1.5kW、2極の一般用E種モーターの軸径が24mmである。 伝達トルクおよび軸に生じるせん断応力を求めよ。 また、軸の許容せん断応力を20MPaとするとき、さらにどのくらいの曲げモーメントを許容できるか求めよ。 ただし、周波数は50Hz、全負荷すべりは7%とする。

応用数学機械工学トルクせん断応力曲げモーメントモーター
2025/5/28

1. 問題の内容

1.5kW、2極の一般用E種モーターの軸径が24mmである。
伝達トルクおよび軸に生じるせん断応力を求めよ。
また、軸の許容せん断応力を20MPaとするとき、さらにどのくらいの曲げモーメントを許容できるか求めよ。
ただし、周波数は50Hz、全負荷すべりは7%とする。

2. 解き方の手順

まず、モーターの回転数を計算します。周波数 ff と極数 pp から同期速度 NsN_s を計算し、すべり ss を考慮して実際の回転数 NN を求めます。
Ns=120fpN_s = \frac{120f}{p}
f=50f = 50 Hz, p=2p = 2 より、
Ns=120×502=3000N_s = \frac{120 \times 50}{2} = 3000 rpm
次に、すべりを考慮して実際の回転数 NN を求めます。すべり s=7%=0.07s = 7\% = 0.07 なので、
N=Ns(1s)=3000(10.07)=3000×0.93=2790N = N_s (1 - s) = 3000 (1 - 0.07) = 3000 \times 0.93 = 2790 rpm
回転数をrad/sに変換します。
ω=2πN60=2π×279060292.0\omega = \frac{2\pi N}{60} = \frac{2\pi \times 2790}{60} \approx 292.0 rad/s
次に、伝達トルク TT を計算します。出力 P=1.5P = 1.5 kW = 1500 Wを用いて、
T=Pω=1500292.05.14T = \frac{P}{\omega} = \frac{1500}{292.0} \approx 5.14 N・m
次に、軸に生じるせん断応力 τ\tau を計算します。軸の半径 r=24/2=12r = 24/2 = 12 mm = 0.0120.012 mを用いて、
τ=16Tπd3\tau = \frac{16T}{\pi d^3}
d=24d=24 mm = 0.0240.024 mなので、
τ=16×5.14π×(0.024)31.89×106\tau = \frac{16 \times 5.14}{\pi \times (0.024)^3} \approx 1.89 \times 10^6 Pa =1.89= 1.89 MPa
軸の許容せん断応力 τallowable=20\tau_{allowable} = 20 MPa より、許容トルク TallowableT_{allowable} を計算します。
Tallowable=πd3τallowable16=π×(0.024)3×20×10616135.7T_{allowable} = \frac{\pi d^3 \tau_{allowable}}{16} = \frac{\pi \times (0.024)^3 \times 20 \times 10^6}{16} \approx 135.7 N・m
許容曲げモーメント MM を求めます。トルクと曲げモーメントによる相当トルクを考えます。
Teq=T2+M2=TallowableT_{eq} = \sqrt{T^2 + M^2} = T_{allowable}
M=Tallowable2T2=(135.7)2(5.14)2135.6M = \sqrt{T_{allowable}^2 - T^2} = \sqrt{(135.7)^2 - (5.14)^2} \approx 135.6 N・m
許容曲げモーメントは、現在のトルクを加味したものであるため、増加分を求めるためには、
TallowableT_{allowable}TT として考えると、T5.14T \approx 5.14 なので、
M=Tallowable2T2=Tallowable2(5.14)2(135.7)2(5.14)2135.6M = \sqrt{T_{allowable}^2 - T^2}=\sqrt{T_{allowable}^2 - (5.14)^2} \approx \sqrt{(135.7)^2 - (5.14)^2} \approx 135.6 Nmとなる。
したがって、許容曲げモーメントはほぼ 135.6135.6 Nm となる。
与えられたせん断応力 2020 MPa を超えないためには、現在のトルクと曲げモーメントの二乗和の平方根が TallowableT_{allowable} を超えないようにする必要がある。
現在のトルクを T=5.14T = 5.14 Nm とすると、追加で許容される曲げモーメント MM は、
M=(Tallowable)2T2(135.7)2(5.14)2135.6 NmM = \sqrt{(T_{allowable})^2 - T^2} \approx \sqrt{(135.7)^2 - (5.14)^2} \approx 135.6 \text{ Nm}
ただし、この結果は、問題文の意図と異なる可能性がある。問題文では、曲げモーメントがどれだけ許容できるかを聞いている。現在のトルクで生じている応力分を考慮して、曲げモーメントによって生じる応力を制限する必要がある。
軸のねじり応力と曲げ応力が同時に作用する場合の計算は、通常、相当曲げモーメントまたは相当ねじりモーメントを用いて行われる。
まず、現在のトルクによって発生するねじり応力 τ=1.89\tau = 1.89 MPa である。許容せん断応力は20MPaなので、追加で許容できるせん断応力は 201.89=18.1120-1.89 = 18.11 MPa となる。
曲げ応力 σ\sigma とせん断応力 τ\tau から相当応力を計算する。曲げモーメントによって発生する曲げ応力 σ\sigma は、
σ=32Mπd3\sigma = \frac{32M}{\pi d^3}
ここで、MM は曲げモーメント。許容応力は 2020 MPa と仮定する。
20 MPa=σ2+3τ220 \text{ MPa} = \sqrt{\sigma^2 + 3\tau^2} で、
σ=2023×(1.89)2=40010.7163=389.283719.73 MPa\sigma = \sqrt{20^2 - 3\times(1.89)^2} = \sqrt{400-10.7163} = \sqrt{389.2837} \approx 19.73 \text{ MPa}
M=πd3σ32=π×(0.024)3×19.73×1063284.9M = \frac{\pi d^3 \sigma}{32} = \frac{\pi \times (0.024)^3 \times 19.73 \times 10^6}{32} \approx 84.9 Nm

