) = \sum_{i=1}^{10} i^2 \cdot \frac{1}{10} = \frac{1}{10} \sum_{i=1}^{10} i^2
2乗の和の公式を用いると、
i=110i2=10(10+1)(210+1)6=1011216=23106=385 \sum_{i=1}^{10} i^2 = \frac{10(10+1)(2 \cdot 10 + 1)}{6} = \frac{10 \cdot 11 \cdot 21}{6} = \frac{2310}{6} = 385
したがって、
E(X2)=38510=38.5 E(X^2) = \frac{385}{10} = 38.5
分散は
V(X)=E(X2)m2=38.5(5.5)2=38.530.25=8.25 V(X) = E(X^2) - m^2 = 38.5 - (5.5)^2 = 38.5 - 30.25 = 8.25
標準偏差 σ\sigma の計算
標準偏差 σ\sigma は、分散の平方根です。
σ=V(X)=8.252.87 \sigma = \sqrt{V(X)} = \sqrt{8.25} \approx 2.87

3. 最終的な答え

(1) 期待値: 5.55.5
(2) 分散: 8.258.25
標準偏差: 8.25\sqrt{8.25} (または約2.87)

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