双曲線 $\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1$ (ただし $a>0$, $b>0$) 上の点 $P(p, q)$ (ただし $p>0$, $q>0$) を通る直線で、2つの漸近線にそれぞれ平行なものを引く。これらの直線が漸近線と交わる点を、$y$ 座標が大きい方から順に $Q$, $R$ とする。このとき、平行四辺形 $ORPQ$ (Oは原点) の面積 $S$ を求めよ。

1. 問題の内容

双曲線 $\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1$ (ただし $a>0$, $b>0$) 上の点 $P(p, q)$ (ただし $p>0$, $q>0$) を通る直線で、2つの漸近線にそれぞれ平行なものを引く。これらの直線が漸近線と交わる点を、$y$ 座標が大きい方から順に $Q$, $R$ とする。このとき、平行四辺形 $ORPQ$ (Oは原点) の面積 $S$ を求めよ。

2. 解き方の手順

双曲線 $\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1$ の漸近線は $y = \pm \frac{b}{a}x$ である。

点 $P(p, q)$ を通り、漸近線 $y = \frac{b}{a}x$ に平行な直線の方程式は

$y - q = \frac{b}{a}(x - p)$

すなわち

$y = \frac{b}{a}x - \frac{b}{a}p + q$

点 $P(p, q)$ を通り、漸近線 $y = -\frac{b}{a}x$ に平行な直線の方程式は

$y - q = -\frac{b}{a}(x - p)$

すなわち

$y = -\frac{b}{a}x + \frac{b}{a}p + q$

点 $Q$ は $y = \frac{b}{a}x - \frac{b}{a}p + q$ と $y = -\frac{b}{a}x$ の交点なので、

$-\frac{b}{a}x = \frac{b}{a}x - \frac{b}{a}p + q$

$\frac{2b}{a}x = \frac{b}{a}p - q$

$x = \frac{p}{2} - \frac{aq}{2b}$

$y = -\frac{b}{a}x = -\frac{b}{a}(\frac{p}{2} - \frac{aq}{2b}) = -\frac{bp}{2a} + \frac{q}{2}$

よって $Q(\frac{p}{2} - \frac{aq}{2b}, -\frac{bp}{2a} + \frac{q}{2})$

点 $R$ は $y = -\frac{b}{a}x + \frac{b}{a}p + q$ と $y = \frac{b}{a}x$ の交点なので、

$\frac{b}{a}x = -\frac{b}{a}x + \frac{b}{a}p + q$

$\frac{2b}{a}x = \frac{b}{a}p + q$

$x = \frac{p}{2} + \frac{aq}{2b}$

$y = \frac{b}{a}x = \frac{b}{a}(\frac{p}{2} + \frac{aq}{2b}) = \frac{bp}{2a} + \frac{q}{2}$

よって $R(\frac{p}{2} + \frac{aq}{2b}, \frac{bp}{2a} + \frac{q}{2})$

平行四辺形 $ORPQ$ の面積は、ベクトル $\vec{OR}$ と $\vec{OP}$ の外積の絶対値に等しい。

$\vec{OR} = (\frac{p}{2} + \frac{aq}{2b}, \frac{bp}{2a} + \frac{q}{2})$

$\vec{OP} = (p, q)$

面積 $S = |\frac{p}{2}q + \frac{aq}{2b}q - \frac{bp}{2a}p - \frac{q}{2}p|$

$= |\frac{aq^2}{2b} - \frac{bp^2}{2a}| = |\frac{a^2q^2 - b^2p^2}{2ab}|$

ここで、$P(p, q)$ は双曲線 $\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1$ 上の点なので、$\frac{p^2}{a^2} - \frac{q^2}{b^2} = 1$ より、$b^2p^2 - a^2q^2 = a^2b^2$。

$S = |\frac{-(a^2b^2)}{2ab}| = \frac{ab}{2}$

3. 最終的な答え

平行四辺形 ORPQ の面積は $\frac{ab}{2}$