与えられた集合に対して、集合演算、上限、下限を求めたり、与えられた不等式を満たす集合の上限、下限を求めたりする問題です。具体的には、 * 問1.3.1: 二つの区間 $A = (-\infty, 1]$ と $B = (0, +\infty)$ について、集合$A \setminus B$, $B \setminus A$, $A \cap B$ を求め、Aの上界の集合$U(A)$ と上限$\sup A$ を求め、Bの下界の集合$L(B)$ と下限$\inf B$を求めます。 * 問1.3.2: * (1) $A = \{x \in \mathbb{R} \mid 3x+2<5\}$ * (2) $B = \{x \in \mathbb{R} \mid x^2 \leq 9\}$ * (3) $C = \{x \in \mathbb{R} \mid x^3 > 27\}$ について、それぞれ上限と下限を求めます。 * 演習問題1: $\alpha < \beta$ を満たす実数$\alpha$と$\beta$に対して、 * (1) $A = (\alpha, \beta)$ * (2) $B = \{-x^2+2x+3 \mid x \in \mathbb{R} \}$ * (3) $C = \{x^3 - 1 \mid x \in \mathbb{R} \}$ について、それぞれ上限と下限を求めます。

解析学集合集合演算上限下限区間不等式
2025/5/27

1. 問題の内容

与えられた集合に対して、集合演算、上限、下限を求めたり、与えられた不等式を満たす集合の上限、下限を求めたりする問題です。具体的には、
* 問1.3.1: 二つの区間 A=(,1]A = (-\infty, 1]B=(0,+)B = (0, +\infty) について、集合ABA \setminus B, BAB \setminus A, ABA \cap B を求め、Aの上界の集合U(A)U(A) と上限supA\sup A を求め、Bの下界の集合L(B)L(B) と下限infB\inf Bを求めます。
* 問1.3.2:
* (1) A={xR3x+2<5}A = \{x \in \mathbb{R} \mid 3x+2<5\}
* (2) B={xRx29}B = \{x \in \mathbb{R} \mid x^2 \leq 9\}
* (3) C={xRx3>27}C = \{x \in \mathbb{R} \mid x^3 > 27\}
について、それぞれ上限と下限を求めます。
* 演習問題1: α<β\alpha < \beta を満たす実数α\alphaβ\betaに対して、
* (1) A=(α,β)A = (\alpha, \beta)
* (2) B={x2+2x+3xR}B = \{-x^2+2x+3 \mid x \in \mathbb{R} \}
* (3) C={x31xR}C = \{x^3 - 1 \mid x \in \mathbb{R} \}
について、それぞれ上限と下限を求めます。

2. 解き方の手順

**問1.3.1**
(1)
* ABA \setminus B は A に含まれるが B に含まれない要素の集合です。A=(,1]A = (-\infty, 1] であり、B=(0,+)B = (0, +\infty) なので、AB=(,0]A \setminus B = (-\infty, 0].
* BAB \setminus A は B に含まれるが A に含まれない要素の集合です。A=(,1]A = (-\infty, 1] であり、B=(0,+)B = (0, +\infty) なので、BA=(1,+)B \setminus A = (1, +\infty).
* ABA \cap B は A と B の両方に含まれる要素の集合です。A=(,1]A = (-\infty, 1] であり、B=(0,+)B = (0, +\infty) なので、AB=(0,1]A \cap B = (0, 1].
(2)
* A の上界の集合 U(A)U(A) は、A のどの要素よりも大きいかまたは等しい実数全体の集合です。A=(,1]A = (-\infty, 1] なので、U(A)=[1,+)U(A) = [1, +\infty).
* A の上限 supA\sup A は、A の上界の最小値です。A=(,1]A = (-\infty, 1] なので、supA=1\sup A = 1.
(3)
* B の下界の集合 L(B)L(B) は、B のどの要素よりも小さいかまたは等しい実数全体の集合です。B=(0,+)B = (0, +\infty) なので、L(B)=(,0]L(B) = (-\infty, 0].
* B の下限 infB\inf B は、B の下界の最大値です。B=(0,+)B = (0, +\infty) なので、infB=0\inf B = 0.
**問1.3.2**
(1)
* 3x+2<53x+2 < 5 を解くと、3x<33x < 3 となり、x<1x < 1 となります。したがって、A={xRx<1}=(,1)A = \{x \in \mathbb{R} \mid x < 1\} = (-\infty, 1).
* 上限: supA=1\sup A = 1.
* 下限: infA=\inf A = -\infty.
(2)
* x29x^2 \leq 9 を解くと、3x3-3 \leq x \leq 3 となります。したがって、B={xR3x3}=[3,3]B = \{x \in \mathbb{R} \mid -3 \leq x \leq 3\} = [-3, 3].
* 上限: supB=3\sup B = 3.
* 下限: infB=3\inf B = -3.
(3)
* x3>27x^3 > 27 を解くと、x>3x > 3 となります。したがって、C={xRx>3}=(3,+)C = \{x \in \mathbb{R} \mid x > 3\} = (3, +\infty).
* 上限: supC=+\sup C = +\infty.
* 下限: infC=3\inf C = 3.
**演習問題 1**
(1)
* A=(α,β)A = (\alpha, \beta) は開区間です。
* 上限: supA=β\sup A = \beta.
* 下限: infA=α\inf A = \alpha.
(2)
* f(x)=x2+2x+3=(x22x)+3=(x22x+1)+1+3=(x1)2+4f(x) = -x^2 + 2x + 3 = -(x^2 - 2x) + 3 = -(x^2 - 2x + 1) + 1 + 3 = -(x-1)^2 + 4.
* B={(x1)2+4xR}B = \{-(x-1)^2 + 4 \mid x \in \mathbb{R} \} となります。これは、上に凸な放物線であり、最大値は x=1x=1 のときに 44 をとります。下にはどこまでも伸びていきます。
* 上限: supB=4\sup B = 4.
* 下限: infB=\inf B = -\infty.
(3)
* C={x31xR}C = \{x^3 - 1 \mid x \in \mathbb{R} \}.
* xx が大きくなるにつれて x31x^3 - 1 も大きくなり、xx が小さくなるにつれて x31x^3 - 1 も小さくなります。
* 上限: supC=+\sup C = +\infty.
* 下限: infC=\inf C = -\infty.

