$a > 1$ に対して、$a^{\frac{1}{n}} = 1 + b_n$ とおくとき、以下の問いに答えよ。 (1) $0 < b_n < \frac{a-1}{n}$ が成り立つことを示せ。 (2) 任意の正の実数 $\epsilon$ に対して、$N = \frac{a-1}{\epsilon}$ とおく。このとき、$n \ge N$ となるすべての自然数 $n$ について、$|b_n| < \epsilon$ が成り立つことを示せ。 (3) $\lim_{n \to \infty} a^{\frac{1}{n}}$ を求めよ。

1. 問題の内容

$a > 1$ に対して、$a^{\frac{1}{n}} = 1 + b_n$ とおくとき、以下の問いに答えよ。

(1) $0 < b_n < \frac{a-1}{n}$ が成り立つことを示せ。

(2) 任意の正の実数 $\epsilon$ に対して、$N = \frac{a-1}{\epsilon}$ とおく。このとき、$n \ge N$ となるすべての自然数 $n$ について、$|b_n| < \epsilon$ が成り立つことを示せ。

(3) $\lim_{n \to \infty} a^{\frac{1}{n}}$ を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) まず、$a > 1$ より、$a^{\frac{1}{n}} > 1$ であるから、$1 + b_n > 1$ となり、$b_n > 0$ がわかる。

次に、$a = (1 + b_n)^n$ である。二項定理より、

$$a = (1 + b_n)^n = 1 + n b_n + \frac{n(n-1)}{2} b_n^2 + \cdots + b_n^n > 1 + n b_n$$

よって、$a > 1 + n b_n$ より、$a - 1 > n b_n$。したがって、$b_n < \frac{a-1}{n}$。

以上より、$0 < b_n < \frac{a-1}{n}$ が成り立つ。

(2) (1)の結果から、$0 < b_n < \frac{a-1}{n}$ がわかっている。

$n \ge N = \frac{a-1}{\epsilon}$ より、$n \ge \frac{a-1}{\epsilon}$ であるから、$\frac{1}{n} \le \frac{\epsilon}{a-1}$。

したがって、$\frac{a-1}{n} \le \epsilon$ となる。

$0 < b_n < \frac{a-1}{n}$ より、$0 < b_n < \epsilon$。

よって、$|b_n| < \epsilon$ が成り立つ。

(3) $a^{\frac{1}{n}} = 1 + b_n$ であり、(2)より、任意の正の実数 $\epsilon$ に対して、ある自然数 $N$ が存在し、$n \ge N$ ならば、$|b_n| < \epsilon$ である。これは、$b_n$ が $0$ に収束することを意味する。つまり、$\lim_{n \to \infty} b_n = 0$。

したがって、$\lim_{n \to \infty} a^{\frac{1}{n}} = \lim_{n \to \infty} (1 + b_n) = 1 + \lim_{n \to \infty} b_n = 1 + 0 = 1$。

3. 最終的な答え

(1) $0 < b_n < \frac{a-1}{n}$

(2) 証明は上記参照

(3) $\lim_{n \to \infty} a^{\frac{1}{n}} = 1$