この問題を解くために、重ね合わせの理を利用します。重ね合わせの理とは、複数の電源を含む回路において、各電源が独立に回路に与える影響を個別に計算し、それらを足し合わせることで回路全体の挙動を求める手法です。
まず、5Vの電源だけを考慮し、10Vの電源を短絡させます。
このとき、4Ωの抵抗と3Ωの抵抗は並列になります。
R1=4+34×3=712Ω 次に、2Ωの抵抗と並列抵抗 R1 が直列になっているため、回路全体の抵抗 Rtotal1 は、 Rtotal1=2+712=714+12=726Ω 5Vの電源から流れる電流 Itotal1 は、 Itotal1=7265=2635A この電流が、2Ωの抵抗を通り、4Ωと3Ωの並列回路に分流します。
3Ωの抵抗に流れる電流 I3Ω1 は、分流の公式より、 I3Ω1=4+34×2635=74×2635=2620=1310A 次に、10Vの電源だけを考慮し、5Vの電源を短絡させます。
このとき、2Ωの抵抗と3Ωの抵抗は並列になります。
R2=2+32×3=56Ω 次に、4Ωの抵抗と並列抵抗 R2 が直列になっているため、回路全体の抵抗 Rtotal2 は、 Rtotal2=4+56=520+6=526Ω 10Vの電源から流れる電流 Itotal2 は、 Itotal2=52610=2650=1325A この電流が、4Ωの抵抗を通り、2Ωと3Ωの並列回路に分流します。
3Ωの抵抗に流れる電流 I3Ω2 は、分流の公式より、 I3Ω2=2+32×1325=52×1325=1310A 最後に、それぞれの電流を足し合わせます。5V側の電流の向きと10V側の電流の向きが同じなので、足し合わせます。
I=I3Ω1+I3Ω2=1310+1310=1320A