関数 $f(x) = \frac{\ln x}{x}$ ($x > 0$) について、以下の問いに答える。 (1) 極限 $\lim_{x \to 0+} f(x)$ を求める。 (2) 極限 $\lim_{x \to \infty} f(x)$ を求める。 (3) 導関数 $f'(x)$ を求める。

解析学極限関数微分対数関数ロピタルの定理
2025/5/22

1. 問題の内容

関数 f(x)=lnxxf(x) = \frac{\ln x}{x} (x>0x > 0) について、以下の問いに答える。
(1) 極限 limx0+f(x)\lim_{x \to 0+} f(x) を求める。
(2) 極限 limxf(x)\lim_{x \to \infty} f(x) を求める。
(3) 導関数 f(x)f'(x) を求める。

2. 解き方の手順

(1) 極限 limx0+lnxx\lim_{x \to 0+} \frac{\ln x}{x} を求める。
xx00 に近づくとき、lnx\ln x-\infty に近づき、xx00 に近づくので、これは 0\frac{-\infty}{0} の形になる。x>0x > 0 より、xx は正の方向から 00 に近づくため、1x\frac{1}{x}++\infty に発散する。よって、limx0+lnxx=\lim_{x \to 0+} \frac{\ln x}{x} = -\inftyとなる。
(2) 極限 limxlnxx\lim_{x \to \infty} \frac{\ln x}{x} を求める。
xx \to \infty のとき、lnx\ln x \to \infty であり、xx \to \infty であるから、この極限は \frac{\infty}{\infty} の不定形である。よって、ロピタルの定理を用いる。
ddxlnx=1x\frac{d}{dx} \ln x = \frac{1}{x}
ddxx=1\frac{d}{dx} x = 1
したがって、
limxlnxx=limx1x1=limx1x=0\lim_{x \to \infty} \frac{\ln x}{x} = \lim_{x \to \infty} \frac{\frac{1}{x}}{1} = \lim_{x \to \infty} \frac{1}{x} = 0
(3) 導関数 f(x)f'(x) を求める。
f(x)=lnxxf(x) = \frac{\ln x}{x} を微分する。商の微分公式 (uv)=uvuvv2\left(\frac{u}{v}\right)' = \frac{u'v - uv'}{v^2} を用いる。
u=lnxu = \ln x, v=xv = x とすると、
u=1xu' = \frac{1}{x}, v=1v' = 1
したがって、
f(x)=1xxlnx1x2=1lnxx2f'(x) = \frac{\frac{1}{x} \cdot x - \ln x \cdot 1}{x^2} = \frac{1 - \ln x}{x^2}

3. 最終的な答え

(1) limx0+f(x)=\lim_{x \to 0+} f(x) = -\infty
(2) limxf(x)=0\lim_{x \to \infty} f(x) = 0
(3) f(x)=1lnxx2f'(x) = \frac{1 - \ln x}{x^2}

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