確率変数 $X, Y$ の同時確率密度関数 $f(x, y)$ が与えられています。 $ f(x, y) = \begin{cases} cx & (0 \leq x \leq 1, 0 \leq y \leq 1) \\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases} $ 以下の問題を解きます。 (1) $c = 2$ を示す。 (2) 周辺確率密度関数 $f_1(x)$ と $f_2(y)$ を求める。 (3) $X$ と $Y$ が統計的に独立かどうかを調べる。 (4) $Z = X + Y$ の確率密度関数を求める。 (5) $P(X \leq 1/2, Y \geq 1/3)$ を求める。 (6) $E[X + Y]$ と $E[XY]$ を求める。

確率論・統計学確率密度関数同時確率分布周辺確率分布独立性期待値
2025/5/22

1. 問題の内容

確率変数 X,YX, Y の同時確率密度関数 f(x,y)f(x, y) が与えられています。
f(x,y)={cx(0x1,0y1)0(otherwise) f(x, y) = \begin{cases} cx & (0 \leq x \leq 1, 0 \leq y \leq 1) \\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}
以下の問題を解きます。
(1) c=2c = 2 を示す。
(2) 周辺確率密度関数 f1(x)f_1(x)f2(y)f_2(y) を求める。
(3) XXYY が統計的に独立かどうかを調べる。
(4) Z=X+YZ = X + Y の確率密度関数を求める。
(5) P(X1/2,Y1/3)P(X \leq 1/2, Y \geq 1/3) を求める。
(6) E[X+Y]E[X + Y]E[XY]E[XY] を求める。

