$e$ を自然対数の底とするとき、$e \le p < q$ の条件の下で、不等式 $\log(\log q) - \log(\log p) < \frac{q-p}{e}$ が成り立つことを証明する。

解析学不等式平均値の定理対数関数微分解析
2025/5/25

1. 問題の内容

ee を自然対数の底とするとき、ep<qe \le p < q の条件の下で、不等式 log(logq)log(logp)<qpe\log(\log q) - \log(\log p) < \frac{q-p}{e} が成り立つことを証明する。

2. 解き方の手順

平均値の定理を利用する。
f(x)=log(logx)f(x) = \log(\log x) とする。
ep<qe \le p < q より、関数 f(x)f(x)[p,q][p, q] で連続であり、(p,q)(p, q) で微分可能である。
よって、平均値の定理より、
f(q)f(p)qp=f(c)\frac{f(q) - f(p)}{q - p} = f'(c) を満たす ccp<c<qp < c < q に存在する。
ここで、f(x)=1logx1xf'(x) = \frac{1}{\log x} \cdot \frac{1}{x} であるから、
f(c)=1clogcf'(c) = \frac{1}{c \log c} となる。
よって、
log(logq)log(logp)qp=1clogc\frac{\log(\log q) - \log(\log p)}{q - p} = \frac{1}{c \log c}
log(logq)log(logp)=qpclogc\log(\log q) - \log(\log p) = \frac{q - p}{c \log c}
ここで、ep<c<qe \le p < c < q であるから、cec \ge e であり、logcloge=1\log c \ge \log e = 1 である。
したがって、clogce1=ec \log c \ge e \cdot 1 = e となる。
よって、1clogc1e\frac{1}{c \log c} \le \frac{1}{e} となる。
これより、
log(logq)log(logp)=qpclogcqpe\log(\log q) - \log(\log p) = \frac{q-p}{c \log c} \le \frac{q-p}{e}
したがって、log(logq)log(logp)<qpe\log(\log q) - \log(\log p) < \frac{q-p}{e} が成り立つ。

3. 最終的な答え

ep<qe \le p < q のとき、不等式 log(logq)log(logp)<qpe\log(\log q) - \log(\log p) < \frac{q-p}{e} は成り立つ。

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