$x > 0$ のとき、次の不等式が成り立つことを示す問題です。 $\arctan x > x - \frac{x^3}{3}$

解析学不等式arctan微分単調増加テイラー展開
2025/5/24

1. 問題の内容

x>0x > 0 のとき、次の不等式が成り立つことを示す問題です。
arctanx>xx33\arctan x > x - \frac{x^3}{3}

2. 解き方の手順

まず、f(x)=arctanxx+x33f(x) = \arctan x - x + \frac{x^3}{3} とおきます。
このとき、x>0x > 0f(x)>0f(x) > 0 を示すことが目標となります。
f(x)f(x) を微分すると、
f(x)=11+x21+x2f'(x) = \frac{1}{1+x^2} - 1 + x^2
さらに、f(x)f'(x) を計算すると、
f(x)=1(1+x2)+x2(1+x2)1+x2=11x2+x2+x41+x2=x41+x2f'(x) = \frac{1 - (1+x^2) + x^2(1+x^2)}{1+x^2} = \frac{1 - 1 - x^2 + x^2 + x^4}{1+x^2} = \frac{x^4}{1+x^2}
x>0x>0 において、f(x)>0f'(x) > 0 であることがわかります。
したがって、f(x)f(x)x>0x>0 において単調増加関数です。
x=0x = 0 のとき、f(0)=arctan00+033=0f(0) = \arctan 0 - 0 + \frac{0^3}{3} = 0 です。
x>0x>0 において、f(x)f(x) は単調増加関数であり、f(0)=0f(0)=0 なので、x>0x>0 において、f(x)>0f(x) > 0 が成り立ちます。
したがって、x>0x>0 において、
arctanxx+x33>0\arctan x - x + \frac{x^3}{3} > 0
arctanx>xx33\arctan x > x - \frac{x^3}{3}

3. 最終的な答え

x>0x > 0 のとき、arctanx>xx33\arctan x > x - \frac{x^3}{3} が成り立つ。

「解析学」の関連問題

2変数関数 $z = f(x, y) = x^2 - 6xy + 2y^3$ について、極値があればその値と極大値または極小値を求め、極値がなければ「なし」と答える。

多変数関数偏微分極値ヘッセ行列
2025/5/24

半径2の円周上を運動する質点A, Bについて、それぞれの時刻 $t$ における位置が与えられています。 - 質点Aの位置: $\vec{r}^A(t) = 2(\cos(\frac{\pi t}{3}...

円運動ベクトル速度加速度微分軌跡
2025/5/24

$x > 0$ のとき、次の不等式を証明せよ。 $1 + xe^x > e^x > 1 + x$

不等式指数関数微分単調増加証明
2025/5/24

関数 $f(x, y) = \frac{1}{1-x-y}$ のマクローリン展開(つまり、(x, y) = (0, 0) でのテイラー展開)を、2次の項まで求める問題です。剰余項は求める必要はありませ...

多変数関数マクローリン展開テイラー展開偏微分
2025/5/24

次の3つの複素数の実部と虚部を求めます。 (1) $(1-i)^i$ (2) $\ln(1-i)$ (3) $\cosh(1+i)$

複素数複素指数関数対数関数双曲線関数極形式
2025/5/24

関数 $z = f(x, y) = y\sin(2x)$ の2次偏導関数 $z_{xx}, z_{xy}, z_{yx}, z_{yy}$ を求めよ。

偏微分2次偏導関数多変数関数
2025/5/24

画像には、不定積分と定積分の計算問題があります。具体的には、以下の問題が含まれます。 (1) $\int dx$ (2) $\int t^3 dt$ (3) $\int (2x^4 + x - 3) ...

不定積分定積分積分計算
2025/5/24

2変数関数 $z = f(x, y) = 2(x - y)$ の偏導関数 $f_x(x, y)$ と $f_y(x, y)$ を求める問題です。

偏微分多変数関数
2025/5/24

与えられた関数について、定義域内での最大値と最小値を求める問題です。 (1) $y=2x+3$ ($1 < x \le 3$) (2) $y=-3x+4$ ($0 < x < 2$)

関数の最大値関数の最小値一次関数定義域
2025/5/24

与えられた関数がすべての実数で連続になるような定数 $a$ の値を求めます。 (1) $f(x) = \begin{cases} \frac{x^2-4}{x-2} & (x \neq 2) \\ a...

連続性極限関数の定義微分積分
2025/5/24