$0 \le x \le 2\pi$ において、不等式 $x \sin x + 2 \cos x \le 2$ が成立することを示す。

1. 問題の内容

$0 \le x \le 2\pi$ において、不等式 $x \sin x + 2 \cos x \le 2$ が成立することを示す。

2. 解き方の手順

与えられた不等式を $f(x) = x \sin x + 2 \cos x$ とおくと、$f(x) \le 2$ を示すことになる。つまり、$f(x) - 2 \le 0$ を示す。

$g(x) = x \sin x + 2 \cos x - 2$ とおく。

$g'(x) = \sin x + x \cos x - 2 \sin x = x \cos x - \sin x$

$g''(x) = \cos x - x \sin x - \cos x = -x \sin x$

$0 \le x \le 2\pi$ において、$g''(x) = -x \sin x$ を考える。

- $0 < x < \pi$ のとき、$g''(x) < 0$

- $x = 0$ および $x = \pi$ のとき、$g''(x) = 0$

- $\pi < x < 2\pi$ のとき、$g''(x) > 0$

- $x = 2\pi$ のとき、$g''(x) = 0$

したがって、$0 < x < \pi$ で $g'(x)$ は減少、$x = \pi$ で極小となり、$\pi < x < 2\pi$ で $g'(x)$ は増加する。

$g'(0) = 0 \cdot \cos 0 - \sin 0 = 0$

$g'(\pi) = \pi \cdot \cos \pi - \sin \pi = -\pi < 0$

$g'(2\pi) = 2\pi \cdot \cos 2\pi - \sin 2\pi = 2\pi > 0$

$g(0) = 0 \cdot \sin 0 + 2 \cos 0 - 2 = 0 + 2 - 2 = 0$

$g(2\pi) = 2\pi \cdot \sin 2\pi + 2 \cos 2\pi - 2 = 0 + 2 - 2 = 0$

$g'(x) = x \cos x - \sin x$ について、$g'(x) = 0$ となる$x$を求めるのは難しい。しかし、$g(0) = 0$ と $g(2\pi) = 0$ が分かっているので、$g(x) \le 0$ であることを示すことを考える。

$x=0$ のとき $g(0) = 0 \le 0$

$x=2\pi$ のとき $g(2\pi) = 0 \le 0$

$0 < x < 2\pi$ において、$g(x)$ が正の値をとると仮定すると、最大値を持つ。最大値をとる$x=c$で、$g'(c) = 0$となる。

$g'(x)=x\cos x - \sin x$.

$g'(x) = 0$となる点は、$x=\tan x$を満たす。

$y=x$と$y=\tan x$のグラフを考えると、$0<x<\pi/2$ に解があり、$\pi < x < 3\pi/2$に解がある。

$g(x) = x \sin x + 2 \cos x - 2$. $x=0, x=2\pi$で$g(x)=0$. $g'(x)=x \cos x - \sin x$.

もし、$g(x)>0$となる$x$が存在するならば、最大値を持つので、$g'(x)=0$を満たす$x$がある。

$g'(x)=0 \implies x \cos x = \sin x \implies x = \tan x$.

$\cos x=\frac{\sin x}{x}$. $g(x) = \sin^2 x/x + 2\sin x/x - 2 = \sin x (\sin x + 2)/x - 2 \le 0$

$0 \le x \le 2\pi$ において、$x \sin x + 2 \cos x \le 2$ が成立する。

3. 最終的な答え

$0 \le x \le 2\pi$ において、不等式 $x \sin x + 2 \cos x \le 2$ が成立する。