問題2は、実数から実数への関数 $f: \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ で、指定された条件を満たすものをそれぞれ1つずつ挙げる問題です。条件は以下の通りです。 (a) $x = 0$ で連続でない。 (b) $x = 0$ で連続であるが、微分可能ではない。 (c) $x = 0$ で微分可能である。 問題3は、与えられた関数 $f(x)$ について、$f'(x)$ と $f'(0)$ を求める問題です。関数は以下の通りです。 (a) $f(x) = \tan^{-1}(\sinh x)$ (b) $f(x) = (x^2 + 1)^x$

解析学微分連続性関数の極限合成関数微分可能
2025/5/28
はい、承知しました。画像の問題を解いていきます。

1. 問題の内容

問題2は、実数から実数への関数 f:RRf: \mathbb{R} \to \mathbb{R} で、指定された条件を満たすものをそれぞれ1つずつ挙げる問題です。条件は以下の通りです。
(a) x=0x = 0 で連続でない。
(b) x=0x = 0 で連続であるが、微分可能ではない。
(c) x=0x = 0 で微分可能である。
問題3は、与えられた関数 f(x)f(x) について、f(x)f'(x)f(0)f'(0) を求める問題です。関数は以下の通りです。
(a) f(x)=tan1(sinhx)f(x) = \tan^{-1}(\sinh x)
(b) f(x)=(x2+1)xf(x) = (x^2 + 1)^x

2. 解き方の手順

問題2:
(a) x=0x=0 で連続でない関数:
関数を以下のように定義します。
f(x)={1(x0)0(x=0)f(x) = \begin{cases} 1 & (x \neq 0) \\ 0 & (x = 0) \end{cases}
この関数は、x=0x=0limx0f(x)=1f(0)=0\lim_{x \to 0} f(x) = 1 \neq f(0) = 0 なので、連続ではありません。
(b) x=0x=0 で連続だが微分可能でない関数:
f(x)=xf(x) = |x|
この関数は、x=0x=0 で連続ですが、x=0x=0 における微分係数は存在しません。なぜなら、右からの極限と左からの極限が一致しないからです。
limh+0f(0+h)f(0)h=limh+0h0h=1\lim_{h \to +0} \frac{f(0+h)-f(0)}{h} = \lim_{h \to +0} \frac{|h|-0}{h} = 1
limh0f(0+h)f(0)h=limh0h0h=1\lim_{h \to -0} \frac{f(0+h)-f(0)}{h} = \lim_{h \to -0} \frac{|h|-0}{h} = -1
(c) x=0x=0 で微分可能な関数:
f(x)=x2f(x) = x^2
この関数は、x=0x=0 で微分可能であり、f(x)=2xf'(x) = 2x なので、f(0)=0f'(0) = 0 です。
問題3:
(a) f(x)=tan1(sinhx)f(x) = \tan^{-1}(\sinh x)
f(x)=11+(sinhx)2coshx=coshx1+sinh2x=coshxcosh2x=1coshxf'(x) = \frac{1}{1+(\sinh x)^2} \cdot \cosh x = \frac{\cosh x}{1+\sinh^2 x} = \frac{\cosh x}{\cosh^2 x} = \frac{1}{\cosh x}
f(0)=1cosh0=11=1f'(0) = \frac{1}{\cosh 0} = \frac{1}{1} = 1
(b) f(x)=(x2+1)xf(x) = (x^2 + 1)^x
両辺の自然対数をとると、
lnf(x)=xln(x2+1)\ln f(x) = x \ln(x^2 + 1)
両辺を xx で微分すると、
f(x)f(x)=ln(x2+1)+x2xx2+1=ln(x2+1)+2x2x2+1\frac{f'(x)}{f(x)} = \ln(x^2 + 1) + x \cdot \frac{2x}{x^2 + 1} = \ln(x^2 + 1) + \frac{2x^2}{x^2 + 1}
したがって、
f(x)=(x2+1)x(ln(x2+1)+2x2x2+1)f'(x) = (x^2 + 1)^x \left( \ln(x^2 + 1) + \frac{2x^2}{x^2 + 1} \right)
f(0)=(02+1)0(ln(02+1)+20202+1)=1(ln1+0)=1(0+0)=0f'(0) = (0^2 + 1)^0 \left( \ln(0^2 + 1) + \frac{2 \cdot 0^2}{0^2 + 1} \right) = 1 \cdot (\ln 1 + 0) = 1 \cdot (0 + 0) = 0

3. 最終的な答え

問題2:
(a) f(x)={1(x0)0(x=0)f(x) = \begin{cases} 1 & (x \neq 0) \\ 0 & (x = 0) \end{cases}
(b) f(x)=xf(x) = |x|
(c) f(x)=x2f(x) = x^2
問題3:
(a) f(x)=1coshxf'(x) = \frac{1}{\cosh x}, f(0)=1f'(0) = 1
(b) f(x)=(x2+1)x(ln(x2+1)+2x2x2+1)f'(x) = (x^2 + 1)^x \left( \ln(x^2 + 1) + \frac{2x^2}{x^2 + 1} \right), f(0)=0f'(0) = 0

「解析学」の関連問題

与えられた8個の積分を計算する問題です。積分の形は $x^n$ または $(x+b)^n$ の形に変形できるものばかりなので、公式 $\int x^n dx = \frac{x^{n+1}}{n+1}...

積分不定積分べき関数
2025/5/29

与えられた関数 $y = \frac{\log x + 1}{x+3}$ の導関数 $y'$ を求める問題です。

導関数微分対数関数商の微分
2025/5/29

与えられた複素関数 $f(z) = u(x, y) + i v(x, y)$ の微分可能性を判定し、いくつかの関連する問題を解く。具体的には、Cauchy-Riemannの関係式、正則関数とその導関数...

複素関数微分可能性Cauchy-Riemannの関係式正則関数導関数合成関数ラプラス方程式等高線
2025/5/29

関数 $f(x) = \sin^{-1}x$ の1次、2次、3次、4次導関数を求め、マクローリンの定理を $n=3$ で適用せよ。

導関数マクローリン展開テイラー展開逆三角関数
2025/5/29

関数 $y = \ln(\sin(3x))$ を微分し、$dy/dx$ を求める。

微分合成関数対数関数三角関数導関数
2025/5/29

問題は以下の2つの部分から構成されています。 (1) $y = \sinh x$ が $(-\infty, \infty)$ で逆関数を持つことを示す。 (2) $x = \sinh^{-1} y$ ...

双曲線関数逆関数導関数微分
2025/5/29

関数 $f: \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ と関数 $g: \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ の合成関数 $g \circ f: \mathbb{R} \t...

関数の連続性合成関数反例写像
2025/5/29

次の3つの三角関数のグラフを描き、周期を求める問題です。 (1) $y = \cos(\theta - \frac{\pi}{3})$ (2) $y = \sin(\theta + \frac{\pi...

三角関数グラフ周期平行移動
2025/5/29

画像には以下の数学の問題が含まれています。 * (2) $(x^2 \cdot \log x)' =$ * 問2 (1) 関数 $f(x) = e^x \log x$ を微分せよ。 * (...

微分積の微分商の微分接線
2025/5/29

関数 $y = e^{-x} \sin x$ の極大・極小、凹凸、変曲点を調べ、曲線 $y=f(x)$ の概形を描け。

関数のグラフ微分極値凹凸変曲点指数関数三角関数
2025/5/29