2. 解き方の手順

(1) c=2c = 2 を示す。
確率密度関数の性質より、全空間での積分は1になるはずです。つまり、
f(x,y)dxdy=1\int_{-\infty}^{\infty} \int_{-\infty}^{\infty} f(x, y) dx dy = 1
与えられた範囲では、
0101cxdxdy=1\int_{0}^{1} \int_{0}^{1} cx dx dy = 1
c0101xdxdy=c01[x2/2]01dy=c01(1/2)dy=c/2[y]01=c/2=1c \int_{0}^{1} \int_{0}^{1} x dx dy = c \int_{0}^{1} [x^2/2]_0^1 dy = c \int_{0}^{1} (1/2) dy = c/2 [y]_0^1 = c/2 = 1
したがって、c=2c = 2 であることが示されました。
(2) 周辺確率密度関数 f1(x)f_1(x)f2(y)f_2(y) を求める。
f1(x)=f(x,y)dy=012xdy=2x[y]01=2xf_1(x) = \int_{-\infty}^{\infty} f(x, y) dy = \int_{0}^{1} 2x dy = 2x[y]_0^1 = 2x (for 0x10 \leq x \leq 1)
f2(y)=f(x,y)dx=012xdx=2[x2/2]01=1f_2(y) = \int_{-\infty}^{\infty} f(x, y) dx = \int_{0}^{1} 2x dx = 2[x^2/2]_0^1 = 1 (for 0y10 \leq y \leq 1)
(3) XXYY が統計的に独立かどうかを調べる。
XXYY が独立であるためには、f(x,y)=f1(x)f2(y)f(x, y) = f_1(x)f_2(y) が成り立つ必要があります。
f1(x)f2(y)=(2x)(1)=2xf_1(x)f_2(y) = (2x)(1) = 2x
これは f(x,y)=2xf(x, y) = 2x と等しいので、XXYY は統計的に独立です。
(4) Z=X+YZ = X + Y の確率密度関数を求める。
fZ(z)=fX(x)fY(zx)dxf_Z(z) = \int_{-\infty}^{\infty} f_X(x) f_Y(z - x) dx
fX(x)=f1(x)=2xf_X(x) = f_1(x) = 2x (for 0x10 \leq x \leq 1)
fY(y)=f2(y)=1f_Y(y) = f_2(y) = 1 (for 0y10 \leq y \leq 1)
したがって、fY(zx)=1f_Y(z - x) = 1 (for 0zx10 \leq z - x \leq 1, i.e., z1xzz - 1 \leq x \leq z)
fZ(z)=max(0,z1)min(1,z)2xdxf_Z(z) = \int_{\max(0, z-1)}^{\min(1, z)} 2x dx
場合分けが必要となります。
0z10 \leq z \leq 1 の場合、
fZ(z)=0z2xdx=[x2]0z=z2f_Z(z) = \int_{0}^{z} 2x dx = [x^2]_0^z = z^2
1<z21 < z \leq 2 の場合、
fZ(z)=z112xdx=[x2]z11=1(z1)2=1(z22z+1)=2zz2f_Z(z) = \int_{z-1}^{1} 2x dx = [x^2]_{z-1}^1 = 1 - (z-1)^2 = 1 - (z^2 - 2z + 1) = 2z - z^2
したがって、
fZ(z)={z2(0z1)2zz2(1<z2)0(otherwise) f_Z(z) = \begin{cases} z^2 & (0 \leq z \leq 1) \\ 2z - z^2 & (1 < z \leq 2) \\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}
(5) P(X1/2,Y1/3)P(X \leq 1/2, Y \geq 1/3) を求める。
P(X1/2,Y1/3)=01/21/312xdydx=01/22x[y]1/31dx=01/22x(11/3)dx=01/2(4/3)xdx=(4/3)[x2/2]01/2=(4/3)(1/8)=1/6P(X \leq 1/2, Y \geq 1/3) = \int_{0}^{1/2} \int_{1/3}^{1} 2x dy dx = \int_{0}^{1/2} 2x [y]_{1/3}^{1} dx = \int_{0}^{1/2} 2x (1 - 1/3) dx = \int_{0}^{1/2} (4/3)x dx = (4/3)[x^2/2]_0^{1/2} = (4/3)(1/8) = 1/6
(6) E[X+Y]E[X + Y]E[XY]E[XY] を求める。
E[X]=xf1(x)dx=01x(2x)dx=012x2dx=2[x3/3]01=2/3E[X] = \int_{-\infty}^{\infty} x f_1(x) dx = \int_{0}^{1} x (2x) dx = \int_{0}^{1} 2x^2 dx = 2[x^3/3]_0^1 = 2/3
E[Y]=yf2(y)dy=01y(1)dy=[y2/2]01=1/2E[Y] = \int_{-\infty}^{\infty} y f_2(y) dy = \int_{0}^{1} y (1) dy = [y^2/2]_0^1 = 1/2
E[X+Y]=E[X]+E[Y]=2/3+1/2=7/6E[X + Y] = E[X] + E[Y] = 2/3 + 1/2 = 7/6
E[XY]=E[X]E[Y]E[XY] = E[X]E[Y] (since X and Y are independent) =(2/3)(1/2)=1/3= (2/3)(1/2) = 1/3

3. 最終的な答え

(1) c=2c = 2
(2) f1(x)={2x(0x1)0(otherwise)f_1(x) = \begin{cases} 2x & (0 \leq x \leq 1) \\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}, f2(y)={1(0y1)0(otherwise)f_2(y) = \begin{cases} 1 & (0 \leq y \leq 1) \\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}
(3) XXYY は統計的に独立
(4) fZ(z)={z2(0z1)2zz2(1<z2)0(otherwise) f_Z(z) = \begin{cases} z^2 & (0 \leq z \leq 1) \\ 2z - z^2 & (1 < z \leq 2) \\ 0 & (\text{otherwise}) \end{cases}
(5) P(X1/2,Y1/3)=1/6P(X \leq 1/2, Y \geq 1/3) = 1/6
(6) E[X+Y]=7/6E[X + Y] = 7/6, E[XY]=1/3E[XY] = 1/3

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