質点系の $k$ 番目の質点の位置を $\vec{r}_k$、運動量を $\vec{p}_k$、質点にはたらく力を $\vec{F}_k$ とする。質点系の角運動量 $\vec{L} = \sum_k (\vec{r}_k \times \vec{p}_k)$ を時間 $t$ で微分すると $\dot{\vec{L}} = \frac{d\vec{L}}{dt} = \vec{N}$ となることを示す。ただし、$\vec{N} = \sum_k (\vec{r}_k \times \vec{F}_k)$ である。

応用数学力学角運動量ベクトル微分
2025/5/21

1. 問題の内容

質点系の kk 番目の質点の位置を rk\vec{r}_k、運動量を pk\vec{p}_k、質点にはたらく力を Fk\vec{F}_k とする。質点系の角運動量 L=k(rk×pk)\vec{L} = \sum_k (\vec{r}_k \times \vec{p}_k) を時間 tt で微分すると L˙=dLdt=N\dot{\vec{L}} = \frac{d\vec{L}}{dt} = \vec{N} となることを示す。ただし、N=k(rk×Fk)\vec{N} = \sum_k (\vec{r}_k \times \vec{F}_k) である。

2. 解き方の手順

角運動量 L\vec{L} を時間で微分すると、
dLdt=ddtk(rk×pk)=kddt(rk×pk)\frac{d\vec{L}}{dt} = \frac{d}{dt} \sum_k (\vec{r}_k \times \vec{p}_k) = \sum_k \frac{d}{dt} (\vec{r}_k \times \vec{p}_k)
積の微分則を用いると、
ddt(rk×pk)=drkdt×pk+rk×dpkdt\frac{d}{dt} (\vec{r}_k \times \vec{p}_k) = \frac{d\vec{r}_k}{dt} \times \vec{p}_k + \vec{r}_k \times \frac{d\vec{p}_k}{dt}
ここで、pk=mkvk=mkdrkdt\vec{p}_k = m_k \vec{v}_k = m_k \frac{d\vec{r}_k}{dt} であるから、drkdt=pkmk\frac{d\vec{r}_k}{dt} = \frac{\vec{p}_k}{m_k}。また、ニュートンの運動方程式より、dpkdt=Fk\frac{d\vec{p}_k}{dt} = \vec{F}_k である。
したがって、
ddt(rk×pk)=pkmk×pk+rk×Fk\frac{d}{dt} (\vec{r}_k \times \vec{p}_k) = \frac{\vec{p}_k}{m_k} \times \vec{p}_k + \vec{r}_k \times \vec{F}_k
ここで、pk×pk=0\vec{p}_k \times \vec{p}_k = \vec{0} (同じベクトルの外積はゼロ) であるから、
ddt(rk×pk)=rk×Fk\frac{d}{dt} (\vec{r}_k \times \vec{p}_k) = \vec{r}_k \times \vec{F}_k
これより、
dLdt=kddt(rk×pk)=k(rk×Fk)=N\frac{d\vec{L}}{dt} = \sum_k \frac{d}{dt} (\vec{r}_k \times \vec{p}_k) = \sum_k (\vec{r}_k \times \vec{F}_k) = \vec{N}
よって、dLdt=N\frac{d\vec{L}}{dt} = \vec{N} が示された。

3. 最終的な答え

dLdt=N\frac{d\vec{L}}{dt} = \vec{N}

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