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1. 問題の内容
この問題は、鉛直面内での円運動に関する実験についての問題です。
高さ から質量 の小球を静かに離し、半径 の円運動をさせます。小球がレールから離れる場所の高さを とし、その時の速さを 、垂直抗力の大きさを 、重力加速度の大きさを とします。問題文中の空欄ア~エに適切な数式や数値を記述し、実験結果から得られた高さんの理論値を求め、実験の妥当性について考察し、追加実験を提案します。
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2. 解き方の手順
(1) ア~エを埋める。
* **ア:** 力学的エネルギー保存則より、小球を離した場所とレールから離れた場所の間で、
よって、アは
* **イ:** レールから離れる直前において、小球には重力 と垂直抗力 が働いています。円運動の運動方程式は、
レールから離れる瞬間は、 となるので、
よって、
力学的エネルギー保存則より、
、を消すと、
レールから離れる瞬間は、となるので、イは
* **ウ:** 小球がレールから離れる場所では、垂直抗力は0なので、ウは
* **エ:** 力学的エネルギー保存則と、レールから離れる瞬間の条件 から を求めます。
にを代入すると、
よって、エは
(2) 高さ の理論値を求める。
* 問題文より、 cm、直径 cm なので、 cm。
に代入すると、
cm
よって、理論値は cm
(3) 同じ実験を繰り返す理由。
* 実験による誤差を小さくするため。複数回の測定値を平均することで、偶然による誤差を軽減し、より信頼性の高い結果を得ることができます。
(4) 実験結果の考察。
* 実験結果の平均値は、 cm。理論値は cmなので、約1cmのずれがあります。
このずれの原因として考えられるのは、
* レールの摩擦
* 空気抵抗
* 測定誤差 (高さの読み取り誤差、小球を静かに離せていないなど)
などが考えられます。
実験結果は理論値と比べてやや大きい値を示しており、これらの誤差要因が複合的に影響していると考えられます。
(5) 追加実験の提案。
* 提案する追加実験は、異なる高さ で実験を行い、 と の関係をグラフにプロットすることです。
もし理論が正しければ、 の関係が成り立つはずなので、 に対して をプロットしたグラフは傾き1の直線になるはずです。
もし、摩擦や空気抵抗の影響が大きい場合は、グラフが直線からずれることが予想されます。
このグラフのずれ具合を調べることで、摩擦や空気抵抗の影響を定量的に評価できます。
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3. 最終的な答え
(1) ア:、イ:、ウ:、エ:
(2) cm
(3) 実験による誤差を小さくするため。
(4) 実験結果の平均値は約 cmで、理論値の cmと約1cmのずれがある。ずれの原因として、レールの摩擦、空気抵抗、測定誤差などが考えられる。
(5) 異なる高さHで実験を行い、 と の関係をグラフにプロットする。理論が正しければ、 に対して をプロットしたグラフは傾き1の直線になるはず。グラフのずれ具合を調べることで、摩擦や空気抵抗の影響を定量的に評価できる。