3. 最終的な答え

伝達トルク:5.14 N・m
軸に生じるせん断応力:1.89 MPa
許容曲げモーメント:84.9 N・m

「応用数学」の関連問題

ある鉄鋼会社の人事部が社員の家賃補助を検討しており、年代別の総人数、既婚者数、既婚者家賃補助額、家賃補助総計が表にまとめられています。50歳代の既婚者家賃補助額を推測する必要があります。

統計推測データ分析家賃補助
2025/5/29

ある会社が物流業界の企業別売上高を調べています。A社からF社までの航空輸送シェア、船舶輸送シェア、鉄道輸送シェア、自動車輸送シェアと、A社からE社までの売上高が与えられています。F社の売上高を推測しま...

統計比率近似計算データ分析
2025/5/29

ある企業のオークションにおける商品Cの入札額の推移が表に示されており、5人目の入札額を予測する問題です。表には、1人目から4人目までの入札額が記載されています。 1人目:39,000円 2人目:41,...

データ分析予測数列
2025/5/29

ある弁当店での商品別販売数に関する表があり、弁当Bの5週目の販売数を推測する必要があります。弁当Bの1週目から4週目までの販売数は、それぞれ599食、953食、717食、1076食です。

データ分析販売予測時系列分析
2025/5/29

P地区のマンション候補地6箇所(AからF)について、敷地面積(坪)、駅からの所要時間(徒歩分)、価格(万円)が与えられています。この情報から、どの候補地が一番割安と推測できるかを判断する必要があります...

不動産価格比較比率
2025/5/29

ある建築設計事務所で工事別の設計料を算出しています。A工事からD工事までの工事見積金額と、チーフデザイナー、サブチーフ、デザイナーの担当割合、設計料が与えられています。E工事の見積金額、担当割合が与え...

線形モデル比例計算設計料見積もり
2025/5/29

スポーツジムのチケット価格表があり、5枚綴りから60枚綴りまでの価格と、それぞれの有効期間、入会費が記載されています。120枚綴りの価格が空欄になっているため、表から推測される価格を求める問題です。選...

価格推測比例データ分析
2025/5/29

あるメーカーの子会社で、工場ごとの部品の製造個数を集計した表が与えられています。従業員歴(1年未満、1年以上5年未満、5年以上)別の人数と、各工場の製造個数が示されています。F工場の製造個数を推測する...

線形モデル連立方程式データ分析回帰分析
2025/5/29

ある衣料メーカーの4つの工場(A, B, C, D工場)における、ミシンの台数、プレス機の台数、従業員数、一日の出来上がり枚数が与えられています。D工場の出来上がり枚数を推測する必要があります。

データ分析推定比例
2025/5/29

あるメーカーが新製品の知名度を調べている。1ヶ月目から4ヶ月目までの雑誌掲載数と知名度(%)が与えられており、5ヶ月目の知名度を推測する必要がある。

データ分析統計的推測相関関係推論
2025/5/29