すべての観測値に同じ値 $\alpha$ を加えても、分散は変化しないことを証明してください。

確率論・統計学分散統計確率平均
2025/5/27

1. 問題の内容

すべての観測値に同じ値 α\alpha を加えても、分散は変化しないことを証明してください。

2. 解き方の手順

まず、分散の定義を確認します。
nn 個の観測値 x1,x2,...,xnx_1, x_2, ..., x_n があるとき、平均 xˉ\bar{x}
xˉ=1ni=1nxi\bar{x} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} x_i
と定義され、分散 s2s^2
s2=1ni=1n(xixˉ)2s^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i - \bar{x})^2
と定義されます。
次に、すべての観測値に α\alpha を加えた場合を考えます。新しい観測値を yi=xi+αy_i = x_i + \alpha とします。新しい平均 yˉ\bar{y}
yˉ=1ni=1nyi=1ni=1n(xi+α)=1ni=1nxi+1ni=1nα=xˉ+α\bar{y} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} y_i = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i + \alpha) = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} x_i + \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} \alpha = \bar{x} + \alpha
となります。
新しい分散 t2t^2
t2=1ni=1n(yiyˉ)2=1ni=1n((xi+α)(xˉ+α))2=1ni=1n(xixˉ)2=s2t^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (y_i - \bar{y})^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} ((x_i + \alpha) - (\bar{x} + \alpha))^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i - \bar{x})^2 = s^2
したがって、すべての観測値に α\alpha を加えても分散は変化しません。

3. 最終的な答え

すべての観測値に同じ値 α\alpha を加えても、分散は変化しない。

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