2つのサイコロを同時に1回振り、出た目の和が3または11であれば当たり、そうでなければハズレとする。この試行を当たりが3回となるまで繰り返すとき、ちょうど$n$回目で終わる確率を$p(n)$とする。 (1) $p(3)$と$p(4)$を求めよ。 (2) $n \ge 3$に対して、$\frac{p(n+1)}{p(n)}$を$n$の式で表せ。 (3) $p(n)$が最大となる$n$の値を求めよ。

確率論・統計学確率二項分布確率分布期待値
2025/5/28

1. 問題の内容

2つのサイコロを同時に1回振り、出た目の和が3または11であれば当たり、そうでなければハズレとする。この試行を当たりが3回となるまで繰り返すとき、ちょうどnn回目で終わる確率をp(n)p(n)とする。
(1) p(3)p(3)p(4)p(4)を求めよ。
(2) n3n \ge 3に対して、p(n+1)p(n)\frac{p(n+1)}{p(n)}nnの式で表せ。
(3) p(n)p(n)が最大となるnnの値を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、1回の試行で当たりが出る確率を求める。
サイコロの目の和が3になるのは (1, 2), (2, 1) の2通り。
サイコロの目の和が11になるのは (5, 6), (6, 5) の2通り。
したがって、当たりが出る確率は 2+236=436=19\frac{2+2}{36} = \frac{4}{36} = \frac{1}{9} である。
ハズレが出る確率は 119=891 - \frac{1}{9} = \frac{8}{9} である。
(1)
p(3)p(3)は3回目に終わるので、3回とも当たりが出る確率である。
したがって、p(3)=(19)3=1729p(3) = (\frac{1}{9})^3 = \frac{1}{729}
p(4)p(4)は4回目に終わるので、3回目までに2回当たりが出て、4回目に当たりが出る確率である。
3回目までに2回当たりが出る確率は、二項分布より 3C2(19)2(89)1=318189=24729_{3}C_{2} (\frac{1}{9})^2 (\frac{8}{9})^1 = 3 \cdot \frac{1}{81} \cdot \frac{8}{9} = \frac{24}{729}
4回目に当たりが出る確率は 19\frac{1}{9}
したがって、p(4)=2472919=246561=82187p(4) = \frac{24}{729} \cdot \frac{1}{9} = \frac{24}{6561} = \frac{8}{2187}
(2)
p(n)p(n)nn回目に終わるので、n1n-1回目までに2回当たりが出て、nn回目に当たりが出る確率である。
n1n-1回目までに2回当たりが出る確率は、二項分布より n1C2(19)2(89)n3_{n-1}C_{2} (\frac{1}{9})^2 (\frac{8}{9})^{n-3}
nn回目に当たりが出る確率は 19\frac{1}{9}
したがって、p(n)=n1C2(19)2(89)n319=(n1)(n2)2(19)3(89)n3p(n) = _{n-1}C_{2} (\frac{1}{9})^2 (\frac{8}{9})^{n-3} \cdot \frac{1}{9} = \frac{(n-1)(n-2)}{2} (\frac{1}{9})^3 (\frac{8}{9})^{n-3}
p(n+1)p(n+1)n+1n+1回目に終わるので、nn回目までに2回当たりが出て、n+1n+1回目に当たりが出る確率である。
nn回目までに2回当たりが出る確率は、二項分布より nC2(19)2(89)n2_{n}C_{2} (\frac{1}{9})^2 (\frac{8}{9})^{n-2}
n+1n+1回目に当たりが出る確率は 19\frac{1}{9}
したがって、p(n+1)=nC2(19)2(89)n219=n(n1)2(19)3(89)n2p(n+1) = _{n}C_{2} (\frac{1}{9})^2 (\frac{8}{9})^{n-2} \cdot \frac{1}{9} = \frac{n(n-1)}{2} (\frac{1}{9})^3 (\frac{8}{9})^{n-2}
p(n+1)p(n)=n(n1)2(19)3(89)n2(n1)(n2)2(19)3(89)n3=n(n1)(n1)(n2)(89)n2(89)n3=nn289\frac{p(n+1)}{p(n)} = \frac{\frac{n(n-1)}{2} (\frac{1}{9})^3 (\frac{8}{9})^{n-2}}{\frac{(n-1)(n-2)}{2} (\frac{1}{9})^3 (\frac{8}{9})^{n-3}} = \frac{n(n-1)}{(n-1)(n-2)} \cdot \frac{(\frac{8}{9})^{n-2}}{(\frac{8}{9})^{n-3}} = \frac{n}{n-2} \cdot \frac{8}{9}
(3)
p(n+1)p(n)>1\frac{p(n+1)}{p(n)} > 1 のとき、p(n+1)>p(n)p(n+1) > p(n)
nn289>1\frac{n}{n-2} \cdot \frac{8}{9} > 1
8n9(n2)>1\frac{8n}{9(n-2)} > 1
8n>9(n2)8n > 9(n-2)
8n>9n188n > 9n - 18
n<18n < 18
p(n+1)p(n)=1\frac{p(n+1)}{p(n)} = 1 のとき、p(n+1)=p(n)p(n+1) = p(n)
nn289=1\frac{n}{n-2} \cdot \frac{8}{9} = 1
8n=9(n2)8n = 9(n-2)
8n=9n188n = 9n - 18
n=18n = 18
p(n+1)p(n)<1\frac{p(n+1)}{p(n)} < 1 のとき、p(n+1)<p(n)p(n+1) < p(n)
nn289<1\frac{n}{n-2} \cdot \frac{8}{9} < 1
8n9(n2)<1\frac{8n}{9(n-2)} < 1
8n<9(n2)8n < 9(n-2)
8n<9n188n < 9n - 18
n>18n > 18
n<18n < 18のとき、p(n+1)>p(n)p(n+1) > p(n)
n=18n = 18のとき、p(n+1)=p(n)p(n+1) = p(n)
n>18n > 18のとき、p(n+1)<p(n)p(n+1) < p(n)
したがって、p(n)p(n)が最大となるのはn=18n=18n=19n=19のときである。
しかし、問題は「p(n)が最大となるnの値を求めよ」なので、n=18n=18またはn=19n=19のどちらかを答える必要がある。
p(18)=p(19)p(18) = p(19)なので、どちらを答えても正解。

