$\lim_{x \to 0} \frac{\cos x - 1}{x}$ を求めよ。

解析学極限三角関数ロピタルの定理
2025/5/28

1. 問題の内容

limx0cosx1x\lim_{x \to 0} \frac{\cos x - 1}{x} を求めよ。

2. 解き方の手順

この極限を求めるには、いくつかの方法があります。ここでは、ロピタルの定理を使う方法と、三角関数の倍角の公式を使う方法を示します。
**ロピタルの定理を使う方法:**
limx0cosx1x\lim_{x \to 0} \frac{\cos x - 1}{x}00\frac{0}{0} の不定形であるため、ロピタルの定理を適用できます。ロピタルの定理は、limxaf(x)g(x)\lim_{x \to a} \frac{f(x)}{g(x)}00\frac{0}{0} または \frac{\infty}{\infty} の不定形である場合に、limxaf(x)g(x)\lim_{x \to a} \frac{f'(x)}{g'(x)} を計算することで極限を求めることができるという定理です。
f(x)=cosx1f(x) = \cos x - 1g(x)=xg(x) = x とすると、f(x)=sinxf'(x) = -\sin xg(x)=1g'(x) = 1 となります。したがって、
limx0cosx1x=limx0sinx1=sin(0)=0\lim_{x \to 0} \frac{\cos x - 1}{x} = \lim_{x \to 0} \frac{-\sin x}{1} = -\sin(0) = 0
**三角関数の倍角の公式を使う方法:**
cosx=12sin2(x2)\cos x = 1 - 2\sin^2(\frac{x}{2}) という倍角の公式を利用します。この公式を元の式に代入すると、
limx0cosx1x=limx012sin2(x2)1x=limx02sin2(x2)x\lim_{x \to 0} \frac{\cos x - 1}{x} = \lim_{x \to 0} \frac{1 - 2\sin^2(\frac{x}{2}) - 1}{x} = \lim_{x \to 0} \frac{-2\sin^2(\frac{x}{2})}{x}
ここで、y=x2y = \frac{x}{2} とおくと、x=2yx = 2y となり、x0x \to 0 のとき y0y \to 0 です。よって、
limx02sin2(x2)x=limy02sin2(y)2y=limy0sin2(y)y=limy0sin(y)ysin(y)\lim_{x \to 0} \frac{-2\sin^2(\frac{x}{2})}{x} = \lim_{y \to 0} \frac{-2\sin^2(y)}{2y} = -\lim_{y \to 0} \frac{\sin^2(y)}{y} = -\lim_{y \to 0} \frac{\sin(y)}{y} \cdot \sin(y)
limy0sin(y)y=1\lim_{y \to 0} \frac{\sin(y)}{y} = 1 および limy0sin(y)=0\lim_{y \to 0} \sin(y) = 0 であるから、
limy0sin(y)ysin(y)=10=0-\lim_{y \to 0} \frac{\sin(y)}{y} \cdot \sin(y) = -1 \cdot 0 = 0

3. 最終的な答え

limx0cosx1x=0\lim_{x \to 0} \frac{\cos x - 1}{x} = 0

「解析学」の関連問題

## 問題の解答

極限数列関数の極限
2025/5/29

与えられた数列の極限を求める問題です。数列は以下の4つです。 (1) $(-\frac{1}{6})^n$ (2) $(\frac{5}{4})^n$ (3) $2(-\frac{4}{3})^n$ ...

数列極限収束発散
2025/5/29

問題は、与えられた関数 $f(x, y)$ を $y$ で偏微分した結果として正しい選択肢を選ぶことです。具体的には、以下の4つの問題があります。 (12) $f(x, y) = 3x^2 + 2xy...

偏微分多変数関数微分
2025/5/29

$f_x = \frac{\partial f}{\partial x} = \frac{\partial}{\partial x}(2x^2 + 2xy + y^2 - 6x - 4y)$

偏微分多変数関数
2025/5/29

問題は2つあります。 (1) 関数 $z = x^{\frac{2}{5}} y^{\frac{3}{5}}$ の偏導関数 $\frac{\partial z}{\partial x}$ と $\fr...

偏微分多変数関数偏導関数
2025/5/29

(9) $z = 3x^2y^4$ を $x$ で偏微分した $\frac{\partial z}{\partial x}$ を求める。 (10) $z = 2x^2 + 2xy + y^2 - 6x...

偏微分多変数関数
2025/5/29

与えられた2つの無限等比数列の極限を求める問題です。 (1) $3, 2, \frac{4}{3}, \frac{8}{9}, \dots$ (2) $1, -\sqrt{3}, 3, -3\sqrt...

数列無限等比数列極限収束発散
2025/5/29

与えられた関数を微分し、空欄に適切な数字を埋める問題です。具体的には、合成関数の微分、指数関数、対数関数の微分を扱っています。

微分合成関数指数関数対数関数
2025/5/29

関数 $y = x^3 - x^2 - x + 1$ の増減と凹凸を調べ、グラフの概形を描く問題です。

関数の増減関数の凹凸グラフの概形微分
2025/5/29

(1) $\lim_{n \to \infty} \frac{1}{\sqrt{n+1} - \sqrt{n}}$ (2) $\lim_{n \to \infty} (\sqrt{n-1} - \sq...

極限有理化数列
2025/5/29