各命題を、全称記号と存在記号を用いて、ε-δ論法あるいはそれに準ずる方法で表現します。
(1) 数列 {an} が α に収束する。 定義より、「任意の正の数 ϵ に対して、ある自然数 N が存在し、n>N ならば ∣an−α∣<ϵ が成り立つ」となります。これを全称記号と存在記号で表すと次のようになります。 ∀ϵ>0,∃N∈N,∀n∈N s.t. n>N,∣an−α∣<ϵ (2) 数列 {an} が実数 α に収束しない。 これは、(1)の否定です。
∃ϵ>0,∀N∈N,∃n∈N s.t. n>N,∣an−α∣≥ϵ (3) 数列 {an} がコーシー列である。 定義より、「任意の正の数 ϵ に対して、ある自然数 N が存在し、m,n>N ならば ∣am−an∣<ϵ が成り立つ」となります。 ∀ϵ>0,∃N∈N,∀m,n∈N s.t. m>N∧n>N,∣am−an∣<ϵ (4) 数列 {an} がコーシー列でない。 これは、(3)の否定です。
∃ϵ>0,∀N∈N,∃m,n∈N s.t. m>N∧n>N,∣am−an∣≥ϵ (5) f が x0∈R で連続である。 定義より、「任意の正の数 ϵ に対して、ある正の数 δ が存在し、∣x−x0∣<δ ならば ∣f(x)−f(x0)∣<ϵ が成り立つ」となります。 ∀ϵ>0,∃δ>0,∀x∈R s.t. ∣x−x0∣<δ,∣f(x)−f(x0)∣<ϵ (6) f が x0∈R で連続でない。 これは、(5)の否定です。
∃ϵ>0,∀δ>0,∃x∈R s.t. ∣x−x0∣<δ,∣f(x)−f(x0)∣≥ϵ