3. 最終的な答え

**問1.3.1**
(1)
AB=(,0]A \setminus B = (-\infty, 0]
BA=(1,+)B \setminus A = (1, +\infty)
AB=(0,1]A \cap B = (0, 1]
(2)
U(A)=[1,+)U(A) = [1, +\infty)
supA=1\sup A = 1
(3)
L(B)=(,0]L(B) = (-\infty, 0]
infB=0\inf B = 0
**問1.3.2**
(1)
supA=1\sup A = 1
infA=\inf A = -\infty
(2)
supB=3\sup B = 3
infB=3\inf B = -3
(3)
supC=+\sup C = +\infty
infC=3\inf C = 3
**演習問題 1**
(1)
supA=β\sup A = \beta
infA=α\inf A = \alpha
(2)
supB=4\sup B = 4
infB=\inf B = -\infty
(3)
supC=+\sup C = +\infty
infC=\inf C = -\infty

「解析学」の関連問題

関数 $f: \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ と関数 $g: \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ の合成関数 $g \circ f: \mathbb{R} \t...

関数の連続性合成関数反例写像
2025/5/29

次の3つの三角関数のグラフを描き、周期を求める問題です。 (1) $y = \cos(\theta - \frac{\pi}{3})$ (2) $y = \sin(\theta + \frac{\pi...

三角関数グラフ周期平行移動
2025/5/29

画像には以下の数学の問題が含まれています。 * (2) $(x^2 \cdot \log x)' =$ * 問2 (1) 関数 $f(x) = e^x \log x$ を微分せよ。 * (...

微分積の微分商の微分接線
2025/5/29

関数 $y = e^{-x} \sin x$ の極大・極小、凹凸、変曲点を調べ、曲線 $y=f(x)$ の概形を描け。

関数のグラフ微分極値凹凸変曲点指数関数三角関数
2025/5/29

図1に示された第一象限にある半径1の円の4分の1の円弧の長さを、式(4)を用いて求める問題です。式(4)は $L = \int_{a}^{b} \sqrt{x'(t)^2 + y'(t)^2} dt$...

積分円弧の長さ微分弧長積分
2025/5/29

与えられた極限を求める問題です。 $$ \lim_{x \to 0} \frac{(1+x)^{\frac{1}{x}} - e}{x} $$

極限テイラー展開指数関数微分
2025/5/29

次の極限を求めます。 $\lim_{x\to 0} \frac{(1+x)^x - e}{x}$

極限テイラー展開指数関数対数関数L'Hopitalの定理
2025/5/29

関数 $f(x) = x^3 \log x$ の $n$ 次導関数を求める問題です。ただし、$n \geq 4$とします。

微分導関数対数関数n次導関数
2025/5/29

与えられた極限値をマクローリン展開を用いて求める問題です。具体的には、 $\lim_{x\to 0} \left( \frac{1}{x^2} - \frac{1}{\sin^2 x} \right)...

極限マクローリン展開テイラー展開三角関数
2025/5/29

問題は、以下の2つの関数について、マクローリン展開を求めることです。 (1) $\sinh x = \frac{e^x - e^{-x}}{2}$ (2) $\cosh x = \frac{e^x +...

マクローリン展開テイラー展開sinh xcosh x指数関数無限級数
2025/5/29