球Aの体積はVA=34π(1)3=34π。 半球面Bの体積はVB=21⋅34πr3=32πr3。 次に、球Aと半球面Bの重なった部分の体積を計算する。
半球面Bを球Aにかぶせたとき、球Aの中心から半球面Bの底面までの距離は1−rとなる。 球Aと半球面Bの重なった部分の体積は、球Aの球冠の体積である。
球冠の体積VCは、hを球冠の高さ、Rを球の半径として、VC=31πh2(3R−h)で与えられる。 この場合、R=1、h=rなので、VC=31πr2(3−r)=πr2−31πr3。 立体の体積Vは、球Aの体積と半球面Bの体積の和から、重なった部分の体積を引いたものである。 V=VA+VB−VC=34π+32πr3−(πr2−31πr3)=34π+πr3−πr2。 V=π(34+r3−r2) drdV=π(3r2−2r)=πr(3r−2) drdV=0となるのは、r=0またはr=32のときである。 0<r<1なので、r=0は不適。 r=32のとき、Vが最大となるかどうかを調べる。 dr2d2V=π(6r−2) r=32のとき、dr2d2V=π(6⋅32−2)=π(4−2)=2π>0である。 したがって、r=32のとき、Vは極小値をとる。 r=0のとき、V=34π r=1のとき、V=π(34+1−1)=34π 微分が0となるr=32を境に増減が変化するので、r=32でVが最大となるとは限らない。 drdV=πr(3r−2) 0<r<32のとき、drdV<0 32<r<1のとき、drdV>0 したがって、r=32でVは最小となる。 0<r<1において、Vが最大となるのは、r=1またはr=0に近づくときである。ただし、r<1なので、r=1は取りえない。 問題文を再確認すると、「球Aに半球面Bをかぶせ」とある。これは、半球面Bが球Aに完全に含まれる場合を除くという意味だと解釈できる。よって、rを大きくしていくと体積が増えるのは2/3<r<1の時なので、rは1に近づくほど良い。ただし、0<r<1なので、解はない。 問題文に間違いがないか確認する必要がある。
問題文が「立体の体積から球Aの体積を引いたものが最大となるrの値を求めなさい」であれば、
V′=V−VA=π(r3−r2) drdV′=π(3r2−2r)=πr(3r−2) dr2d2V′=π(6r−2) r=2/3のとき、dr2d2V′=π(6⋅32−2)=2π>0 r=2/3のときV′は最小となる。しかし、V′が最大となるrの値は存在しない。