## 1. 問題の内容

応用数学力学円運動エネルギー保存則物理
2025/5/26
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1. 問題の内容

この問題は、鉛直面内での円運動に関する実験についての問題です。
高さ HH から質量 mm の小球を静かに離し、半径 rr の円運動をさせます。小球がレールから離れる場所の高さを hh とし、その時の速さを vv、垂直抗力の大きさを NN、重力加速度の大きさを gg とします。問題文中の空欄ア~エに適切な数式や数値を記述し、実験結果から得られた高さんの理論値を求め、実験の妥当性について考察し、追加実験を提案します。
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2. 解き方の手順

(1) ア~エを埋める。
* **ア:** 力学的エネルギー保存則より、小球を離した場所とレールから離れた場所の間で、
mgH=12mv2+mghmgH = \frac{1}{2}mv^2 + mgh
よって、アは mgH=12mv2+mghmgH = \frac{1}{2}mv^2 + mgh
* **イ:** レールから離れる直前において、小球には重力 mgmg と垂直抗力 NN が働いています。円運動の運動方程式は、
mv2r=mgNm\frac{v^2}{r} = mg - N
レールから離れる瞬間は、N=0N = 0 となるので、
mv2r=mgm\frac{v^2}{r} = mg
よって、 v2=grv^2 = gr
力学的エネルギー保存則より、
mgH=12mgr+mghmgH = \frac{1}{2}mgr + mgh
ggmmを消すと、
H=12r+hH = \frac{1}{2}r + h
h=H12rh = H - \frac{1}{2}r
レールから離れる瞬間は、N=0N = 0となるので、イは 00
* **ウ:** 小球がレールから離れる場所では、垂直抗力は0なので、ウは 00
* **エ:** 力学的エネルギー保存則と、レールから離れる瞬間の条件 v2=grv^2 = gr から hh を求めます。
mgH=12mv2+mghmgH = \frac{1}{2}mv^2 + mghv2=grv^2 = grを代入すると、
mgH=12mgr+mghmgH = \frac{1}{2}mgr + mgh
H=12r+hH = \frac{1}{2}r + h
h=H12rh = H - \frac{1}{2}r
よって、エは H12rH - \frac{1}{2}r
(2) 高さ hh の理論値を求める。
* 問題文より、H=24H = 24 cm、直径 2r=242r = 24 cm なので、r=12r = 12 cm。
h=H12rh = H - \frac{1}{2}rに代入すると、
h=2412×12=246=18h = 24 - \frac{1}{2} \times 12 = 24 - 6 = 18 cm
よって、理論値は 1818 cm
(3) 同じ実験を繰り返す理由。
* 実験による誤差を小さくするため。複数回の測定値を平均することで、偶然による誤差を軽減し、より信頼性の高い結果を得ることができます。
(4) 実験結果の考察。
* 実験結果の平均値は、(18.9+19.3+19.1+18.6)/4=18.97519.0(18.9 + 19.3 + 19.1 + 18.6) / 4 = 18.975 \approx 19.0 cm。理論値は 1818 cmなので、約1cmのずれがあります。
このずれの原因として考えられるのは、
* レールの摩擦
* 空気抵抗
* 測定誤差 (高さの読み取り誤差、小球を静かに離せていないなど)
などが考えられます。
実験結果は理論値と比べてやや大きい値を示しており、これらの誤差要因が複合的に影響していると考えられます。
(5) 追加実験の提案。
* 提案する追加実験は、異なる高さ HH で実験を行い、HHhh の関係をグラフにプロットすることです。
もし理論が正しければ、h=H12rh = H - \frac{1}{2}r の関係が成り立つはずなので、HH に対して hh をプロットしたグラフは傾き1の直線になるはずです。
もし、摩擦や空気抵抗の影響が大きい場合は、グラフが直線からずれることが予想されます。
このグラフのずれ具合を調べることで、摩擦や空気抵抗の影響を定量的に評価できます。
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3. 最終的な答え

(1) ア:mgH=12mv2+mghmgH = \frac{1}{2}mv^2 + mgh、イ:00、ウ:00、エ:H12rH - \frac{1}{2}r
(2) 1818 cm
(3) 実験による誤差を小さくするため。
(4) 実験結果の平均値は約19.019.0 cmで、理論値の1818 cmと約1cmのずれがある。ずれの原因として、レールの摩擦、空気抵抗、測定誤差などが考えられる。
(5) 異なる高さHで実験を行い、HHhh の関係をグラフにプロットする。理論が正しければ、HH に対して hh をプロットしたグラフは傾き1の直線になるはず。グラフのずれ具合を調べることで、摩擦や空気抵抗の影響を定量的に評価できる。

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