3. 最終的な答え

(1) p(3)=1729p(3) = \frac{1}{729}, p(4)=82187p(4) = \frac{8}{2187}
(2) p(n+1)p(n)=8n9(n2)\frac{p(n+1)}{p(n)} = \frac{8n}{9(n-2)}
(3) n=18n = 18 または n=19n = 19

「確率論・統計学」の関連問題

大小2個のサイコロを投げるとき、出た目の和が2または8になる場合の数を求める問題です。

確率サイコロ場合の数
2025/5/28

AからDまでの4種類のカードがそれぞれ1枚ずつあるとき、この中から2枚を選ぶ組み合わせの総数を求める問題です。

組み合わせ確率場合の数順列
2025/5/28

与えられた標本データ ${70, 35, 63, 48, 80}$ について、以下の値を計算します。 (1) $\sum_{i=1}^{5} x_i$ (2) (a) $\sum_{i=1}^...

統計標本合計分散
2025/5/28

9人の生徒の中から5人を選ぶ組み合わせの総数を求める問題です。

組み合わせ組み合わせの公式場合の数
2025/5/28

原点にある点Pが、サイコロを投げるごとに以下の規則で移動する。 - 1または2の目が出たとき、x軸方向に+1移動 - 3または4の目が出たとき、y軸方向に+1移動 - 5の目が出たとき、x軸方向に+1...

確率サイコロ確率分布組み合わせ
2025/5/28

ある企業が販売する4つの商品(P, Q, R, S)の売り上げ構成比が月ごとに示されている表がある。この表から、9月のQの売り上げの比率を読み取る問題である。

比率データ分析割合
2025/5/28

袋の中に赤玉4個、青玉3個、白玉2個が入っている。この袋から4つの玉を同時に取り出すとき、以下の確率を求める。 (1) 取り出した4つの玉の中に白玉が入っていない確率 (2) 取り出した4つの玉の中に...

確率組み合わせ余事象
2025/5/28

男子5人(A, B, C, D, E)と女子3人(F, G, H)の計8人が円形のテーブルに着席する。 (1) 女子の両隣には必ず男子が座るような座り方は何通りあるか。 (2) FとGの間に男子1人が...

順列円順列組み合わせ
2025/5/28

野球チームA, Bの過去15年間の対戦結果から、AとBの間に力の差があるかを、有意水準5%で検定する問題です。 (1)では、2009年から2018年までの100試合の結果を用いて、二項分布に従う確率変...

仮説検定二項分布期待値標準偏差統計
2025/5/28

AとBの間に力の差があるかを、有意水準5%で検定する問題です。標準正規分布 $N(0, 1)$ に従う確率変数Zに対して、$P(-1.96 \le Z \le 1.96) = 0.95$ であることが...

仮説検定有意水準標準正規分布統計的推論
2025/5/28