効用関数 $U(C, L) = (C - 20000)(L - 108)$ 、労働時間と余暇時間の合計が168時間、時間あたり賃金が600円、非労働所得が32000円の条件下で、以下の問いに答える問題です。 1. Aさんにとって、賃金とは何か。

応用数学ミクロ経済学効用関数予算制約最適化限界代替率労働供給
2025/5/24

1. 問題の内容

効用関数 U(C,L)=(C20000)(L108)U(C, L) = (C - 20000)(L - 108) 、労働時間と余暇時間の合計が168時間、時間あたり賃金が600円、非労働所得が32000円の条件下で、以下の問いに答える問題です。

1. Aさんにとって、賃金とは何か。

2. 留保賃金を求める。

3. 最適解が内点解か否かを判定する。

4. 最適労働時間を求める。

5. 最適消費量を求める。

2. 解き方の手順

まず、予算制約式を立てます。
労働時間を HH とすると、余暇時間は L=168HL = 168 - H となります。
消費財の価格は1なので、消費量 CC は所得で決まります。所得は労働所得 600H600H と非労働所得 32000円の合計なので、予算制約式は以下のようになります。
C=600H+32000C = 600H + 32000
余暇時間で表すと、H=168LH = 168 - L なので、
C=600(168L)+32000C = 600(168 - L) + 32000
C=100800600L+32000C = 100800 - 600L + 32000
C=132800600LC = 132800 - 600L
次に、限界代替率 (MRS) を計算します。
MUC=UC=L108MU_C = \frac{\partial U}{\partial C} = L - 108
MUL=UL=C20000MU_L = \frac{\partial U}{\partial L} = C - 20000
MRSL,C=MULMUC=C20000L108MRS_{L,C} = \frac{MU_L}{MU_C} = \frac{C - 20000}{L - 108}
最適消費における条件は、MRSL,C=wMRS_{L,C} = w(賃金率、ここでは600円)です。
C20000L108=600\frac{C - 20000}{L - 108} = 600
C20000=600(L108)C - 20000 = 600(L - 108)
C20000=600L64800C - 20000 = 600L - 64800
C=600L44800C = 600L - 44800
これを予算制約式 C=132800600LC = 132800 - 600L と連立させて解きます。
600L44800=132800600L600L - 44800 = 132800 - 600L
1200L=1776001200L = 177600
L=1776001200=148L = \frac{177600}{1200} = 148
この余暇時間 L=148L=148 を用いて最適な消費量を計算します。
C=132800600(148)C = 132800 - 600(148)
C=13280088800=44000C = 132800 - 88800 = 44000
労働時間は H=168L=168148=20H = 168 - L = 168 - 148 = 20 となります。

1. 賃金とは、余暇の限界効用の機会費用です。Aさんが1時間余暇を増やすためには、消費を諦めなければならず、その諦める消費量が賃金で測られます。

2. 留保賃金は、労働時間0の時の賃金です。非労働所得が32000円なので、留保賃金は、計算する必要がなく、ゼロ円です。留保賃金は、労働時間0のときの、MRSと一致します。

3. 最適解は、$0 < L < 168$ かつ $C > 0$ を満たす必要があります。

L=148L = 1480<L<1680 < L < 168 を満たしています。
C=44000C = 44000C>0C > 0 を満たしています。また、C=44000>20000C = 44000 > 20000 を満たしています。
また、L=148>108L=148 > 108を満たしているので、内点解です。

4. 最適労働時間は $H = 20$ 時間です。

5. 最適消費量は $C = 44000$ です。

3. 最終的な答え

1. Aさんにとって、賃金とは 余暇の限界効用 です。

2. 留保賃金は、0 円です。

3. 最適解は、内点解 である。

4. 最適労働時間は, 20 時間である。

5. 最適消費量は, 44000 である。

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