$x$ が正の有理数で $x = \frac{m}{n}$ のとき、$a^x = (a^{\frac{1}{n}})^m$ と定義する。この定義が $m, n$ のとり方によらないことを示す。また、$x, y$ が有理数で $0 < x < y$ のとき、$a^x < a^y$ であることを示す。ここで、$a>1$とする。

解析学指数関数有理数不等式定義の検証
2025/5/22

1. 問題の内容

xx が正の有理数で x=mnx = \frac{m}{n} のとき、ax=(a1n)ma^x = (a^{\frac{1}{n}})^m と定義する。この定義が m,nm, n のとり方によらないことを示す。また、x,yx, y が有理数で 0<x<y0 < x < y のとき、ax<aya^x < a^y であることを示す。ここで、a>1a>1とする。

2. 解き方の手順

(1) axa^x の定義が m,nm, n の取り方によらないことを示す。
x=mn=kmknx = \frac{m}{n} = \frac{km}{kn} と表せる。このとき、
(a^{\frac{1}{kn}})^{km} = ((a^{\frac{1}{kn}})^k)^m = (a^{\frac{k}{kn}})^m = (a^{\frac{1}{n}})^m
となるため、定義は m,nm, n の取り方によらない。
(2) 0<x<y0 < x < y のとき、ax<aya^x < a^y であることを示す。
x,yx, y は有理数なので、x=mn,y=pqx = \frac{m}{n}, y = \frac{p}{q} と表せる。
x<yx < y より、mn<pq\frac{m}{n} < \frac{p}{q} なので、mq<npmq < np である。
ここで、nq>0nq > 0 であるから、mq<npmq < np の両辺を nqnq で割っても大小関係は変わらない。
mn<pq\frac{m}{n} < \frac{p}{q}
ここで、x<yx < y より、yx>0y - x > 0 なので、yx=z=st>0y - x = z = \frac{s}{t} > 0 (s, t は正の整数) と表せる。
y=x+zy = x + z なので、ay=ax+z=axaza^y = a^{x+z} = a^x a^z となる。
az>1a^z > 1 であることを示せば、ay>axa^y > a^x が示せる。
z=st>0z = \frac{s}{t} > 0 なので、az=ast=(a1t)sa^z = a^{\frac{s}{t}} = (a^{\frac{1}{t}})^s である。
a>1a > 1 より、a1t>1a^{\frac{1}{t}} > 1 である。
なぜなら、a1t=1a^{\frac{1}{t}} = 1 ならば、a=1t=1a = 1^t = 1 となり矛盾する。
a1t<1a^{\frac{1}{t}} < 1 ならば、a=(a1t)t<1a = (a^{\frac{1}{t}})^t < 1 となり矛盾する。
よって、a1t>1a^{\frac{1}{t}} > 1 である。
したがって、s>0s > 0 より、(a1t)s>1(a^{\frac{1}{t}})^s > 1 となる。
ゆえに、az>1a^z > 1 であるから、ay=axaz>axa^y = a^x a^z > a^x となる。
よって、ax<aya^x < a^y が示された。

3. 最終的な答え

(1) axa^x の定義は m,nm, n の取り方によらない。
(2) 0<x<y0 < x < y のとき、ax<aya^x < a^y である。

「解析学」の関連問題

問題302の(3) $\tan(\theta - \frac{\pi}{3}) = \frac{1}{\sqrt{3}}$ を、 $0 \le \theta < 2\pi$ の範囲で解く。

三角関数tan方程式解の範囲
2025/5/22

問題1は、関数 $f(x) = \frac{1}{x}$ の $n$ 階導関数を求める問題です。 問題2は、関数 $h(x) = x \sin x$ の $n$ 階導関数をライプニッツの公式を用いて求...

導関数ライプニッツの公式微分関数の微分
2025/5/22

以下の3つの問題について、回転体の体積を求める問題です。 (1) 曲線 $y = \tan x$ と $x$ 軸および $x = \frac{\pi}{4}$ で囲まれる部分を、$x$ 軸のまわりに1...

積分回転体の体積部分積分定積分三角関数指数関数対数関数
2025/5/22

$x = \sin y$ という関係が与えられたとき、$\frac{dy}{dx}$ を $x$ の式で表す。

微分合成関数の微分三角関数逆関数
2025/5/22

$x = \sin y$ が与えられているとき、$\frac{dy}{dx}$ を $x$ の式で表す。

微分逆三角関数合成関数の微分導関数
2025/5/22

関数 $y = \log x$ を逆関数の微分公式を用いて微分する。

微分逆関数対数関数微分公式
2025/5/22

$y = \log x$ を逆関数の微分公式を用いて微分する。

対数関数微分逆関数自然対数常用対数
2025/5/22

以下の3つの回転体の体積を求める問題です。 (1) 曲線 $y = \tan x$ と $x$ 軸および $x = \frac{\pi}{4}$ で囲まれた部分を、$x$ 軸のまわりに1回転してできる...

体積積分回転体定積分部分積分
2025/5/22

問題は2つあります。 (1) $\lim_{t \to 0} \frac{\log(1+t)}{t}$ を計算すること。 (2) $y=e^x$ を定義に従って微分すること。

極限微分対数関数指数関数導関数
2025/5/22

問題1は、以下の2つの極限を計算する問題です。 (1) $\lim_{t \to 0} \frac{\log(1+t)}{t}$ (2) $\lim_{h \to 0} \frac{e^h - 1}{...

極限ロピタルの定理テイラー展開指数関数対数関数
2025/5/22