ばね定数 $k$ のばねに質量 $m$ のおもりが取り付けられている。時刻 $t=0$ でばねを自然長から $x_0$ だけ伸ばして静かに放す。おもりは速度に比例する空気抵抗力(比例定数 $C$)を受けるとする。 (i) $0 < C < C_0$ のとき、運動は減衰振動となる。$C_0$ を求め、 $C_0 = \sqrt{Amk}$ の $A$ にあてはまる自然数を求める。 (ii) 空気抵抗力の比例定数 $C$ が $C = \sqrt{2mk}$ で与えられるとき、おもりの振動の周期 $T$ を求め、$T = \pi \sqrt{\frac{Bm}{k}}$ の $B$ にあてはまる自然数を求める。 (iii) $x(t)$ を求め、$x(t) = \sqrt{D}x_0 e^{-\sqrt{\frac{k}{Em}}t} \sin(\sqrt{\frac{k}{Fm}}t + \frac{\pi}{G})$ の $D$ ~ $G$ にあてはまる自然数を求める。

応用数学微分方程式振動減衰振動運動方程式力学
2025/5/21

1. 問題の内容

ばね定数 kk のばねに質量 mm のおもりが取り付けられている。時刻 t=0t=0 でばねを自然長から x0x_0 だけ伸ばして静かに放す。おもりは速度に比例する空気抵抗力(比例定数 CC)を受けるとする。
(i) 0<C<C00 < C < C_0 のとき、運動は減衰振動となる。C0C_0 を求め、 C0=AmkC_0 = \sqrt{Amk}AA にあてはまる自然数を求める。
(ii) 空気抵抗力の比例定数 CCC=2mkC = \sqrt{2mk} で与えられるとき、おもりの振動の周期 TT を求め、T=πBmkT = \pi \sqrt{\frac{Bm}{k}}BB にあてはまる自然数を求める。
(iii) x(t)x(t) を求め、x(t)=Dx0ekEmtsin(kFmt+πG)x(t) = \sqrt{D}x_0 e^{-\sqrt{\frac{k}{Em}}t} \sin(\sqrt{\frac{k}{Fm}}t + \frac{\pi}{G})DD ~ GG にあてはまる自然数を求める。

2. 解き方の手順

(i) 減衰振動の場合、C<C0C < C_0 であり、C0C_0 は臨界減衰のときの CC の値である。運動方程式は mx¨+Cx˙+kx=0m\ddot{x} + C\dot{x} + kx = 0 となる。臨界減衰の場合、C2=4mkC^2 = 4mk が成り立つので、C0=4mkC_0 = \sqrt{4mk} となる。したがって、A=4A = 4
(ii) C=2mkC = \sqrt{2mk} のとき、運動方程式は mx¨+2mkx˙+kx=0m\ddot{x} + \sqrt{2mk}\dot{x} + kx = 0 となる。特性方程式は mr2+2mkr+k=0mr^2 + \sqrt{2mk}r + k = 0 であり、r=2mk±2mk4mk2m=2mk±2mk2m=k2m±ik2mr = \frac{-\sqrt{2mk} \pm \sqrt{2mk - 4mk}}{2m} = \frac{-\sqrt{2mk} \pm \sqrt{-2mk}}{2m} = -\sqrt{\frac{k}{2m}} \pm i\sqrt{\frac{k}{2m}} となる。
したがって、ω=k2m\omega = \sqrt{\frac{k}{2m}} であり、周期 T=2πω=2π2mk=π8mkT = \frac{2\pi}{\omega} = 2\pi\sqrt{\frac{2m}{k}} = \pi \sqrt{\frac{8m}{k}} となる。したがって、B=8B = 8
(iii) x(t)=eαt(C1cos(ωt)+C2sin(ωt))x(t) = e^{-\alpha t} (C_1 \cos(\omega t) + C_2 \sin(\omega t)) となる。ここで、α=C2m=2mk2m=k2m\alpha = \frac{C}{2m} = \frac{\sqrt{2mk}}{2m} = \sqrt{\frac{k}{2m}} であり、ω=k2m\omega = \sqrt{\frac{k}{2m}} である。
初期条件は x(0)=x0x(0) = x_0 および x˙(0)=0\dot{x}(0) = 0 である。x(0)=C1=x0x(0) = C_1 = x_0 である。
x˙(t)=αeαt(C1cos(ωt)+C2sin(ωt))+eαt(C1ωsin(ωt)+C2ωcos(ωt))\dot{x}(t) = -\alpha e^{-\alpha t}(C_1 \cos(\omega t) + C_2 \sin(\omega t)) + e^{-\alpha t}(-C_1 \omega \sin(\omega t) + C_2 \omega \cos(\omega t)) となる。
x˙(0)=αC1+C2ω=0\dot{x}(0) = -\alpha C_1 + C_2 \omega = 0 より、C2=αC1ω=x0C_2 = \frac{\alpha C_1}{\omega} = x_0 となる。
x(t)=x0ek2mt(cos(k2mt)+sin(k2mt))x(t) = x_0 e^{-\sqrt{\frac{k}{2m}}t} (\cos(\sqrt{\frac{k}{2m}}t) + \sin(\sqrt{\frac{k}{2m}}t))
=2x0ek2mtsin(k2mt+π4)= \sqrt{2}x_0 e^{-\sqrt{\frac{k}{2m}}t} \sin(\sqrt{\frac{k}{2m}}t + \frac{\pi}{4}) となる。
したがって、D=2D = 2E=2E = 2F=2F = 2G=4G = 4

3. 最終的な答え

(i) A=4A = 4
(ii) B=8B = 8
(iii) D=2D = 2, E=2E = 2, F=2F = 2, G=4G = 4

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